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【レポート】目指すのは、体温のあるブランド。グリラス初の自社ブランド「C.TRIA」って?

グリラスストーリーズ

フードロスからコオロギを育て、新たなタンパク質を生み出す循環型食品“サーキュラーフード”に特化したブランドとして誕生したグリラス初の自社ブランドC.TRIA。立ち上げにあたって込めた想いを開発担当 西郷に聞きました。


もっと広く、もっと近くで。声を聞くために生まれたブランド。

ー今回設立した新ブランド「C.TRIA」ですが、立ち上げに至った経緯をお聞かせください。

きっかけはすごくシンプルです。グリラスのコオロギパウダーを使って製造されている無印良品のコオロギせんべいや、ANTCICADAさんのコオロギラーメン。いろいろな方にいろいろな形で僕らの作ったコオロギを食べていただけるようになったのですが、実際にどのような方が買ってくれたのかまでは、どうしても知ることができません。コオロギ自体が新しい食品・食材だからこそ、これからもっと多くの方に受け入れてもらうためにはどうしたら良いのだろうと考えた時、多少リスクを負ってでも自分たちで商品開発して、お客さまの意見をしっかり聞くこと。それを商品や原料に活かしていくことが必要だと考えました。

 自分たちがお客様に一番近い存在になるからこそ、原材料メーカーとしてもコオロギパウダーの卸し先に具体性のある提案ができるようになります。「お客さまからこんな声が上がっているから、このような内容の商品を一緒に作りませんか?」という風に、企画段階からよりお客さまに近い目線で話すことができる状態でいたい。それをグリラスの強みにしたいと思い、今回自社ブランドの立ち上げに至りました。

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ーC.TRIAというブランド名も今回のリリースに合わせて新しく考えたものなのでしょうか?

 はい。このブランド名「C.TRIA(シートリア)」には、かなりいろんな意味が込められていて、時間をかけて丁寧に考えました。

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C.TRIAのCは、「Circulated Cultured Cricket(循環型に養殖されたコオロギ)」の頭文字、「TRIA」は数字の3を表しています。「C≡」の横3本線は数学の証明に使う合同記号で、実は後ろにしれっとG(=Gryllus)が隠れているんです。「サーキュラーフードといえばグリラスだよね」という未来への期待をロゴマークに込めました。

また、「C≡G」は遺伝子の塩基配列の表現の一つです。グリラスは徳島大学発のベンチャーであり、もともとは遺伝子をいじったりするアカデミックな仕事がベース。そんなグリラスのバックグラウンドや、これからの想いを乗せたものがこの「C.TRIA」というブランドで、だからこそロゴもブランド名もみんなで熱くなって決めました。

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ー先日(6月4日)C.TRIA初の商品C.TRIAクッキーとクランチの発売がありましたが、反応などいかがでしたか?

思っていた以上に多くの方からリアクションをいただき、サーキュラーフードへの関心の高さが伺えて嬉しかったですね。SNSなどで、自分たちが手がけた商品の感想を直接見ることができるのがすごく新鮮でした。

もちろん初めての取り組みなので、販売してからわかる課題も多く見つかりました。僕らはフードロスを解決しようとしている会社ですが、物流の面でも環境のために取り組めることがないかと考え、今回「過剰包装」の解決に取り組むことにしたんです。商品に伝票を直接貼って届ける、という最小の包装に挑戦しました。

発売開始以降、「梱包はこれくらい簡素で十分、逆に嬉しい!」などお声をいただく一方で、「贈答用にしたいので直張りは避けて欲しい」というご意見もいただきました。現在は緩衝材を使用せず、封筒に入れ発送を行なっています。今後はサイト改善もしながら、包装形態を選べるようにしたいと考えています。

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他にも商品自体、クッキーやクランチの味についてのご意見も多くいただきました。こうやって、課題やご意見をリアルタイムで知り、すぐに巻き取ることができるのはいいなと思うんです。それだけで、今回グリラスから自社ブランドを作った意味は大きいんじゃないかと思っています。

ー今後の展望があれば、教えてください。

これからC.TRIAは「体温のあるブランド」にしていきたいです。そもそもこのブランドの立ち上げは「お客様の声を知りたい」から始まったものなので、とにかくお客様の声にしっかり耳を傾けていきたい。まだまだ未成熟な業界だし、何が正解かも決まってないからこそ、一番大事になのは食べてくれる人の声だと思うんです。だから、今回の新商品のパッケージには、アンケートページに飛べるQRコードを仕込んでいます。

そこから頂く意見を柔軟に取り入れて、自社製品は早いスパンでアップデートさせていきたいと思っています。さっきの配送や焼き時間の話もそう。商品開発はプログラムじゃないから、一工程加えるのに大きな手間も時間もかかるけど、お客様からの声を真摯に受け止めて、同じクッキーでもver1➡ver2…という風にどんどん改良していきたい。双方向のコミュニケーションを大事にして、皆で一緒に作り上げていけるようなブランドにしたいと思っています。

ー最後に、既に購入した方、いま興味をもって記事を読んでくださっている方へのメッセージをお願いします。

 こんな時代だから、職場や学校で友人たちとシェアして食べることは難しいけれど、とにかくいろんな人に、そして誰かと一緒に、食べてもらいたいと思って作りました。

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「こんな時代って来たんだね」
「コオロギって意外と美味しいんだね」
「なんでそもそもコオロギ食べなきゃいけないんだろう」
「こういう課題があるらしいよ」
「へえ、じゃあちょっと俺らも考えなきゃいけないね」

みたいに、やっぱりいろんな社会課題的な意識を持って欲しい。今回は、そういう会話のタネを作りたくて、みんなで一緒に食べられる「お菓子」というジャンルを選択しました。最終的には、コオロギが当たり前の食材として扱われるようになってほしいし、食卓に並ぶような商品も開発していきたいと考えています。コオロギが日本の当たり前の文化として食卓に根付いていくところを、自分たちの商品を通じて見守っていただければ嬉しいです。

C.TRIAの商品ページはこちら
https://gryllus-online.jp/pages/ctria


グリラスについてもっと
https://gryllus.jp/stories/

サーキュラーフードって?代表 渡邉に聞きました。
https://note.com/gryllus/n/nbb0173710b47

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