試着室で自分と対峙する。

小さな小さなセレモニーと言うにも及ばない式典(と言うのも大袈裟すぎるが)にPTA代表として私が出ることになった。すぐに終わるものだから、そんなにしっかりした服装じゃなくていいよ、、、と先生は言ったあとに、私のその時の服装を見て間があく。うーん、しっかり式みたいな服装じゃなくてもいいけど、、つまり、その時の私の服装ではアウトなんだろう。キレイめって感じですか?と返すと、そうそう!キレイめ!って言われたので、さっそくキレイめの服を買いにしまむらへ。どれがキレイめなんだろう。ある程度、ネットでリサーチはしてきた。こんな感じだろうと言う上下を選んで、試着室へ。
そこで私は現実と対峙することになった。もう、なんというか、ブスとかデブとか、そういうカテゴリーじゃない、貧相で卑しい私が、内面が外見によく出ている私がいた。30代、こんなつもりじゃなかった。猫背で、肌はボロボロで、髪はパサパサで。思わず目を背けた。どんな服を着ようが、内面の貧しさは隠せない。キレイめな服を買いにきて、値札ばかり見る。安いもの安いものと探して、何度も失敗した。また、私は安くてペラペラの服を試着していた。鏡を見ることができずに、私は自分から逃げた。

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