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コロナ下で考える「事業の終活」から見えてきたこと

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私たちの暮らしをがらりと変えてしまった、新型コロナウイルス。「Stay Home」な生活を余儀なくされ、経済活動が縮小しているなかで、経営者や個人事業主が苦境に立たされていると聞きます。

はじめまして。私は保険代理店を営む父をもつ、家業を持つ娘です。いったんは継ごうとしたものの、最終的には継がないことが決まりました。そんな私もいま家業に何が起こっているのか、これから何が起ころうとしているのか、気になります。

プロフィール
名前:谷野 美絵
年齢:45歳
家業:保険会社の代理店(保険募集人)
代:父親が創業者
事業継承:継がないことが決まっている
現在:校閲者、ライター、伊和翻訳者

ある時、ふと思いました。
「コロナ不況のいまだからこそ、継ぐ・継がないに関係なく、家業持ちに『できること』『すべきこと』があるのでは?」
では何から始めよう。

そう考えてこの記事では、弁護士の石田伸一さんに家業持ち代表として「中小企業の「事業の終活(=会社のたたみ方)」について」お話を聞いてきました。みなさんにも役に立つことがあるはず。

この記事の最後に、皆さんにとっても最初の一歩となり得るいまできることをご紹介しています:
1. 石田弁護士に相談してみる
*「この記事を読んで」とお伝え頂ければ初回の相談料0円!
2. 家業の「万が一」への備えを知る
*経営者である親はどの程度「備え」ができているんだろう?
3. 同じ境遇同士、情報交換ができるネットワークを得る
*今こそ助け合い!自分に合ったロールモデルや事例を見つけよう。


家業のことを終わりから逆算して考えてみたい理由

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コロナ不況はいつ終わるとも予測がつきません。
私の家業の場合、いますぐに影響があらわれる業種ではなさそうですが、いずれ必ずやって来るその時に備えて、さまざまなケースを想定しながら心がまえをすることが大切なのだろうと感じています。
想定したシナリオのひとつには「事業の終活」、つまり廃業もありました。

家業持ちとしては、経営者である親が何十年もかけて築いてきたもの、大切に守ってきたものが終わってしまうなんて、もちろん想像したくありません。けれども、“継がない”からこそ、家業との距離が少し開いているからこそ、あえて“経営者としての究極の選択”に目を向けることで見えてくるものがあるのでは、と考えたのです。

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知らないことだらけ。廃業のあれこれ

1. 廃業するにもお金がかかる?

私:「廃業を考える前に、経営者にこれだけは知っておいてほしい」と思うことがあったら、教えてください。

石田弁護士:手元に財産が何もなくなってから相談に来られる方もいらっしゃいますが、廃業するにも資金が必要です。

私:そうなんですね!知りませんでした。

石田弁護士:廃業の手続きを弁護士に依頼することになりますから、まず、その着手金が必要です。さらに、法的に破産を考えることになると、裁判所は、できる限り各債権者に配当すべく財産を調査・回収などをする「管財人」という人を選任しますが、この管財人に対してお支払いする手数料のようなものも、申立をする人が用意する必要があります。

私:管財人に支払う分として、いくらぐらい必要なのでしょうか?

石田弁護士:ケースバイケースですが、建物の明け渡しも従業員の解雇もすでに終わっていて、形式上畳むだけ――という場合なら、20万円で済むかもしれません。株式会社や合同会社などの法人なら、管財人に対して支払うものでだけでも50万円というところでしょうか。

私:その金額が支払えるうちが、廃業を決めるギリギリのタイミングなのですね。

2. 事業とプライベートでお財布は分けている?

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私:廃業の相談者に共通して気になることはありますか?

石田弁護士:自営業や中小企業の経営者の中には、事業の経費とプライベートな支出を区別できていない方が少なからずいらっしゃるようで、本当に経営に必要な支出なのか把握すらできていない例が散見されます。例えば、会議費や接待交際費ですね。

私:事業とプライベートでお財布を分けていないと、どのような不都合があるのでしょう?

石田弁護士:いざとなった時、支援の必要性を認めてもらえず、リスケジュールや金融機関からの借り増しなどがしてもらえなくなってしまいますね。

私:不誠実な経営をしていると判断されてしまっては、救いの手を差し伸べてもらえないのですね。

3. 自営業と株式会社で借入金の扱いは違う?

私:自営業と株式会社で借入金の扱いは異なりますか?

石田弁護士:同じです。「誰が」借りたのか保証人になっていたのか、「何に」抵当権などが設定されているのか、が重要ですね。借主または保証人が返済義務を負います。

私:借主というと、自営業なら経営者ですね。株式会社の場合は誰でしょうか?

石田弁護士:法人ですから、企業が借主ということになります。また保証人に関しては、みなさんが知っているような大企業ならともかく家業ということであれば、経営者が保証人になっていることが多いのではないでしょうか。

私:株式会社だからと言って、代表者が返済義務と無関係というわけではないのですね。

4. 持ち家が抵当に入っていたら?

