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パリ生活ゴ(11) 愛想、礼儀、親切

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 11.   愛想、礼儀、親切

<シーン 11 >
不動屋にて。無愛想なマダムにアパート購入の相談をしていた時、私の携帯電話が鳴った。話し終わると彼女がこちらをじっと見ている。「今のニホンゴ?」、「ええ」。彼女の瞳がキラキラ輝く(ように見えた)。「マッダ~ム、お水はいかが?」 と親切にサーブしてくれる。

急に愛想まんちきりんになった彼女が見せてくれたのは、HLM地区(低所得者用住居)にある最悪の物件。 2部屋と言うが、広めのワンルームを仕切ってあるだけ。日当たり悪く、中はボロボロで内装工事が必須なのに50㎡で45万ユーロの高さ。

別日にて。
日本に引っ越し荷物を送ることになった。見積もりに来た日本好きのムッシュはやけに愛想がいい。「ウイ、マッダ~ム」、とVIPに接する時の尻上りトーン。私が口を開く気配を感じると口をつぐみ、聞き耳を立てる礼儀正しさ(日本ではフツーだが、パリではVIPでないと話をさえぎられるのがフツー)。

だが、後日受け取った見積もりにわたしゃ仰天。荷物の重さが850キロと書いてある。送るのはPC、オムツ替え台と敷布団2組だけなのに。

愛想、礼儀、親切さを大判振る舞いしてくれる仏人営業に出会ったら、一杯くわされる覚悟で臨んだほうがいい。

<使えるパリ生活ゴ 11 >
A : Pourquoi tu ①râles comme ça ?
 なんでそんなにプリプリしてんだよ。

B : Parce que j'ai acheté un appart ② merdique qui est en train de s' effondrer à cause de la humidité. Je ③ me suis fait avoir.
ひっでえアパート買ってさ、湿気で崩れ落ちそうなんだ。やられたよ。

A : Pourquoi ne pas porter plainte contre l'agence immobilière ?
不動産屋を訴えたら?

B : Je l'ai acheté par ④ de particulier à particulier.
パテイキュリエ・ア・パテイキュリエで買ったんだよ。

A : Hmmm, ça pourrait être un peu compliqué.
う~ん、そりゃ面倒だな。

〜解説〜
① râlerはぶうぶう不平を言う【protester en grognant】

② merdiqueはひどい、くだらない【mauvais, médiocre】。
merdeから派生。Un boulot merdique(=un boulot de merde)はくだらない 仕事。
<関連語> merdeux、merdeuseは青二才 【jeune blanc-bec, gamin insupportable】。 emmerderは~をうんざりさせる。emmerdeur (se)は煩わしい(うっとうしい)奴。

③ se faire avoirは一杯くらわされる、やられる 【se faire vaincre, se faire tromper】。
avoirの「~をだます」という意からきている。

④ de particulier à particulier(直訳すると、『個人から個人へ』)は不動産広告誌。1975年創刊。毎週木曜日発行。家主が直接広告を出し、借りたい、買いたい人は直接交渉する。直の取り引きなので仲介料を払わないで済むのが魅力。一 方、万一トラブルがあった場合は仲介業者がいないため自己処理せねばならない面もある。

❤️では scène 12 でお会いしましょ❤️


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