【CDレビュー】 Machida Girls' Choir 『Moon base』

[両A面表記の時もあるけれど、とりあえずこちらの表記で。noteだと後で修正できるのが良いよね]

グループとしては初の、AB両面ともにカバー曲が収録された、1年ちょっとぶり6枚目のシングル。(意外にも現体制では初の音源)
コーラスアレンジというユニークなアプローチで楽曲に取り組むグループのスタンス(そしてプロデューサーズのこだわり)が、過去最高に濃く出た、グループの腕試し的な印象のある1枚。

楽曲は2曲とも最高にパンチが効いているので、既存曲と組み合わせてお気に入りのプレイリストを作ってみると楽しいと思う。
[個人的には『Moonbase』→『Ice Nine 』→『銀河ステーション』→『スターパレード』→『Satellite watch』の流れはさいつよだと思っているので、手元に音源が揃っている方はぜひに]

M1『Moon base』
[オリジナル版を全バージョンは聴けていない勢なので、歴戦の皆々様におかれましては、ああ、オリジナル版を全バージョン聴けていない人の感想なんだな、って思って読んでいただけたら幸いです…]
メロディラインに漂う『懐かしのSFドラマのテーマ曲感』(『宇宙空母ギャラクティカ』とか『スターゲイト(ドラマ版)』とか)に、頭の中の中坊の目がキラッキラになる曲。個人的にオーケストラアレンジが聴きたい曲No.1。
手数の多さと対照的に、思いの外コンパクトに纏まっている印象な打ち込み中心のトラックと、全編がコーラスで構成された歌声が、曲のタイトルでもある『電子ガジェットに溢れた月面基地の内部』と『月面基地の外に広がる宇宙(人類最後のフロンティア)』の対比を織り成していて、SF作品冒頭の世界観説明の部分を彷彿とさせるなあと。
ボーカルにかかった強めなエコーが左右から交互に聞こえてくるアレンジは、宇宙空間がただそこに雄大に広がっているだけではなく、その広がりの中に何かしらの『意志』があるようにも感じられて、『この後に続く物語』への期待が否応なく高まってくるという点でも、ライブのセトリ1曲めにぴったりなのかも。

M2『Bohemian Rhapsody』
かなりオリジナルに寄せたトラックに、多重録音を使わないコーラスを乗せて、あの原曲の空気感を再現しようという、極めて高難易度な縛りプレイを試みている曲。
[QUEENガチ勢としては、どうしても『原曲に並んだ!』とか『完全再現!』とは断言できないので、以降ちょっとフワッとした文章が続きます…お手柔らかに]
第一楽章は、ひたすらに緻密なパート分けが圧巻。全編通して言えるけれど、メンバーの声質ベースでパートを決めたのではないかというほどに『空気感』の再現がすごい。
第二楽章は、ひよりさんソロ始まりで一気にミュージカル的な空気感になって、歌詞の物語に引き込まれるのはさすがとしか。もえかさんソロの、ビブラートをかけながらスッとフェードアウトさせる歌い方は、フレディよりもジョージ・マイケルっぽい艶やかさがあるなあ、と。そして、ギターソロの圧倒的に博士に寄せていっている感は、感動を通り越して笑えるクオリティ。
第三楽章は、いい意味で声質で遊んでいる感じが楽しい。もともと原曲でもネタ的な作りの部分なので、変にエフェクターを使って寄せていくよりも、このくらい振り切って歌った方が空気感的にも近づくのだなあという発見もありつつ。
第四楽章は、7人のコーラスでフレディのボーカルのパワーに挑戦するという、ある意味最大難易度のパート。前半のパートではやや力不足かと思わせて、後半のコーラスの広がりで一気に巻き返す凝ったアレンジが楽しい。
第五楽章は、ひよりさんともえかさんのソロが入り混じるのだけど、確かQUEEN + アダム・ランバートのライブで、映像のフレディとアダムがコラボしたときもこんな歌割りだった気が。そして『matters』の発音が完全にフレディなところにニヤケられる。
[最後の銅鑼がない理由が結構気になるので、いつかショーキチさんに聞いてみたいなとは思っているです]

2曲のレビューなので小1時間で終わるかなと思ったらそうでもなく、なかなかに充実した時間を過ごしてしまったので、もっと言葉がワーッと出てくる体質になりたいなと。
この先旧作レビューに走るか、新譜をポツポツ追っていくか迷い中だけれども、今回はひとまずこれにて。[ここに次の更新まで多少間隔が空いても違和感がないようなお別れの文章を入れてね]

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