私:自営業の場合、持ち家を抵当に入れて融資を受けることもあるのですか?

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石田弁護士:自営業に限らず、法人代表者の不動産にも抵当権が設定されることが多いと思います。経営者の保証だけですと、いざとなったときはすでに経営者にも現預金がなく回収が困難となっているでしょうから、金融機関としては少しでも回収可能性を高めるために抵当権を設定することはあるでしょう。

私:もしも借りたお金を返せなかったら、経営者は持ち家を失ってしまうのでしょうか?

石田弁護士:必ずしも手放さなければならないとは限りません。例えば、個人再生という手続きがあります。これは、住宅資金特別条項によって、住宅ローンだけはこれまでどおり支払い、それ以外の負債についてはある程度圧縮した金額を一定の期間内に支払うという方法です。

私:住宅ローンをすでに払い終わっている場合は、どうなりますか?

石田弁護士:個人再生ならば、土地と建物の価値の相当額を債権者に支払えば、家を手放す必要はありません。

私:持ち家を失うなんて、かなりつらいことですよね。実家が抵当に入っているかもしれないなんて、考えてもみませんでした・・・。

石田弁護士:登記簿は誰にでも取ることができます。オンラインで請求できるサイトもありますよ。

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登記情報提供サービス

コロナ不況がなければ見向きもしなかった、事業の終焉シナリオ。
石田弁護士からお話を伺って、廃業とは、経営者が長年にわたって築き上げてきたものをひとつひとつ棚卸していく作業。まさに「事業の終活」なのだ、と知りました。

廃業の話から見えてきた「経営者の覚悟」

今回、あえて事業の終わりから逆算して家業のことを考えてみようとした結果、気づいたことがあります。それは、父の「経営者としての覚悟」です。

事業を続けることには、どのような責任とリスクが伴うのか。融資を受けた先に、何が起こりうるのか。
経営者としての父がこんなにも重たい、大きなものを背負っていることが、私にはまったく見えていませんでした。そして改めて、コロナ不況のいまだからこそ、父と家業について話し合いたいという想いが強くなりました。

とはいえ、その前に家業がおかれている状況をもっとよく知り、理解する必要があるとも感じています。「継がない私が、急に家業に関心を示して直接いろいろなことを尋ねても、父が相手にしてくれないのでは・・・」と不安なのです。
だからこそ、最終的に父と向き合うために、まずは家業やその業界に及ぼされるだろう影響や活用できそうな支援策についての情報を集めることこそが、私にいまできる最初の一歩なのではないかと思っています。

家業持ちのみなさんには、この記事を読んでどんな気づきがありましたか?
「家業のために、何かやりたい!」と思っていたら、私と同じように、情報を集めることからはじめませんか?

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例えば、こんなアクションをおすすめします。

家業のために、いまできること。

1. 身近な弁護士に相談してみる。
今回は「事業の終活」のさわりだけお伝えしましたが、もっと詳しく知りたい方は、身近な弁護士に相談してみてはいかがでしょう? 石田弁護士が「初回(内容次第では継続して)無料でご相談に乗りますよ。」とおっしゃってくださいました。

石田弁護士のプロフィール:
石田伸一 2012年弁護士登録(東京弁護士会)。メイン業務は個人・自営・法人の破産。趣味はボウリング(最高297。昨年の平均190)「一度でいいからプロテストを受けてみたい思っています」。

☆石田弁護士へのご連絡は以下の方法でお願いします。

1. メール本文に、以下の情報のみご記入ください。
①グラフトプレナーのnote記事を読んでとお伝えください。
②法人名(自営業の場合は屋号) 
③相談者氏名
④メールアドレス

*最初のメールに「相談内容は書かないようご注意ください」とのこと。
*当然ですが、ご相談いただいた内容の機密は守ります。 

2. ishida*tgl-law.jpへ送信ください。 ※「*」は「@」に直してください。

2. 家業に十分な「備え」ができているかを知る。
新型コロナの感染者が増え続けるなか、家業そのものだけでなく、経営者である親の健康状態も気がかりですよね。いまならば、経営者の体調に万が一のことがあった場合の備えが十分なのかどうか、親や家族の間で話題にしやすいのではないでしょうか。

☆ 新型コロナウイルス対策としての法人保険の活用事例

なお、このサイトは、読みものとしてご参考までにご紹介しています。
*父の事業とは一切、関係がありませんし、勧誘する意図はまったくありませんのでご安心ください!

3. 情報交換ができるネットワークを得る。
家業持ちや経営者、企業の経営・会計に詳しい専門家が続々と、ブログやSNSで発信しているようです。記事を読むだけでも情報が集められますが、さらにフォローしたり、メールやメッセージを送ってみると、つながるきっかけが生まれるかもしれません。

☆ 皆さんがいま必要とする繋がり・情報・サポートが見つかるかも!

「家業」にまつわる課題・機会に興味がある
当事者の方、支援する方は覗いてみてください:
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