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合宿型で事業を承継・再生する「BIZIONARY」に学ぶ、困った家業の意識の変え方

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さまざまな働き方にあった仕事を紹介する求人サイト「日本仕事百貨」を手がけるナカムラケンタさんが、合宿型の事業承継・再生スクールを始めました。その名も「BIZIONARY」。困った家業の意識をどう変えるか、「BIZIONARY」の経験をもとにお話をききました。

創業するよりも、すでにある家業を伸ばした方がスピードが早い

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──「BIZIONARY」について教えてください。

BIZIONALYは、合宿型のスクールです。あらかじめ決められた事業をお題にして、実施にその経営者を招き、その事業を再生するための案を考えてもらいます。

──なんのために「BIZIONARY」を始めたのでしょう。

運営している求人サイト「日本仕事百貨」で後継者を募集する求人が増えてきていました。なるほど、やっぱりそういう時代なんだなと感じますし、このサイトを使って会社に入って後継者になったというケースも多く見てきました。例えば、中川政七商店の14代目社長の千石あやさんは「日本仕事百貨」で中途入社された方です。他にもサイトを見て役員になっている方は増えていて、後継者を募集するニーズと意義を感じていました。

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もうひとつは、創業支援のお手伝いをする仕事を通して、その難しさを改めて知ったことです。創業は簡単ではないし、創業できても軌道にのるまで何年もかかります。一方で後継者のいない企業が100万社以上あり、その半分近くが黒字経営であることを考えると、ゼロから企業するのではなく、すでにある事業を伸ばしていったほうが早いと思い、「BIZIONARY」を始めました。

行き詰まった家業の打開策、合宿型スクールの中身

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──合宿型のスクールとは、どんな風に行われているんですか?

合宿は3日か4日間の間、参加者と対象事業の経営者の方、「BIZIONARY」のスタッフや、そして先生役として起業家などのゲストで行います。参加者には参加費を払っていただいていますが、スクールの運営費用は自治体や商工会議所などが予算計上するものを前提としています。対象事業が2つか3つくらいあり、参加者は6人から8人くらいのグループになってもらいます。参加者には事前にどの対象事業のグループに入りたいか希望を聞き、グループ分けをします。そして合宿がスタートすると、対象事業をやっている方から事業の内容などをインプットしてもらい、起業家などのゲストたちにファシリテーションしてもらいながら、参加者が事業案を考えていきます。最後にその事業案をプレゼンテーションしてもらうところまで行います。

──3、4日みっちり考えると、すごいアイディアが出てきそうですね。

たとえば前回、茨城県の常陸太田で行った時は、対象事業のひとつに林業がありました。常陸太田はもともと杉などの林業が盛んなんです。日本家屋を作るための材、いわゆる在来工法の木材を製材するところが比較的多いのですが、今は在来工法という伝統的な工法による家屋の需要が減ってきている。そうすると製材所も稼働が下がり、森も管理が行き届かなくなるという悪循環が生まれているようでした。そこで、僕が担当したこのグループが考えたのは、在来工法材で作る小屋のキットを作る事業です。ポイントは、良いデザインの小屋をどう集めるかなのですが、コンペ形式で小屋のデザインを募り、最優秀の方には一棟売れるごとに10万円のデザイン費を払い続けるという方法にしました。3日間の間に事業計画をまとめ、ブランド名やロゴも作ったんですよ。

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ただ事業承継するのではなく、再生、発展させるのか大切

──これまでの事業とはまた違う新しいアイディアが生まれたんですね。

そうですね。ここでわかるのは、ただ事業承継をするだけではなく、再生、発展させることも大切だということです。自分が参画するからこそできることが見えてくれば、参加者にもモチベーションが生まれてうまくいくし、自分の事業が再生される案が生まれるプロセスを目の当たりにすると、現経営者も心が動くんです。次回は有志で製材所の見学ツアーに行くんですよ。

──すごい熱量ですね。林業だけでなくさまざまな家業に活用できるものでしょうか?

どんなものでも良いと思います。例えば農業や、日本酒の蔵などでも面白いアイデアが生まれそうですよね。アイデアというのは、アイデアだけでは育たず、それを考えた人とセットでうまくいくものなので、よい参加者に出会えたらしばらく会社で働いてもらいながら最終的に後継者になってもらうというイメージもできます。

家業にアドバイスするなら、まずは家業以外の事業を本気で考えてみる

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──今自分の家業を助けたい人には、どんなことができるでしょうか。

自分の家業のことをいきなり考え始めるのではなく、まず他の事業について考えてみてから、客観的な意見を家業にぶつけてみるというのはどうでしょうか。「BIZIONARY」に参加してみるということです。自分の家業以外のことを本気で考えてみると、家族ともうまくコミュニケーションしやすいのではないかと思います。

──自分の家業に「BIZIONARY」を導入するのを提案するのもひとつでしょうか?

いいと思います。経営者の方たちって、あまり自分の事業を残さなくてもいいんじゃないかと思っている人が意外と多い印象です。「BIZIONARY」で自分の事業がどんどん再生できる可能性を目の当たりにしたら、考えが変わると思うんですよね。その意識の変化が、とても大切なんです。


時代が大きく変わる今、家業の事業そのものについて考えてみるのもいいかもしれない。
まずはサイトをのぞいてみて、「BIZIONARY」についてもっと知ってみよう。詳しい問い合わせには、ビデオ会議も対応している。


BIZIONARY」を詳しく見てみる

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「BIZIONARY」は、求人サイト「日本仕事百貨」が考える、新しい事業承継・協同プロジェクト。参加者とともに地域に訪れて合宿を開催し、対象事業の承継・再生プランを一緒に考えることができる。


最後までご覧いただきありがとうございます😊

本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

運営チーム一同より

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