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【対談】選べる三種の「C. TRIAカレー」開発の裏側!

グリラスストーリーズ

グリラスの歴史と未来を語るメディア「グリラスストーリーズ」

今回は第二弾の商品として販売される「C. TRIA カレー」の製造を担当していただいた宝食品株式会社を訪れました。香川県小豆島内に位置し、地元の醤油を使った佃煮をはじめ、レトルト食品や防災食、宇宙食など様々な商品展開に取り組まれている会社です。

C. TRIA待望の新商品トマト・グリーン・イカスミの3種類を展開する「C. TRIAカレー」開発の裏側について、お話を伺いました。

宝食品株式会社 |香川県小豆島町
http://www.takara-s.co.jp

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株式会社グリラス 西郷琢也
徳島大学卒。大手物流系企業を経て2020年9月にジョイン。営業及び商品開発、ロジスティクスを担当。

株式会社グリラス 渡邉崇人
グリラスCEO。昆虫の発生·再生メカニズムが専門。コオロギの大規模生産、循環エコシステムの開発を行う。徳島大学バイオイノベーション研究所・助教

宝食品株式会社 三澤省一
代表取締役専務 有限会社京宝亭 代表取締役社長

宝食品株式会社 向井一真
宝食品株式会社開発部。奈良先端科学技術大学院大学卒。前職で工場の衛生管理や防虫防鼠を学び、小豆島に帰省後宝食品に入社。4年目の現在は製品開発業務を担当。

宝食品株式会社

西郷 まずは簡単に、宝食品さんがどんな会社か教えてください!

三澤さん(以下、三澤) 創業は昭和23年で、小豆島名産の醤油を使った佃煮工場からスタートしたメーカーです。小豆島の生海苔や北海道の昆布を使った佃煮など、地元や各地の海産物を中心に原材料にこだわった製品を作り続けてきました。どうしても離島という土地の都合上、冷凍や冷蔵での物流体制を整えることが難しく、常温で出荷できる製品に着目して、早いうちからレトルト食品用の設備の導入なども進めてきました。

工場は香川県にあり、香川はうどんで有名ですよね。関係あってかはわかりませんが、香川県民はうどんを食べる時、野菜はあまり食べないということで高血圧や糖尿病の人が多いと言われているんです。導入したレトルトの技術を使って、野菜を一緒に食べてもらえるうどんソースや、「7年常温で日持ちする」レトルトならではの保存技術を活用した防災食などの製造販売を行っています。

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他にも、これまで培ってきた技術で日本の食を宇宙へ届ける「宇宙食」への挑戦も長く続けてきました。品質や、製造する工場の管理など厳しい条件を示され非常に苦労したのですが、2020年3月に宝食品の「ちりめん山椒」が宇宙食としてJAXAの認証を獲得しました。

これまで色々な挑戦をさせていただいたのですが、グリラスさんともご縁があって今回カレーの開発を一緒にやらせていただいています。

西郷 ありがとうございます。かなりぎゅっとまとめて話してくださいましたが、これまでの挑戦の数だけいろんな苦労を乗り越えてきたことと思います。気になるのは一番初めのきっかけですよね。そもそもグリラスと出会って、コオロギを使って商品化をしようと思ってくださったきっかけを教えてください!

三澤 弊社の役員をして頂いている小豆島の会社の会長さんが、グリラスさんのコオロギに興味を持たれていたんです。会長と一緒にグリラスさんの会社に訪問させていただいたことが最初のきっかけです。商談ともつかないような雑談を色々とさせていただいている中で、乾燥のコオロギを出してくださり、そこで初めてコオロギを食べたんですよね。

食べてみると思った以上に食べやすくて、香ばしい。その瞬間、これで何か作れないだろうか、と思うようになりました。

渡邊 それが2019年頃、グリラスとして会社を作ってすぐくらいのお話でしたよね。

西郷 自分たちで言うのはルール違反かもしれませんが、初めて目の前に出されて食べてみよう、商品を作ってみようよと言えるのがすごく素敵で貴重なことだと思うんです。

無印良品からコオロギせんべいを出して以降、周りからの目は良い方に変わっていきましたが、2年前というとそれより前のお話ですよね。「タンパク質危機」「食品ロス」の解決を掲げていたグリラスと、様々な挑戦に挑み続ける宝食品さんとが上手く結びついて今回のカレーの開発に至ることが出来たのかなと思います。

三澤 そうですね。後付けなんですけど、宝食品で「おもいやりごはんシリーズ」という名前のスープを作っていたんです。アレルギーフリーがコンセプトで、スープはお肉を使わずえんどう豆タンパクを使っています。

先ほど話したうどんソースも、肉の代わりに大豆タンパクを使用していて、もともと「代替タンパク」には関心が高い方だったんですよね。そんなところから、もう一つのタンパクとしてのコオロギのお話を伺った時、素直にやってみようと声に出せたのだと思っています。

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カレー開発の裏側

西郷 これは個人的に気になることなんですけど......食品の原料としてのコオロギがある、ということを向井さんが初めて知った時の感想が気になります!

