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オンラインイベント「家業のお悩み大募集!家業エイドお悩み相談会」をレポート

グラフトプレナーが運営する、家業持ち同士が繋がってお互いの家業を助け合うSlackコミュニティ「家業エイド」。今回は11月27日に行われたオンラインイベント「家業のお悩み大募集!家業エイドお悩み相談会」の様子をレポートします。家業持ちにはあるあるのお悩みトークから始まり、最後には親子愛を感じる感動的な締めとなりました。レポートするのは、家業エイドの運営スタッフをしていて呉服屋を家業にもつ、さやかです。

お茶屋さんを家業に持つまゆさんのアイデアがもとになり、家業のお悩みをカジュアルに相談しあえるオンラインのお茶会を開催することに。「家業エイド」運営スタッフの私と、同じく運営スタッフで出版社を家業に持つ光さんがホストとなり、ゲストスピーカーとして金属部品製造業を家業に持つ松山さん、パッケージメーカーを家業に持つ五十嵐さん、お米屋さんを家業に持つ小澤さん、そしてまゆさんにもご参加いただきました。

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予定時間の20時になると、イベント参加者のみなさんが続々オンラインに。金曜の夜ということもあってか、ビールを片手に参加している方もちらほらいます。久々のイベントということもあってか久しぶり!の声があがり、すでにアットホームな雰囲気。画面越しに乾杯をしながらのスタートです。マイクやカメラをオフにしての参加もできるので、配信のようにして見てくださっている方もたくさんいます。
まずはお互いの家業について簡単に紹介しながら自己紹介。今回は事前に募集していたお悩みのほかにもSlackコミュニティ内のスレッドでコメントを募集し、リアルタイムでコメントを読み上げながら進んでいきます。

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以前Slack内に投稿させてもらった、家業の情報共有や連絡のためにどんなツールを使っている?LINEを使うので精一杯の親にも使えそうなツールはないか?という私の悩みを投げかけてみました。松山さんが教えてくださったのは、「社内でほかの社員さんとのやり取りにはTeamsを使いつつも、父には予定を紙のカレンダーに書き込んでもらい、自分がそれを写真に撮りチャットに流して共有している」という方法。アナログで一手間かかりますが、親世代に慣れないツールをむりに使ってもらうよりも確実で、更新のお願いもしやすそう。玄関先に予定を書き込む用の黒板を置いておく、という提案もありました。家業エイドメンバーには書いたものをクラウド化できる黒板を作っていらっしゃる方もいます。そういったツールを賢く使っていくのがばっちりの解決法かもしれません。

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お米屋さんを家業に持つ、小澤佳奈さん

「家業がIT化できていない問題」は、みなさんネックに感じている様子です。小澤さんからは、記録が残っていない売り上げや両親だけが知っている上顧客さんの情報をリストにし共有できれば、もっと効率的な仕入れや仕込みが可能になるのに……という声が上がります。長年家業を支えてきた親のやり方を尊重しながら、私たち世代がやりやすいように変革していく必要がある。これこそ、家業持ち特有の課題だなと感じます。

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日本茶小売店を家業に持つ、清水真由さん

この流れから、親とどう話してる?というお悩みについて話が移っていきます。やはり血の繋がった親子なので、会議の場でもつい家族の会話になりケンカになってしまうことが多い。これは本当によく聞く悩みです。これには小澤さんから「母親と父親で意見が違う場合、どちらかに加担することでケンカになるのでなるべくフラットに話すようにしている。親のキャラクターに合わせて会話をしている」という対策があがります。
まゆさんはタイミングよくお父様から「親子が家業で仲良くするにはどうしたらいいか」という話をされたとのことで、「お互いの話を否定せずに聞く、世代ごとに得意なことと苦手なことがあるのでそれを知った上で話をする」という、お悩み解決のヒントになる現場の声を教えてくれました。

盛り上がりのあまり30分ほどの延長戦に入り、家業をどうブラッシュアップしてる?というトピックに移ります。松山さんから「第三者の意見を聞き、自分たちに見えていない課題を見つけてアップデートしていく」という親世代と共に進めていく方法があがると、五十嵐さんからは「ツールが使えず親が実行できなかったことを代わりにやってあげるなどして、親を味方につけつつ実績を作り、新しいことを始めていく」という、親世代とやり方の違いでぶつかってしまうことが多い家業持ちあるあるの悩みを避ける具体的なやり方が。
家業を継いでいない人からの意見も聞きたい!ということで小澤さんにもお話を伺うと、継いでいないからこそ浮かんだアイデアが好きなように言えるかも?という声があがります。重くて買うのが大変だったり、昔は配達が主流だったりしたお米は実はサブスクと相性が良いのでは?など、外から見た意見を気兼ねなく親に伝えることができるので、ブラッシュアップに繋がりやすいかも。という意見にはなるほどの声が漏れました。そしてお米のサブスクの話から、お茶も一緒にどうでしょう?それを送る箱を作りますよとポンポン会話が進みます。家業持ち同士が繋がり、新しいことが生まれる予感がするこのワクワク感。まさに「家業エイド」だなと感じた瞬間です。

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間に松山さんの「親が元気すぎてなかなか跡を継げない!」という幸せなお悩みが入ったり、まゆさんから「親の人生=家業なので、親の生きがいのために彼らのやってきたことを否定しないようにしている」や「子供の私が活き活きと家業を手伝う姿を見せていると、親も幸せそうにしている気がする」というハッとさせられる意見が飛び出したり。気心が知れすぎていてすぐケンカになったり、世代間のギャップを埋められずストレスが溜まることも多いですが、あらためて家族と仕事をしているという幸せを感じる時間になりました。血の繋がりだけではなく、家業というこんなにも強い繋がりが親とあるんだと再認識したり。普段はそんなことも忘れて憎まれ口を叩いてしまうのですが……。「今日まで会社を引っ張ってきた事実だけでも、親世代はすごい」という五十嵐さんのコメントに、全員の気持ちが集約されているように感じました。

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いつも通りゆるく始まったお茶会でしたが、思いがけず最後にはアツく親子愛、家族愛を感じるとてもいいイベントとなりました。終わってからもスレッドにコメントが相次ぎ、名残惜しい気持ちでウインドウを閉じます。早くオフラインで集まり、お酒を酌み交わしながらこんな会ができるようになる日が来ますようにと願っています。

(文:家業エイド運営スタッフさやか)



最後までご覧いただきありがとうございます😊

本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

運営チーム一同より

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