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やれるところまでやってみる自営業精神は、ふたつの家業ゆずりかも。──おばら

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「家業を継いでいないのだから、家業は自分に関係のないこと」「社会に出て企業で働いているから、家業について考えたこともない」。こんな常識を一度疑ってみよう。家業と無関係に思えるあなたの今のキャリアや選択してきた仕事も、ひょっとすると家業のバックボーンがあるからなのかもしれない。

今回インタビューするのは、フリーライターのおばらさん。なんと家業はふたつあって、亡くなられたお父さんがラーメン屋を、そしてお母さんは現在も美容室を営んでいる。

プロフィール
名前:おばら
年齢:非公開
家業:ラーメン店、美容室
代:1代
事業承継:ない
現在:フリーランス

美容室とラーメン屋、ふたつの家業のもとで育った

──ふたつ家業がある人に初めて出会いました。家業について教えていただけますか?

母親が美容室を経営、父親がラーメン屋を経営しています。母親の美容室は駅前で場所を借りてやっていて、地域密着型で何十年も営んでいます。名前は「トップモード現代」っていうんですよ。いかした名前ですよね。今も現役で地元の方に愛されながら続いています。父親のラーメン屋は何度か場所を変えながら色々なところでやっていました。ある頃には高円寺に住み込みで屋台のラーメン屋さんをやっていたときいています。

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──高円寺で屋台ってなかなかカッコいいラーメン屋さんですね。味を覚えていますか?

それが、私が中学生くらいの時に父が大きな病気をして、高校生になるころには父は家で主夫のような感じだったんですよね。なのでラーメンのことはあんまり覚えていないんです。そこで、この間こっそりお母さんにラーメン屋さんの名前を聞いて検索してみたら、すごく質素なラーメンの写真が出てきてほのぼのとした気持ちになりました。「今の時代のラーメンとは全然違うなぁ」と思う一方で、「やっぱりお父さんのラーメンが一番美味しかったねぇ」というお母さんの言葉を聞くと、そうだったのかな、と味を想像してみたりします。

──お母さんの家業は何か記憶に残っていることはありますか?

小学生のころから手伝いをしていましたね。タオルを畳んだり、毛を掃いたり。

美容師になる転機は、母親の美容室で

──お母さんの働く姿を見て、憧れたり?

いやぁ。お母さんがパーマを巻いているのを見て、あんなに細々したことはできないなと思っていました。それでも美容にはやはり興味があって、将来何をしようかなと思っていた時に転機が訪れたんです。
中学生の時にお母さんの美容室に髪を切りに入って、待合室で待っていた時のこと。あんまりおしゃれじゃない感じのおばさんが入ってきて、「あぁ、おばさん入ってきたなぁ」と気にも留めずに雑誌を読んでいたんです。しばらくして「ありがとうございましたー」という母の声に顔をあげたら、本当に綺麗なマダムが目の前に立っていて。こんな短い時間で髪や顔が変わるんだと衝撃を受けて、美容師になることにしたんです。

──小原さんは現在はライターをしているけれど、前は美容師をされていたんですものね。

そうなんです。この転機から美容の道に進んで、美容師になりました。

──お母さんから家業を継いでほしいとか、アドバイスをもらうことはありましたか?

継いでほしいと言われたことは一度もなかったですね。美容師になってほしいとすら思われていなくて、公務員になれって言われていたくらいです。それでも、美容師になると決めた私を見て学校を選ぶ時にアドバイスをくれたりしましたね。

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常に自由でいたい気持ちは両親に共通していたもの

──お父さんの家業から影響を受けていることはあるんでしょうか。

料理は好きでSNSにあげたりもしているんですが、これもお父さんの家業とはあまり関係ない気がします。だけど、働き方には少し影響を受けているのかもしません。

──というと?

親が両方自営業だったことで、私にも自由で好きなように働きたいという気持ちが常にあるんです。美容師を目指していた時は当然のようにいつかお店を出そうと思っていたから高校は商業科に行ったし、フリーランスになってライターなどの仕事をしている今でも会社に入りたいという発想があまりありません。今フリーランスでなんとかやれているので、できることならこのまま自由にやっていきたいなと思うんです。

──なるほど、ご両親の姿が生き方にも影響しているんですね。これからやってみたいことはありますか?

これからは色んな事に挑戦しつつお金を稼いでいけたらいいのだけどなぁ、なんて考えているんですよ。人生の一番大きな目標は本を出すことなので、文章を書くことは続けながら色々なことをやってみたいです。

──それは確かに、自営業の娘らしい発想!

屋台のラーメン屋さんをやることに比べたらまだまだできることがありそうです。何かをやる前に「きっとやっても無理だよな」と思ってしまったらそれは無理になってしまうので、だめだったと思えるところまでやってみたいですね。

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(聞き手・執筆:出川 光 / 写真:おばらさんよりご提供)


最後までご覧いただきありがとうございます😊

本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

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