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スキボとスキーブーツについて

 スキボで遊ぶのに不可欠なスキーブーツ。時期的にそろそろ買おうか?と検討を始めてる人も多いのではないでしょうか?
 だけど、スキーボードのブーツって?今日はそんな話題です。

※今回はちょっと長いです。ブーツの話題は沼なので…。

スキーボード専用のブーツ

 かつてありました。そして今でも手に入れる事は可能です。が、現実的には「ない」と言ってしまって良いでしょう。と言うのも、今現在で専用ブーツとして生産されているブーツがほぼなく、スキーボード専用のブーツにこだわる事はほぼないからです。
 ※三年ほど前に量販店で専用と売られていた新品を見て以来、一般的なスキー用品売り場で見かけていません。

 スキーボード専用のブーツは足首が曲がりやすいように出来ているのが特徴です。足首が曲がりやすいと言うのはとても大事な事で、スキーボードで足首が曲がらないブーツを履くとそれだけで物凄く滑りにくくなります。

 そして現在、スキーブーツはスキーボード専用のブーツがあった時代からだいぶ進化して、わざわざスキーボード専用のブーツが無くとも構わないようになりました。さらにスキーボードの技術的な検討が進み、スキーボードに適したブーツの履き方も見出されているので、多くの一般的なスキーブーツで困る事もなくなりました。

 なので売り場でスキーボードの専用ブーツが無くとも大丈夫、ポイントさえ押さえればブーツ選びで困ることはありません。

スキーボードに使えるブーツのポイント

 スキーボードに使えるブーツは、基本的には一般的なアルペンスキーブーツとなります。とはいえ普通に並んでいるスキーブーツならばほとんどがアルペンスキーブーツなのでここはあまり意識しなくとも良いでしょう。

※気になる方はブーツの足裏、ソールの所に「ISO5355」と書かれているのを確認出来れば間違いありません。(ものすごく小さく記載されている場合もあります)

 次のポイントはフレックス(FLEX)です。一般ではあまり馴染みのない言葉ですが、スキーやスキーボードのブーツ選びではかなり重要な言葉です。

 フレックスはブーツの硬さを示します。もともとクッソ硬いのに何ぞや?と思うものですが、ブーツは足首が曲げられるようにできています。その足首を曲げる時に軽い力や体重で曲げられるものを「フレックスが柔らかい」といい、曲がらないものを「フレックスが硬い」と言います。それは数字で示されており、数字が小さいほど柔らかく、大きいほど硬くなります。

 一般的な入門用のスキーブーツのフレックスはだいたい50~60です。これはスキーボードでは初心者や体力に自信のない方、普段スポーツをやられていない方にはちょうど良い硬さですが、体格の良い方や普通に滑れる方にはやや頼りない硬さになります。

 それくらいのレベルの人だと70~90のフレックスのブーツが適します。中級モデルやコンフォートモデル、オールラウンドをうたっているスキーブーツの多くがこの硬さで、ゲレンデを一日快適に楽しみたいライトユーザーにはこのフレックスをお勧めします。

 ちょっと上級だったり、ガンガンスピードを出して滑る方。そういう方だとフレックスは90以上が必要になるでしょう。ただしかなり硬くなるので自分に合っていないとてき面に扱いにくさを感じてしまいます。

 なおこのフレックス。スキーだと150くらいまであります。一般的ないわゆる「SAJ1級」という人で90~110くらいのフレックスのブーツになり、スキー競技をする方だと120以上ないと不安を感じるものでしょう。

 こうしたレベルのスキーブーツはスキーボードには全く向きません。使えないことは無いですが、無理に選ぶフレックスではありません。このレベルの方々がなぜここまで高いフレックスのブーツを求めるのか?それは上級だからとか上手だから、とかでは全くなく、滑走スピードが高いので曲がるときの遠心力などに耐える為に硬いブーツを選んで履いているだけなのです。

 なのでけっして「フレックスは高い方が上級者」って考えてはいけません。そのイメージでスキーボードのブーツとして買うとだいたい失敗します。ざっとした計算になりますが、自分の滑走スピードの最高速以上のフレックスのブーツはあまり適さない、と考えても目安になると思います。

※一般的なスキーヤーやスキボダの滑走スピードは30~40km/hで、だいたい原付バイク程度です。40km/hとは人間の走った時の限界時速で、ウサインボルトの速度がこれくらいです。スピードを出してる!って感じるスピードが60~80km/hで、自転車でもなかなか出せない速度です。そして上級者でも100km/hを超えるのはかなり大変だと思います。(頑張れば99cmのスキボで111km/h出ます)

つまりフレックスって?

