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ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査(第二回)

こんにちは。ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所の戸田です。

今回は、「ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査」をお届けします。

皆さんは普段ヘルプマークをご利用されていますでしょうか。ヘルプマークは援助や配慮を必要としている方々が、そのことを周囲の方に知らせることができるマークで、2012年に東京都が作成、2017年に日本工業規格(JIS)に登録されました。

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東京都保健福祉局の調べによれば、2020年10月31日現在で1都1道2府41県にまで普及が進んでいるようです。4年前(2017年7月)にヘルプマークの認知度や利用状況の現状について当研究所で調査を実施した際、首都圏での認知度は55%、その他の地域では認知度は38%という結果でした。

あれから4年、コロナ禍による緊急事態宣言も解除となり、徐々に移動機会も増え周囲の人々との交流が増えていくと予想されるこの時期に、ヘルプマークの認知度や利用状況・その課題がどのように変化したかについて調査を実施しました。

対象者:障がい者総合研究所のアンケートモニターにご登録いただいた方
実施方法:インターネット調査
アンケート期間:2021/10/21~2021/10/27(有効回答者数:164名)

【質問1】 あなたはヘルプマークを知っていますか。

質問1


【質問2】あなたはヘルプマークを利用したことがありますか。

質問2

【質問3】ヘルプマークはあなたが想定した通り、役立っていますか。

質問3

【質問3-1】あなたはどのような点でヘルプマークが役立つ、役立っていると考えていますか。(複数回答可)

総研グラフ修正

【質問4】今後、あなたはヘルプマークを利用したいと思いますか。

質問4



【質問4-1】あなたがヘルプマークを利用していない理由は次のうち、どれですか。(複数選択可)

総研修正


【質問4-2】 あなたはどのような点でヘルプマークを利用したいと考えていますか。(複数選択可)

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【質問5】ヘルプマークを自宅で作成できることをあなたは知っていますか。

質問5


【質問6】ヘルプマークを使うことで、あなたは、どのような配慮を受けることができましたか。具体的に記述してください。

・電車内で座席を譲ってもらえた。しかし、ほとんどの人はスマホを触っているか寝ているかで気づいてもらえず席を空けてもらえない。(40代/男性/うつ)

・交通機関で、席を譲ってもらった。病院でも、椅子を持ってきてもらった。(50代/女性/心臓)

・実際体感としてあったのは公共交通機関で席を譲っていただいたことです。小さくても疲れの分散はありがたいことです。困り感を感じていらっしゃるであろう高齢の方、マタニティマークをつけていらっしゃる方、怪我をされている方、同じくヘルプマークをつけている方に席を譲って頂くことを多く感じます。健常な方には「ヘルプマークを可愛いね」と言われることが多く知られていないことを悲しいなと思います。自身に関係のない人には意識的に知ってもらう、理解してもらうことは重要なのかなと常日頃思っています。(20代/女性/その他の精神障害)

・ヘルプマークのおかげで、公共の交通機関で声をかけてもらいます。もっと認知度アップに繋がればと思います。(40代/女性/下肢)

【質問7】ヘルプマークについて、普及以外の点で改善を求めることはありますか。

・スマホなどで見られるweb広告を出して認知度を上げて欲しい。(40代 /男性/うつ)

・他の方が利用されているが、どんな援助が必要なのかがわからない方がいる。なぜヘルプマークを付けていて、どんなヘルプが必要なのかがわかると良いと思う。(50代/男性/上下肢)

・「聞くこと」を助けてほしいので、仮にヘルプマークをつけても相手に「聞こえにくい人であり、読唇や筆談や手話が必要か」とは思っていただけないと思う。結局は自分から説明してお願いしていく生活に変わりないだろう。コロナ対策マスク生活は当分続くのだろうから、筆談をお願いしますマークや、逆に健聴者側の、「筆談オーケー」や「簡単な手話オーケー」のマークが普及されるとありがたい。(50代/女性/聴覚障害)

・未だ周知のマークになっている段階ではない今、普及以外の改善点ないかと思います。このマークをつけている人は困りごとがある人なんだという共通認識を持ってもらうことが最初の一歩だと思います。それをわかってもらうためにつけているのに、マークの説明からしなければいけないのは根本的に意味がないと思います。(20代/女性/その他の精神障害)

・マークだけでなく「ヘルプ」の方法・種類が多岐にわたっているので、どう「ヘルプするのか」を当事者から発信できることも大切。および個別最適だけでなく、「ヘルプする側」にわかりやすいようなまとめ方・カテゴライズとその手法を集約する必要があるのではないでしょうか。(40代/男性/視覚障害)

・ヘルプマークの意味をもっと明確にしてほしい。ヘルプカードを併用しているが、マークだけでは何に困っていて、何に配慮が必要なのかがわかりづらい。ヘルプマークへの偏見がここ2~3年強くなっているように感じる。具体的にマークを引っ張られる、こそこそ後ろで嫌味を言う、子供連れの母親が子供に対して、ヘルプマークをつけている人に近づいてはいけないと教え込んでいた、など。(50代/男性/躁うつ(双極性))

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■回答者属性

<年代別>

性別

<障害種別>

障害属性

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総研の見解


4年前の調査では、ヘルプマークを「知っている」と回答した割合は47%でした。今回の調査では調査対象者のおよそ80%がヘルプマークを「知っている」と回答し、この4年間でヘルプマークの知名度は大きく上昇したことがうかがえます。

ヘルプマークの利用状況については、「利用している」と回答した方の割合は4年前の調査では20%、今回調査では26%と、4年の間に利用割合は伸びていることがうかがえます。一方「利用したいと思わない」と回答した割合は4年前調査時で37%に対し今回調査では44%と7ポイントの上昇でした。この4年でヘルプマークの普及度合いも少しずつ伸びているものの、利用を止めた、あるいは利用したくないといった人の割合も同時に増えているようです。

ヘルプマークの実用度についても質問していますが、前回調査時はヘルプマークが「役立っている」、「どちらかというと役立っている」と答えた割合は45%でした。ところが今回調査ではその割合は合わせて25%と20ポイント近く下げ、「どちらかというと役立ってない」「役立っていない」という回答が74%という結果になりました(前回調査時は54%)。利用者からみたヘルプマークの実用度がこの4年で下がっているように思えます。

ヘルプマークを利用していない理由について調べてみると、
・利用する場所や機会がないから 36%
・利用時の周囲の反応が気になるから 30%
・認知不足により役に立たないと思うから 29%
といった回答が上位に入りました。

「周囲に配慮を必要としていることを知らせ、援助を得やすくなる」ことを意図したマークであるものの、ユーザー側としては必ずしもその恩恵を得られていない様子がうかがえます。また、「嫌がらせを受けたなどの噂を聞いたから」と回答する人が前回調査時の8%から14%と6ポイント上昇しており、ヘルプマークの使用をためらわれているような印象も受けます。

ヘルプマークが登場しておよそ10年、使用対象者の間ではその知名度は順調に広がりつつある一方、思ったような実用効果が得られないことからなかなか広がりを見せていない様子がうかがえます。

ヘルプマークの普及のカギは、ヘルプマーク使用者がその実用度を実感できることが必要です。そのためには社会全体のヘルプマークの認知度向上に加え、「ヘルプマークを見かけたらどうしたらよいか」といった具体的な指針を示す必要‎もあるのではないでしょうか。

■4年前(2017年7月)に実施した、「ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査」はこちら









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