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【開催報告】"私"をどう伝える?"あなた"をどう聴く?(2020/10/30)

みなさん、はじめまして。学生スタッフのKokoroです。

本日は、10/30(金)に開催したオンラインイベント「"私"をどう伝える?"あなた"をどう聴く?」の様子をお届けしたいと思います🕊💌

1イベント概要

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あなたはどんな言葉で/どんな場面にモヤモヤした経験がありますか?
「女らしく」や「男らしく」といった言葉に居心地の悪さを感じたことのある人、多いのではないでしょうか。あるいは、本来人の数だけ多様であるはずの性別やセクシュアリティの在り方を、見た目などによって限定されてしまうことに辛い思いをする人もいます。そんな風に、人によって価値観やあり方はそれぞれだからこそ、モヤモヤしたり傷いたりする言葉もそれぞれ。そのために、普段の生活において無自覚にしている言動や行動で、意図せず誰かを傷つけてしまったり、意図せず排他的になってしまったりする可能性は誰もが持つのだと思います。

「"私"をどう伝える?"あなた"をどう聴く?」と題したこのイベントでは、ジェンダーやセクシュアリティに関する話題でのモヤモヤに焦点を当て、多様なあり方に想像/想定の範囲を広げたコミュニケーションのあり方や、「好ましくない発言を見聞きした時、あなたならどうする?」を話し合ってみました。


・・・とは言っても、相手がいるのがコミュニケーション。これだけ意識すればOKというわけにもいかないし、あらゆる可能性を鑑みていたら八方塞がりになってしまう…。そんな時のヒントに、臨床心理士みたらし加奈さんの著書『マインドトーク』から多様性を意識したコミュニケーション6ヶ条なるものを引用させていただいてからディスカッションに入りました!(気になる方は是非チェックしてみてください!)
「自分にとっての当たり前を押し付けない」ことや「想像力を持って相手を見る」といったことが1つのキーかもしれないですね。

合わせて、間違った/好ましくない発言を見聞きした時どう対処しよう?というテーマに対しては、心理学専攻の学スタはーちゃんから、「たしかに、きちんと訂正したり主張したりするのも重要ですが、まずは自分を守りましょう」とのお話もしました🌿 私たちがそんな状況と向き合っている時には、大きなストレスに晒されているのも事実です…(例えば共感性疲労やバーンアウト)。だから時にはスルーをしたり、自分にあったストレスマネジメント法を見つけたりして、ご自愛することも頭に置いておきたいです。

そこで実際に、みんなで体の力を抜くストレッチをしてみました。

息を吸いながら〜肩をぎゅーーっとあげて〜ストーーン
息を吸いながら〜肩をぎゅーーーっとあげて〜ストーーーン!

いかがですか?とてもシンプルですが、筋肉の緊張がとけるのが感じられますよね。(私は当日すっかりリラックスしてしまい、一瞬進行を忘れて謎の間を生んでしまいました😂汗)

※どんな時も、まずは自分の心を守ること。逃げることもとっても大切です✍️

2ディスカッションハイライト

■モヤモヤした経験
■自分なりの切り返し方や対応
の2点にわけて当日の話し合いの内容をざっくりご紹介します!

■モヤモヤした経験
・サークル内で男と女で業務区別があって制限されていた(“長は男”で“副は女”など)
・悩みを矮小化されてしまった
・悩んでいるときに、「あなたは〇〇だよ」と自分のアイデンティティを決めつけられてしまった
・異性愛や恋愛をすること/恋愛感情を持ちうることが当たり前という雰囲気
・1つの側面から勝手にラベリングされる(友人など近しい人に言われると、悪気が無いぶん余計にしんどい)
・自分のことをオープンに話してみても、シーンとした空気になってしまった

「決めつけられてしまう」とか「相手の普通を押し付けられてしまう」場面、自分のアイデンティティが想定されていない場面、そのために本来の自分を偽らねばならない場面、どれも苦しいですよね…。悩みを矮小化されてしまう問題も非常に頷けます。どんな悩みも、当人が悩んでいる限り、その人にとってその悩みは絶大なものです。

■自分なりの切り返し方や対応
・自分で相手の性別を決めないようにしている。全員「さん」づけにするとか
・差別的な発言に対して愛想笑いをしない
・普段からジェンダーセクシュアリティに関する情報をばら撒く(会話の中でより良い言葉にすり替えたり、「それって女性だけのこと?」って逆質問してみたり、あるいは「今そういう時代じゃなくない?」っていってみたり)
・先生などに対して、その場で言えなかったけれど伝えたいときにはメールをしてみる
・知識ベースで対話を試みる
・指摘するときや情報をシェアする時には、まるで特別なことは何もないかのように、毅然とした態度でする

とても多様な“自分なりの対処法”を伺うことができました。好ましくない発言にあった際、その場での反応って瞬発力が必要で、筆者は脳内で(あ…どうしよう、良くない、言う?言える?なんて言う?言葉に角を立たせたくないし…)とかやっているうちに気づけば時遅しになってしまうことがよくあります。しかしやっぱり事故予防には、適切な知識の伝播も必要。その点、日頃からジェンダーやセクシュアリティに関する話題をばらまくとか、自分をキャラ立たせてみる、といったことは地道だけれど効果のあることかもしれないです(でもでも、とはいえ、いつも心に余裕のあるスーパーな状態でいられるわけでもないので、まずは自分を守ることを大事に、スルーも逃げるもしましょう!)
ディスカッション中ずっと、皆さんスーパー素敵…ってなっていました。

3 学スタ後記

参加してくださった皆さんが、それぞれご自身の生活の中で、葛藤を重ねながらもより良いコミュニケーション方法を模索して、それを実行しているというお話が非常に印象的でした。既存の価値観を変えるのは、やっぱり一筋縄ではいかない、とても難しいことだと思います。だけれども、それがもし変わる事があるのだとすれば、こうした一人ひとりの小さな言動・行動の積み重なりによるものなのだろうな、とイベントを通じて改めて感じました。同時に、長年自分のなかに住み着いてきた“普通”ってほんとに強力で、知識を得て気を配ってはいても、ふとした拍子にそのがんこ汚れが顔を出すことが私は結構あります。自分の言葉や考え方に自覚的でいるのはもちろん、もし無自覚にも相手に嫌な思いをさせてしまったときには、きちんと謝って対話ができるよう心がけたいです。

最後に、今回の企画を通じて「1人じゃないんだと思った」と言ってくださった方がいたのが私はとても嬉しかったですし、私自身も同じようにそう思いました。
たまには思いを吐き出して、安心して共有できる仲間がいると感じられたり、心を休められたりする場所、GSセンターがそんな場所だと、より多くの方に感じてもらえるよう、学生スタッフとして今後も頑張っていきたいと思います。以上、emotional support human mateになりたい私でした。