 あまりスピードを出さないのであれば適度に柔らかい方がやはり楽です。スキーボードは滑るときに膝を前に出して滑るのがコツですが、その膝が前に出しやすいのは何よりもメリットになります。

 高いフレックスが必要になる場合は初心者ではまずありません。上達してたまにちょっとスピードを出したい、中級者向きの斜面を爽快に滑りたい!となれば70~90くらいのフレックスのブーツの方が気持ちよく斜面を滑れるでしょう。それ以上は…となった時はだいたい自分にとってどれくらいのフレックスが「必要」なのかわかるレベルになっているので、これはいわずもがな、になるでしょう。

 かといって低すぎると今度はブーツが自分を支えきれなくて疲れます。なのでここは盲目的に「初心者は50~60」って思ってしまって構いません。それ以下のフレックスのブーツは実際にはあまりありませんし、あってもそれはジュニア用のブーツです。

 また、体重がある方は気持ち硬いフレックスの方が良い場合があります。逆に軽い女性などは軽めのフレックスの方が良いかもしれません。この辺があいまいな言い方になるのは、実はフレックス、メーカーによって結構違ったりするからです。統一的な規格としてのフレックスの数値は無いので、メーカーが「だいたいこれくらい(※厳密にはそうではないですが)」としているのがフレックスの数値なのです。

 参考までに私のスキーボードに使っているブーツはフレックスが100と120です。滑りのシーンや遊び方によって使い分けてますが、最近は85くらいの柔らかいブーツも欲しいな~なんて思ってます。

あとは履き心地

 フレックスの見当が付けばあとは「履き心地」です。かなり重要なポイントです。スキーボードではスキーに比べ「足」を使うので、ブーツの履き心地は可能な限り妥協せずに選ぶと良いです。

 と言うのも、履いてみて足が動く、痛みが出るなどのブーツはどんなに高性能で評判が良くてもダメです。足が動くブーツは怪我の原因になりますし、痛みが出るブーツは一日を楽しくしてくれません。

 試し履きをして痛い、足が動くという事があるならそのブーツはやめておいた方が良いでしょう。ゲレンデではブーツは冷やされて一層硬く感じられます。その時に痛かったりしたらより痛みが強く感じられます。

 履いてみて痛みを感じない。感じたとしても十分我慢ができる。それくらいで留めるのが良いと思います。お金を出せれば自分に合わせたブーツチューンや、最近流行の熱成型シェルなどで自分専用のブーツが手に入りますが非常に高いです。※10万ぐらいします

 なお、ある程度の痛み、特に小指の痛みなどは中敷き(インソール)で解決可能です。これはお店の方に相談すると適したインソールを教えてくれると思いますが、相場は既製品で5000円、フルカスタムだと1万は軽く超えます。

※インソールはフィット感を解決するのに一番手っ取り早く効果が期待できるものです。これはまた改めて解説します。

試し履きして買う

 そして最後のポイントですが、必ず試し履きして買いましょう。ネットやオークションで試し履きせずに買うと安いですが…ほとんど場合後悔します。

 足は自分の思っているよりもサイズが違います。私の場合普段は26~27cmを靴を履きますが、足の実寸は25.2、25.4です。思ったより小さいし、左右でも違います。さらには「ラスト幅」という足の横方向の大きさも重要で、硬いスキーブーツでは多くがこの幅の間違いで痛みが出たりしています。

 この実寸などはお店で依頼すると簡単に測ってくれます。そのうえで自分に合ったブーツを選べばびっくりするぐらい自分に合ったブーツに出会えます。が、これが履かずに買ったブーツだと…。

 あれ?スキーボードのブーツの選び方じゃないの?

 と、ここまで長々と書きましたがどうでしょう?ぜーんぜんスキーボードならではのブーツ選びについては触れていませんね?

 そうなんです。スキーボードだからと言って気にすることは無いんです。大事なのは「自分にあったフレックスの自分に合った大きさのブーツを、試し履きして納得して買う」事なのです。

 そしてスキーボードではスキーボードならではの「ブーツの履き方」がありますが、これはブーツが適切かどうか?が最初の大事なポイントになります。そして何より痛みのない快適なブーツを使う事こそスキボを楽しむために大事で重要なこと、次にゲレンデに行くのにもそういったブーツなら楽しみになります。

 もっと細かくお話したいこともありますが、とりあえずブーツについては今日はこれくらいにしましょう。しっかしほんとブーツは沼です。語っても語っても話がどんどん出てきてしまいます。

 聞いてもらえるなら一度どこかの飲み屋でブーツについて語ってみたいです。一晩で足りるかどうかはわかりませんが。

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