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LV.3 (番外編) 土曜日の午後

私は週末、競馬を観ることが楽しみなのだが、「勝てる!」と判断できるレース日(いわゆる勝負レースのある日)にはゲンを担ぐ意味でカツ丼を食べるようにしている。今日は京都のメイン平安ステークス(G3)が勝負レースに該当し、昼食を買いに近所のかつやに向かった。

時計は正午過ぎ。朝はブラックコーヒーのみのため、空腹は限界が近づいていた。電話であらかじめ予約を済ませ、受け取り時間に取りに行く。コロナの今を生きる上での自分なりの工夫だ。時間通り店に着き、かつ丼(梅)を受領し支払いへ。そのレジで奇跡が起こった。

店員さん「本日は機械故障によりスイカ・クレジットカード等は一切使えません。現金のみです。申し訳ございません。」

私「ふぇ!?現金持ち合わせていないのですが…」

不測事態に焦る店員のおばさん。少し目が笑っている。

カツ丼が目の前でお預け状態になり、空腹絶頂の私。

昨今のキャッシュレスブームに便乗し、私はほとんど財布を持ち歩かない。持ち歩くのは携帯のみ。今日に限って故障とは…。いや、待てよ。車の中にもしもの時の1000円札があったはずだ。車に戻り確認、、、ない。

そうだった。この前丸亀製麺に行った時に同じようなこと(行きつけの丸亀は現金のみ)で虎の子の1000円を使ったんだった。仕方ない、お金を取りに帰ろう。

店員さんに帰宅する旨を伝えるため一旦お店に戻った。

私「すいませんが、お金を取りに帰りたいと思います。13時過ぎには戻りますのでカツ丼をキープしていただくのと、もう1つカツ丼追加で注文しても良いですか?」

店員さん「ふぇ!?」

まさかの僕からの一言に店員さんの目は点になっていた。このタイミングで追加注文する!?のような。そんなことはどこ吹く風。私は最大限冷静を装いお店を後にした後、猛ダッシュで家に帰り約束の時間通りお店に戻ると店員さんがなぜか笑顔で待っていた。今度こそカツ丼を。。。すると、そこでまたしても奇跡が起こった。

私「すいません。お手数をおかけしました。支払いをお願いします。」

店員「ありがとうございます。お会計が858円になります。それと、お詫びにコレサービスです。

私「!!! すいません、お気遣いいただき、ありがとうございます。」

ビックリして笑ってしまった。奇跡。本当に貰っていいのだろうか。カツ丼は100円引きのところ200円引きになっていた上、サービスの大根漬(かつやと言ったらコレ)まで。こんなことあっていいのだろうか。店員のおばさんのあの笑顔は私の驚く顔を想像して、の意味だったのだろうか。色々想像してしまった。

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帰宅後、安定の美味しさに感動しつつ、いざ勝負レースへ。

今日の本命は「京都コース安定・機種乗り替わりなし」の観点から、迷わず軸は

7番 ヴェンジェンス。7番軸の3連複で勝負した。

そしてここでも奇跡は起きた。

4コーナーで勝ち(当たり)を確信できる手応え。フッ、これこそが勝負レース。

結果は、オメガパフューム ー ヴェンジェンス ー ゴールドドリーム。

さてさて、何倍ついたかな。20倍くらいかな。えっと、5ー7ー…

ない。なぜか買っていなかった。思わず笑った。そして思った。

「あの時のおばさんの笑顔はこういう意味だったのだろうか。」

Merci beaucoup!

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P.S. 明日は3冠への通過点






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