【速報】セブンが買収案を拒否した理由と、今後の可能性(2分で読める)
セブンはなぜ、買収案を拒否したのか?
2週間前に投稿した記事の続編です。9月6日(金)にセブン側が、アリマンタシオン・クシュタール(夜ふかし)による買収提案を拒否したという報道がありました。今日はこの件の解説をしたいと思います。参考までに2週間前に投稿した記事を↓に貼っておきますので、お時間があれば先にお読みいただけると今回のお話の理解が早まります。
買収拒否の理由は大きく2点挙げられています。
一つ目は、「企業価値を低く見積もられたこと」が理由とされています。
提案時は発行済み全株式を1株14.86ドルで現金買取というものでした。9月6日の為替換算で5兆5千億円規模、同日のセブンの時価総額とほぼ同じ金額です。セブンのこの時価総額は、買収話が出た時より1兆円ほど上がってはいるので、この話が出なければ今現在でも買収金額より下回っていたかもしれません。
ただ少なくとも現時点で時価総額が買収金額に並んでいる時点で、セブン側が安く見積もられているというのは、理があるかと思います。
この点については、提案金額を上乗せしてくる可能性がなくはないですが、夜ふかし自体の時価総額が日本円で8兆円弱なので、劇的な積み上げは難しいとも考えられます。もちろん、金融機関からの借入なども考えられますが、現段階ではそこまでの詳しい情報は出てきていません。
二つ目は、「アメリカにおける独禁法に抵触する恐れが払拭できていない」とあります。こちらについては、第一弾の時に買収が成立しない可能性の一つとして挙げさせてもらいましたが、今回ここをセブン側は拒否理由の一つにしてきました。
ただし、前回も触れましたが、この点に関しては今までもM&Aで成長してきたこのグループ(夜ふかし)からして、この点をクリアする準備なく買収提案に臨むというのは現実的には考えにくく、そういう意味ではセブン側も、こちらの理由がメインではないように思えます。
ではこの先どうなるか?
夜ふかし側は引き続き買収条件の検討をして行くということで、引き下がらない姿勢を示しています。ただし、トーンからはすぐに、敵対的買収にすぐに入って行くことも現状では考えにくいかと思われます。また、もしも強い出方をした時には、セブンというよりは日本側が経済安全保障の観点で口を出してくる可能性もあります。
ここについては、タイミング的に次の日本の総裁がどうなるか、そしてアメリカの大統領がどうなるか、さらにその関係がどうなるか、にも関わってくる可能性が出てきます。単純な企業買収の枠組みを超えて、これからの日本企業および日本国の対米関係にも大きな影響を与える可能性を秘めています。
そして、今後どうなって行くかについてを世の中がどうみているかは月曜日のセブンの株価の上下動にも注目です。大幅に下落したりすると、それはすなわち、市場は買収に期待をしていたことの証左とも捉えられかねません。そうすると、夜ふかし側の買収意欲をさらに加速させてしまうことが予想されます。