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はじめて家業を手伝って、クラウドファンディングを成功させた話

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いつもならばインタビューをお届けしているこのnote、今回は寄稿をしてみようと思います。改めましてこんにちは、このグラフトプレナーのnoteで編集や、時々執筆をしている出川 光です。

これまで、家業はあるけどあんまり手伝えることがなかったこの私に、ついに、家業を初めて手伝うチャンスが巡ってきました。今日はそこから学んだ、家業をスムーズに手伝うためのTipsを書いてみたいと思います。


私はクラウドファンディングのコンサルタント、
家業は出版社

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▲長野の山を祖父、祖母、叔母とたずねた時のもの(撮影は叔母)

まずは私と家業の関係から。私の家業は山岳系の専門誌を扱う出版社。曽祖父が創業して90年の会社です。その後祖父が継ぎ、叔母が継ぎ、と世襲制で続いてきましたが、現在は大きな出版社の子会社になっているので、継ぐ、継がないという話も自ずと出なくなりました。

一方私は美術大学を卒業しリクルートに入社、その後はクラウドファンディングサイトCAMPFIREの立ち上げから5年間その仕事をし、現在は編集や写真の仕事に軸足をおいているものの、クラウドファンディングについては自信をもってコンサルティングできる立場です。

Tips1 :自分の専門分野をなんとなく知っておいてもらう

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▲本が出版されたときの写真CAMPFIREのスタッフと

クラウドファンディングのやりかたを執筆した拙著『クラウドファンディング・ストーリーズ』を出版したことでなんとなく「クラウドファンディングについては詳しい」という太鼓判はある状態だった私。コロナウイルスの影響がではじめてしばらくして、急にそっけないメールがきました。

「うちの会社でクラウドファンディングを考えているようです」

本当にこれだけ。でも、これが私の家業歴史のなかではじめてのできごとでした。ここからわかることは、自分に専門スキルがある場合はいつでも思い出してもらえるようにアピールしておくと、いざという時(素っ気なくですが)頼ってもらえるということ。

Tips2:第三者の太鼓判が関わりをスムーズにしてくれる

このオファーを受けて家業をお手伝いするためには、社員の方とのミーティングが必須でした。この時役に立ったのが、第三者の太鼓判です。

私の場合は、専門書を出版していたことでした。経営者にとって家業は唯一の大事な事業です。たとえ家族でも、曖昧な専門知識では関わらせるのをためらったり、話を聞いてもらえない場面も多くありそうです。第三者の太鼓判があることで、社内でも私の存在はスムーズに受け入れてもらえました。身内であることを隠す必要もなく、利用する必要もなかったのはこのおかげです。

Tips3:報酬をもらわない

クラウドファンディングのコンサルティングをする時は負担にならない程度のコンサルティングフィーをもらうこともあります。でも、今回は報酬はいりませんとはじめから伝えておくことで、働いていらっしゃる社員の方との連携がスムーズにできました。身内に発注するとどうしてもひいきにしている感じが出てしまうし、私が社員の立場だったら面白くないと思うのです。大満足のお仕事ができたら後から値付けしてもらえばよいことです。

Tips4:こっそり調べておいて、役立った

さて、話を聞いてみると私が手伝うプロジェクトは、コロナの影響で経済的打撃を被ってしまった山小屋を救うというクラウドファンディングでした。クラウドファンディングについては熟知しているつもりですが、完全の山小屋の知識はというと、もちろん社員の方や家業を継いだ叔母にはかないません。実際に行ったことも数えるほどしかありませんでした。
しかし、実は私、コソコソ実家から出版されている本を持って帰っては読み、amazonで探してはまた読み、と家業の出版社から出ている本を実はけっこう読んでいたのです。山小屋に関する規模感や言葉遣いなど、おそらく大きく的外れではなかったのはこっそり調べておいたからでした。

Tips5:これがグラフトプレナーイズム、不思議な勘がきっとみんなある

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▲グラフトプレナーのイベントで家業について話す私。グラフトプレナーのおかげで家業ってそういえばあったな?と気づかされたのでした。

いざ打ち合わせをしてみると、不思議に叔母とだけ意見が一致することや、社員のみなさんが言わんとしていることがよくわかる場面、言語外コミュニケーションに助けられて(と、おそらく社員のみなさんのおかげで)プロジェクトはこれまでにないほどスムーズに進みました。

家業を継いでいないけれど、家でずっと家業の話を聞いていたからこそわかる、家業のいいところ、強み、魅力。それらを引き出してプロジェクトに落とし込むのが私の今回のコンサルティングでした。このような勘どころのようなものは、家業を持つ人にはきっとあるはず。これを大事にしながら家業を手伝うのがお伝えする最後のTipsです。

家業を手伝った結果は、私史上最高額の6000万円超え

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山小屋エイドプロジェクトはこちらから

肝心の手伝いの結果はというと、私が600件以上のプロジェクトを見てきたなかでも最高額の6000万円を超えた支援額が集まっています。もちろん私のコンサルティングのおかげではなく、これまで90年にわたって山岳出版を手がけてきた家業の力と、プロジェクトを運営している社員のみなさんと、山小屋を支えたいと思う支援者のみなさんが作った結果です。でもこの結果のどこかには、家業を手伝ったから起きた小さな奇跡があるような気がしてなりません。

一番よかったのは、家業をひとり引っ張っている社長の叔母の姿をみて、カッコイイなーと思ったこと。プロジェクトはまだまだ続いていますが、今から終わるのがちょっと寂しいくらいです。

みなさんも家業を手伝ってみようかなーという気持ちになりました?
最後は宣伝ですが、家業を持っている人どうしがつながるslackコミュニティ「家業エイド」というのを私はスタッフとしてお手伝いしています。運営しているのはグラフとプレナーのみなさん。これを読んでもっとききたいぞ、となった方はぜひこちらから参加してみてくださいね。

(執筆:出川 光)


最後までご覧いただきありがとうございます😊

本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

運営チーム一同より

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