危機管理と危険管理を分けること

医療・介護業界でよく聞く言葉に、


「危機管理」という言葉があります。

「危機=リスク」で、リスク管理とも言われています。


私達の仕事は、クライアント(患者、利用者)の自立支援であったり、リハビリテーションを目的としていますが、


自立支援を考える際に、ぶつかるのが危機管理(リスク管理)という概念です。


介護を必要とする人にとって、自由と危機管理は切り離すことが出来ません。


トレードオフの関係です。


自由をとれば、リスクが上がるし


リスクを取れば、自由が減ります。


私達は、時として、医療や介護、福祉という盾をかざしながら


介護を必要としている人の自由を無意識に奪っていることがあります。


この、自由とリスクのせめぎ合いが、やりがいにもなっているし、この人間臭さが在宅支援の面白さでもあります。


動かないでいてもらえれば、転倒して怪我をするリスクは下がるし


誤嚥(ムセ込み、食べ物が気管に入ってしまう)してしまうからと、形のあるものを食べさせていたら、誤嚥のリスクは減りますが



人としての基本的な自由や尊厳は奪われてしまいます。


本当に難しい問題となっています。



自分の中で大切にしているのは、

危機と危険を分けて考えること


です。


危機 という言葉は、危と機で出来ていて、

デンジャー(危険) と チャンス(機会) で出来ています。


危険 には、チャンスの意味は入っていません。


自分たちのやっている管理が、危機管理なのか、危険管理になっていないか?


自問してみるといいかもしれません。


危険管理は、危ない時に、機(チャンス)をコントロールしてしまいます。


リスク管理は、いかに

デンジャー(危険)の中に、チャンス(機会)を見つけられるか?

デンジャー(危険)を理解した上で、チャンス(機会)を見つけられるか?


にかかっているかと思います。










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