向井さん(以下、向井) 正直、「え、虫?!」とは思いました。(笑)

渡邊 本来工場に決して入れてはいけないものですもんね(笑)。

西郷 そこからコオロギのパウダーをお渡しして、開発が始まって......。パウダーを実際手に取り、使ってみていかがでしたか?

向井 最初はあまり良い印象を持っていなかったのですが、袋を開けてみると穀物のような香りがして、意外と食べやすくタンパク質も豊富。かなり色々なものに使えそうだなという感想に変わりました。

どうしても水には溶け切らなかったのでその壁はありましたが、いくつか試してみた中で一番マッチするものがカレーだったんですよね。

西郷 これまでもC. TRIAでクッキーやクランチなど新商品を開発してきたのですが、より皆さんに馴染みがあるもの、食卓に近いものと言う意味で今回の新商品であるカレーも大きな意味を持つと思っています。カレープロジェクトが始まって、伴走していただいて......そこから完成まではかなり早かったですよね。もちろんありがたいことなんですけど、驚きました!

三澤 もともと香川県の方から「地元のブランド畜肉で何か作れないか」というお話をいただいた時に、ちょうどBSE問題があった最中で生産者、製造者が見えるカレー開発に挑戦していたんです。最終的に、隠し味に小豆島の醤油を使ったカレーを作り発売して、当時はカレー専門の展示会に出展したこともありましたね。

グリラスさんからカレーのお話をいただいた現在、弊社では、若いスタッフを中心に商品開発スピードを短くしようというチャレンジの途中でした。失敗しても果敢に新しい挑戦をしようとする社風が、グリラスさんの壮大な挑戦とご一緒出来たのはすごく大きかったと思います。

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西郷 これまで色々な企業の方とお話してきて、コオロギを使った商品開発はトップと現場でそれぞれの心理的ハードルがあるな、と思うんです。どちらかだけでもその壁を超えられないと商品は完成しません。

そんな中でも宝食品さんは、現場の方も一緒にチームに巻き込んでくださり、そこで僕らも直接思いを伝えながら商品開発を進めることができてすごく嬉しかったです。宝食品のアンテナショップ京宝亭でみんなでカレーの試食をしたときの、あの盛り上がり。みなさんの熱い思いがどんどん伝わってきて、すごく良い雰囲気の中で生まれた新商品になったと思います。

向井 もちろん初めは抵抗のある同僚もいて、試作品を試食してもらうために全員のハードルを取り除いてあげないといけないというのが難しいところでした。最初に同僚に食べてもらった時は「これがコオロギの味なんだ......」という微妙な反応で、このままじゃみんなに受け入れてもらえない。そこでこちらとしても火がついて、絶対に美味しいものを作ってやるぞ、と言う気持ちで試行錯誤を繰り返しました。

何回も作っていくうちに、その同僚もコオロギに慣れて全く抵抗なく食べられる普通のものになっていったんですよね。コオロギを10%くらい入れた超高配合カレーを作ってみたこともあったのですが、工場でやったら焦げるんじゃないか、という別の問題があって断念。それだけは少し悔しいポイントですが、結果今回は配合を変えた3種類のカレーが完成しました。

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最初に作ったトマト味は、パウダーの配合も辛さも控えめにして誰でも食べられるように。イカスミ味はコオロギパウダーが見えない分配合量をなるべく多くしながら、かなり辛口の大人向け。最後のグリーンカレーは、逆にパウダーがちゃんと入っていることを感じられるような見た目に仕上げました。

西郷 本当に美味しいカレーなので、試食でもついつい力が入ってしまって(笑)。

渡邊 西郷はね、個人的にカレーが好きだから.....(笑)。さっきおっしゃっていただいたことが本当にすごく重要だと思うんですよね。一番最初に食べたときは違和感を持った人たちが何度か食べると慣れて、心のつかえが取れて素直に美味しいと思えるようになる。そのイベントを日本全国で起こしたいんです。そうすれば、コオロギは普通の食品原料になっていくはずだと思っています。

三澤 他にも、コオロギは今叫ばれている世界的なSDGsの取り組みにも直接繋がっていますよね。弊社としてもそういったことに携わっていくことにすごく関心があったし、だからこそ一緒にやらせてもらいたいという想いもありました。

コオロギという食材を広げて、一般の人がそこに慣れていく過程で、どれだけこの辺を認知できるか、というのも重要になってくるのかなと思います。ここにも力を入れて取り組んでいきたいですね。 

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西郷 ありがとうございます。では最後にC. TRIAカレーを手に取ってくださったお客様に向けて、宝食品さんからメッセージがあればお願いします!

三澤 僕らがそうであったように、「昆虫食」という言葉だけ先行して食べるハードルが高いのも頷けます。だからこそ、新商品のカレー3種はそれぞれコオロギパウダーの配合を変え、だれでも食べやすいマイルドなものから、コオロギを食べていることをしっかりと実感できるものまで、配合を工夫しました。少しでも気になっている方が、ご自身のペースで試してみることができる商品になったと思います。

食としてのコオロギが気になっている人、興味はあるけど少しハードルが高いな、と感じている人にこそぜひ試してみて欲しいです!

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“「おいしい」からはじまる、ひろがる、つながる。” 

今回取材させていただいた宝食品株式会社さんと共に作ったC. TRIAカレーはこちら


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