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「店」として認められるとは

新年度が始まりましたね。

新社会人の皆様、いよいよ人生の本番が始まります。

この先いろいろあると思いますが、どうぞ末長くご活躍ください。


さて、実のところこの僕も、新卒でいわゆる「会社」というものに入社して、社会人1年目をスタートさせた経験のある人間である。

もちろん、途中でドロップアウトして、その後いろいろあって、いまではこの神保町で BAR なんぞをやっている訳でございますが、

やはり就職して、最初に出会った人達との人間関係というのは、その後それぞれ散り散りになったとしても、案外長く続いたりするものなので、それだけ「最初」の体験というのは、たとえ短い期間であっても、印象に残るというか、人生の中で、それなりのインパクトのあるものなのだと思う。

実際、事あるごとに「友人がいない」と書いている僕でさえも、学生時代の知人なども含めると、そこそこの数の人々が、今ではお客さんという形で訪れたりしてくれている訳で(有難い話です)、「付き合いは大切に」などという常套句も、そう軽んじてよいものではないとは思う。

ところで、

こういった、お客さんとして訪れてくれる友人の中には、

「やあやあ、あの頃は〜、」などと思い出話に興じる方も多く、

こちらとしても、それはそれで愉快なことではあるのだが、


本当のところを言うと、それは今だに「昔馴染みの友人」としての域を出ておらず、「店主と客」と言う立場にはなっていない、とも言える気がするのである。

(決して否定している訳ではないです)

それに、

その場に居合わせた、他のお客さんからすると、

「何だ。知り合い同士で固まっている店か・・・。」と思われてやしないか、若干気になるところもあって、どうにも会話に集中出来ない部分もある。


率直に申し上げると、こちらとしては、もうこの業界に入った時点で、純粋な「友人」というものは無くなる、とまで覚悟は決めているので、いっそ全てを「店主と客」という立場にしてしまった方が、随分気が楽になるのだが・・・。

一方で、どうにも友人の中には「ここの店主の昔馴染み」という立場をキープしたい方もおられるようで、いつまでたっても、なかなか純粋な「店」として認められるようにはならない場合も多い。

では、店側として、一体どんな時に「店」として認められたと思うかというと、

これは僕に限ったことなのかもしれないが・・・、

やはり「愛人」を連れて来てくれた時である。

(だいぶ批判を浴びそうな内容だな、これ(笑。)

これは、明らかに、うちを「店(BAR) 」として認めてもらった合図と僕は考える。

「愛人」を連れて来たということは、

BAR として
・連れて行って恥ずかしくない雰囲気があって
・ほどよく静かに放っておいてくれて
・店主の口が堅い

と認めてくれたことに他ならない。

これは、店をやる者としてとしては、最大級の賛辞だと受け止めている。


こういった瞬間は、何とも言えず、嬉しいものだ。


・・・。


いえ、実際にそういう事例があったという訳ではございませんが。

(汗。

そうなれば本望、というお話です。


神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

いえ、別に推奨している訳でもございません。

やっぱりまずいかな、今回の投稿(笑。

お待ちしております。


Silent Moments / Prince Alec feat. Yasmin K
Unlimited Sounds GmbH
2009

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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