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フルドゥガー

イランの空港。親兄弟達と飛行機搭乗の列に並んでいる。手続きが終わって、搭乗口へ向かう。
搭乗口はプラットフォームになっており、列車がやって来る。空港は遠いらしく、ここから列車で向かうようだ。

ここで、母がまだ来ていないことに気付いたので、一本列車を見送ることにした。先に行ったはずの兄に伝えておいたほうがいいと思ったが、見当たらない内に列車が発車した。

次の列車はすぐにやって来た。扉が開いて内部が見えた。列車の内部は木製で、バーのような作りになっていた。飲食をしつつ、列車の旅を楽しむ仕組みだ。

母はまだ見かけなかったが、まあいいだろうと、そのまま列車に乗り込んだ。

列車が進んで行くと、いつの間にか、線路の上を走っていない。バスになって、どこかの旧市街の路地を走っていた。狭くて曲がりくねった坂道を越え、下り切って広場のようになったところで、バスが停車したので、降りた。

広場の建物の一室に入って、休む。見れば、飛行機の離陸時間は20時台だ。まだ時間はある。ここで一眠りしよう。

それからしばらく経ち、ふと目が覚める。まだ日は高い。建物の中には、現地の老婆と青年がいた。空港にどうやって行くのか聞こう。

空港はペルシア語で「フルドゥガー」と言い、以前イランを旅行した際、手を斜め上に上げて行って、飛行機が離陸するジェスチャーをした人がいたことを思い出した。

自分も「フルドゥガー」と言い、同じジェスチャーをしてみたが、相手は困惑するばかりだ。通じていないか、あるいは、空港など思い当たる場所ではないのか。相手も何か言っているが、残念ながら理解出来ない。

しかし、青年の方は、よく聞くと日本語らしい言葉をしゃべっている。日本語が出来るのか、と聞くと、そんなによくは分からない、との返答。よく見ると、壁に日本語が書かれたポスターが貼ってあった。

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ここで目が覚めた。しかし、まだ眠く、再び眠りにつく。そして、どうやら続きらしきを夢を見た。

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もう夜になっていた。この建物の下が売店になっているので覗いてみた。イランらしい、古代のペルシアや、ゾロアスター教にちなむようなお土産が欲しかったのだが、食堂兼の、そう広い店ではなく、めぼしいものはなかった。

そんなことを思っていると、同じ建物に住むらしい家族が、連れだって出掛て行く。その一人の、それなりに若いらしい女性が、一緒に行こうという。なお執筆している今ふと気が付いたが、先の老婆といい、この女性といい、イランの割には、顔を覆うヘジャブを着用していなかった。

さて彼女達について行くと、市街にある様々な店に入った。雑貨屋から、書店まで。しかし、どうにも、私が欲しいものはなかった。書店に売っているのは、なぜか日本語の本ばかりだ。

そうこうしているうちに、彼女達を見失う。見れば、車が行き交う比較的大きな道路の向こうで、ソフトクリームか何かを買おうとしている様子だった。

自分もソフトクリームが欲しくなって、道路を渡ろうとしたが、通行量が多く、なかなか渡れない。通りをいくらか歩いてみたが、信号もない。と、その時、車の通行が止んだので、道路を渡った。

道の向かいには、数多くの飲食店が、ネオンサインを煌びやかに闇夜に浮かべていた。その並びを歩いて行くと、パチンコ店があった(※実際のイランではギャンブルは禁止)。そこには、カタカナで「イタリア」という文字のネオンサインがあった。

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ここで夢は終わり。なお、実際に筆者がイランを旅行したのは、2003年12月末~2004年1月初めにかけてである。

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ヘッダー画像は、その時に、テヘラン空港で買った、イラン航空機の模型。実際のイランに、列車に乗って搭乗口に移動する空港はないと思われるし、筆者にそのような体験もない。

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