「綺麗〜吉澤嘉代子〜」の詩世界に心底驚愕した事。
何故だろう?齢を経る度に涙脆くなっていくのは・・・
すれ違う赤ちゃんの笑顔、走る子供達の後ろ姿、朝焼けに染まる雲、高原を駆け抜ける一陣の風、そして吉澤嘉代子の詩世界が、僕の涙腺を緩める。
ホント、何故だろう。
昔なら絶対にそんな事など起きなかった筈だ。
それだけ経験値を重ねているという証なのか。
それとも自分のバカさ加減に失望した、深層意識下の自分が涙しているのか・・・。
違う。違う。 違う。
『心の琴線』が、オープンになっているのだ。
ホラ。また僕の『心の琴線』に何かが触れたよ。
「ひゅーっ」って。「ひょうひょう」とね。
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今回は、そんなオヂさんの『心の琴線』に激しく触れた一曲で御座います。
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一体この世界には、どれ位の歌があるのだろう。
日本語で唄われる歌にしても、メジャーなものからインディーズ、はたまた個人が口ずさむ鼻歌までをも、数えてみたら・・・
それは、それは膨大な数になるのだろう。
沢山の人々が紡ぎ出す、数々の言葉達。
その膨大な曲の中で、どれ位の詩が聴き手の心に残っていくのか?
「もし、僕の詩が誰かの心の琴線に触れたなら」
僕は思う。いや、願うんだ。
『皆んな』じゃなくていい。
『誰か』の心に残ってくれるのなら。
それが本望。生きる甲斐があるってもんだ。
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『綺麗』 吉澤嘉代子 2015年
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◯1stコーラス
〝硝子色の時間 封じ込めて
貴方のまばたきで
街頭に浮かんだ 恋する私を ああ
硝子色の時間 封じ込めて
私を綺麗だって 思ってくれてたなら
いいな いいな”
◯2ndコーラス
〝もういない私を 思い出して
一人きりの部屋で
街頭に浮かんだ 恋する私を ああ
あの夜の私を 思い出して
一生綺麗だって 思ってくれるのなら
いいな いいな”
(『綺麗』より抜粋)
アルバム『東京絶景』に収録されているナンバー
『綺麗』。
この曲のリフレイン・・サビにあたる部分はこの二つ。
見事な程に『人生の短くも輝ける季節』を切り取った詩に心底唸る。
それと同時に『全てのものは変わりゆくものであり、だからこそ美しい記憶を残しておいて欲しい』という、ポジティブな願いをも内包している。
それは叶う事のなかった恋への想いか。
もしくは「老い」る事への一つの回答。
人は皆、孤独な存在だ。
だからこそ、話し、触れ、踊り、叫び、描き、涙し、笑い、怒り、笑う。
誰かに自分を知って欲しく、認めて欲しく、そして抱きしめて欲しいのだ。
そう。自分以外の誰かに・・・。
最後に吉澤嘉代子さんの歌『綺麗』の最後の詩で締めましょう。
〝綺麗と貴方だけが
綺麗と思ってくれたならいいの”
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