砂漠のオアシス-私がこのお店を好きなわけ
私の住むバーレーンの北側、サールと言う場所に
素敵な外国人向けの高級スーパーがあります。
我が家の場合ピンポイントでオーガニックの食品や
グルテンフリーの商品を買うために週に数回、
ありがたく訪れる場所です。
こちらがAl Osla(アルオスラ)スーパーマーケットです。
このお店の一番のお気に入りポイントはと言うと、
実はこの床なんです。
え?床なの?とお思いかもしれませんが
この床の雰囲気はかつて世界中にその名を知らしめた
New York SOHOに本店を構えるディーン&デルーカの雰囲気を想起させる床なんです。
スーパーマーケットの床なんて誰も意識して見ていないと思いますが、
実は床の良し悪しでお店のイメージが決まるほど
内装の中でも手を抜けない部分だと個人的に思っています。
この絶妙なマットな磨き石タイプの床だからこそ
石造りの古き良きニューヨークやパリの雰囲気に近い空間を
“砂漠の地バーレーン”でも演出できているのだと思います。
これが店の清潔感や明るさを意識しすぎて、
白の床にしてしまうとものすごく安っぽくなるか
逆に高級感がありすぎて入りにくい店になります。
あえて艶のないマットな質感の床と合わせて、
陳列什器や装飾品にいたるまで全体的にモノトーンで統一されています。
無彩色とのコントラストにより、
生鮮食品の鮮やかさが効果的に目に飛び込んできます。
食品スーパーで黒を基調にする内装はかなり勇気がいる
デザインだと思いますが、
ブランドのコンセプトがしっかりしていれば逆に黒は重厚感のある
洗練されたアーバンライフを土地柄を選ばずに演出できるのです。
お店に来たお客様をもてなすと言う意味とは少し違って
訪れたお客が「何だか自分は特別なお客になった気分」と自らが感じられる
店づくりは、やはり内装デザインの持つ底力とも言えます。
“お買い物を楽しく”Have a Funの提案ではなくて
“今のあなたに必要な物は?”とお店がお客に呼びかけてくる
User experienceを訴求する店。
お値段は少ししますが、自分の人生哲学に応じて欲しい食品や調理の仕方
食べ方、そして食材から得た栄養をどう体に循環させていくか。
スーパーマーケットはただの消耗品を売る所じゃない。
店舗の外装、床を含めた内装デザインなどを通して
食べる、すなわち生きる行為に対して
本来の意味と自分自身に哲学を持たせてくれる場所でもあるのです。
日本の方は誰も知らないし、バーレーンでも近所になければ
選ばれないAl Osla
私がこのお店が好きなわけはマイノリティーな存在であるにも関わらず
お店の哲学や売り場のコンセプトが全く「お客に媚びていない」点と
User Experience (エコやサスティナブルなど)を
買い物をするたびに体験できるからです。
グレイス
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