永遠に続く愛なんてないのかもしれないと考えていたんだよ

愛が長く続くことは美しいことですか？
長く続く愛が本物ですか？
一瞬のきらめき、一瞬の情熱
それは愛の枠に入ることはできないんでしょうか。

好きな人の写真で壁を埋めつくした真夜中。
貼りながらふと誰かが僕の写真で壁をいっぱいにしてくれることってあるのかなって思った。

蒼瀬もこの壁が一生じゃないって分かる。

大好きだよ、愛してるよ、離れたくない
離れるつもりなんてない。
好きな人に抱いている感情は本物だ。

だけど自分の中の「絶対」に何回も何回も裏切られてきた。
だから絶対って言葉は使わないようにした。

本当は誰よりも絶対を信じていたし
今も信じていたかった。

好きな人に 絶対 って本当は言いたい。
でも確証がないから言えない、言いたくない。

だから側に何年もいて証明するしかない。

だけど、長続きしなかったとしても、
その時のその人なりの精一杯で僕を好きだと言って、壁をいっぱいにしてくれたらどんな風に僕は受け止めるんだろう。

その1日後、1年後 僕の写真を捨てるかも。

そしたら中身のない愛と感じてしまうんだろうか。意味のない感情だったと、本気ではなかったと感じてしまうんだろうか。

蒼瀬には絶対なんてない。永遠なんてものは無い。っていうのが根っこにあるから、がっかりしない気がする。

永遠なんてないから今この瞬間を大切に思うようにしてる。離れてもその時の気持ちは本物だったって僕がよく知ってるから。

結局は人の性質だと考えている。
熱しやすく冷めやすいとか、好きだから側にいれるとか…。
どれが普通か何が一般的か分からないから。
好きなら側にいて当たり前だとも思わない。
好きだからこそ一定の距離が必要な人もいる。

だからその人ができる今この瞬間の愛を大事にしたいと思ってる。


けど、もし長続きして永遠だったら、絶対だったら。それはどんなに美しいことだろう。

僕の記憶を辿って、僕の好きな歌を口の中で歌って、僕の目を辿って好きだったものを目に写して頭の中や行動の理由が僕でいっぱいになる。もう僕のいない世界で たった一人で。
それはどんなに素敵なことだろうって思う。
自分の残り香を辿るように噛み締めるように愛してくれたら…。

そんなことを考えながら
僕は今日も愛を見つめ続ける。