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ワイナート100号に掲載いただきました

ワイナート創刊100号、おめでとうございます!!

ワイナート 2020年10月号 第100号 『日本の造り手100』の表紙と巻頭の特集にて、ご紹介をいただきました。

ワイナート 表紙

酒販店・飲食店の皆様には、事前アンケートにて、たくさんの方々にご投票いただいたとうかがい、本当にありがとうございました。
感謝の気持ちを忘れず、選んでいただいたことに恥じぬよう、誠実なワイン造りを追求してまいりたいと思います。

グレイスワインの醸造家になると決めた時から、個人の夢よりもワイナリーの夢、自分自身の希望よりも業界の希望、私自身の生活よりもチームやファミリーの生活だと思い、歩んでまいりましたが、このたびの取材では、幼少期の思い出や、20歳の誕生日で飲んだワインの話など、ふと素の私自身に戻る瞬間がたびたびあり、どきどきしながら質問に答えさせていただきました。

どのワイナリーのワインにも、ストーリーがあると思います。
世界最大のワインコンクールで、日本ワイン初の金賞を受賞した明野甲州も、当時、温度コントロールできるタンクすらなく、タンクにシーツを貼り付け、扇風機を当て、上から水をちょろちょろ流して、温度調節しながら造ったワインだということが知られることがないように、一つのワインができあがるまでには、思いもよらない背景があるのだと思います。

何世代に想いが繋がり、一つのワインになることもあると思います。
昨年末に逝去した祖母の遺品を整理していたところ、学生時代の友人に宛てて書いたものなのか、祖父の手記がでてまいりました。
思い悩みながら、ワイン造りにまっすぐに向き合っていた祖父の姿は、コロナ禍や天候不順を心配する私を奮い立たせてくれました。
その手記を抜粋させていただきます。

<学生の頃から出来ることならワインの醸造で身を立てたいと考えていました。
祖父の代から作っていたワインに心を惹かれ予科の頃も家から送って来たワインを…(中略)然し乍ら仕事と云うものは苦渋に満ちていても楽しいものでもあります。
ワインの製造、貯蔵は一生あきが来ないのです。原料ブドウの農業としての段階から、醸造して発酵がうまくゆくかの新酒が出来る迄の段階、又貯蔵がうまく行って…(中略)毎年毎年違った原因と結果が出て難渋はしますが、熱意さえあれば、実に面白い事業であります。…(中略)貯蔵のためのセラーを作り長期貯蔵に備えることにいたしました。昭和二十五年頃自分が記憶していることは、こうやってビア樽に甲州種の新酒を樽詰しているが、これ等のワインを予科の同人がいつの日召し上がって下さるか>

祖父の大学時代に親しくしていた同級生には、エコノミストとなった小島慶三さんや、のちの学者がいらっしゃり、自分自身は学者になれる素質はないかもしれないと葛藤しながら、どれほど友人たちに甲州を飲んでもらいたかったことかと思いをめぐらせます。

小島慶三さんが訳された『スモール・イズ・ビューティフル』は、私のバイブルでもあります。
地に足を付けて品質に取り組み、注目していただくときも、そうでないときも、末永く愛情を持っていただけるようなワイナリーでありたいと思っています。

このたびの取材で、丁寧な取材を重ねてくださった鹿取みゆきさん、編集者の滝澤麻衣さん、カメラマンの木村さんに心より感謝いたします。
鹿取さんと滝澤さんには、3世代が造った甲州を並べ、試飲をしていただきたいと考えていたのですが、祖父と父が手がけた古酒に関しては、ふとレストランでソムリエさんに開けていただいて、お料理と合わせることができたらと思いました。

そんな日が一日も早く来ることを願い、また、記念すべき日本の栽培醸造家の号が、読者の皆様の心にも響くものであってほしいと思っております。

収獲、少しずつ始まっております。
収獲期の毎日をinstagramでお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
https://www.instagram.com/ayanamisawa_gracewine/

「ワイナート100号」の購入方法について、編集部の滝澤さんからのメッセージが挙げられていましたので、最後にシェアをさせていただきます。

『日本の造り手100を特集しました、小誌100号ですが、予想以上に反響をいただき、ネット書店ではこの数日、在庫切れを起こしており、定価を大きく超えた価格で販売されております。
ご購入ご希望の皆さまには、大変ご迷惑をおかけしており、申し訳ございません🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️
現在、営業部が調整に走っておりますが、全国書店さんであれば、予約ご注文になる可能性もありますが、レジカウンターでお問い合わせいただければ、定価にて送料なしでお取り寄せ可能です。
ご面倒をおかけしますが、書店さんにてご購入くださいませ。今回、100号記念で、平積み展開していただいてる書店さんも全国にございます。
仙台 丸善仙台アウル店
東京 八重洲ブックセンター本店
   三省堂有楽町店
甲府 ジュンク堂書店岡島甲府店
   朗月堂書店本店
名古屋 三省堂名古屋本店
兵庫 ジュンク堂書店三宮店
ほか
弊社グループ会社のTSUTAYA、蔦屋書店も比較的お求めやすいかと思われます。どうぞよろしくお願いいたします。』

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