謹賀新年

明けましておめでとうございます。
旧年中は、温かいご支援をいただきましてありがとうございました。

山梨に「敷島書房」というとても好きな、昔ながらの本屋さんがあります。
以前、立ち寄った際、山梨とも所縁のある南方熊楠の特集をしていらっしゃいました。熊楠への愛情を感じる展示を眺めていると、「熊楠はお好きですか？」とお店の方が話しかけてくださいました。
お店を出る際「何も賞を取らなかったというのが、またいいですよね」と、温かい笑顔でおっしゃっていただいたことは、一昨年、すべてのワインコンクールから卒業する一つのきっかけにもなりました。

お正月のおやすみをいただき、中沢新一先生の「レンマ学」を拝読しました。中沢先生は、山梨ご出身の学者で、父とは高校の同窓生でもあったことから、尊敬の念と同時に親しみを感じていました。
南方熊楠と、中沢先生がかぶって見えるのは、きっと私だけではないだろうと密かに思っています。

これまでも、中沢先生は、深い知性から、軽いものではない噛み切れないような本質的なものを書いていきたいとおっしゃっているように、ご著書を読むたび、学への真摯な眼差しに気持ちが引き締まります。
三が日に「レンマ学」と出会ったことで、私自身も知見をより深め、ものづくりと向き合い、簡単に理解されないような、噛み切れないような本質的なワインを造っていきたいと強く思いました。
「熟成」ということを深く理解する必要があると考えています。

落ち着かない毎日ですが、萎縮せずに、明るい笑顔で果敢に挑戦する年にしていきたいと思います。
本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。

1月6日放送の「NHKニュースかいドキ」新春インタビューに出演いたします。
山梨のみの放映となりますが、昨年の醸造の様子も合わせて、よろしければ是非ご覧ください。

詳細はこちらになります。
1月6日（水）18時10分～19時
NHKニュース　かいドキ
https://www4.nhk.or.jp/P4366/x/2021-01-06/21/39682/8211710/