見出し画像

吃音

僕には子どもの頃から吃音がある。そんなに強いものではないが、いまでも残っている。
僕と話したことがある人ならば気づいている人もいるだろう。
議論していてもうまく切り出せないことがある。言いたいことがうまく話せずやめてしまうこともある。
いま読んでいるドミニク・チェンも「身体のバグ」として吃音を抱えていることを告げている。
重松清もそうだ。話すことよりも書くことで表現することに注力をして、優れた表現者になったことはこの2人に共通することだ。僕はそうすることで身体のバグをやっつける方法を見いだせず、ひたすらうまく話そうとしつつも調子が悪い時は素直に諦めていた。いま、この本を読んでいて軽いショックを受けている。
吃音を抱えていることで、英語嫌いになった。中学の時の英語教員が病的に発音を重視したことをいまでも恨んでいる。実のところは、吃音だけでなく耳も悪いようで、うまく言葉を聞き取れないことがしばしばある。最近、AirPodsPro を買い、音楽を聴いていると「こんな音を出していたのか」とびっくりすることもある。妻の声は高い。たまにその声が異様に嫌悪を招くことがありハード的にはではなく、ソフト的に耳を塞ぐことがあり、その時はいつも妻に叱られるし、呆れられる。
英語4技能が注目されているが、個人的には「いい加減に」してほしい。ちょっとした身体のバグを抱えるものにとってはいい迷惑である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?