見出し画像

プログラムバグからのリカバリー作業は、何ら加点にはならない

さいきん、自分の考えをアウトプットする機会が増えた気がするし、
社員の退職などでさらに増えていきそうな予感がする。

もともとプログラマという職業は、日本語の使い方があまりにも下手という特徴がある。
これでも自分はそうとうマシな部類である。

そこで自分のアウトプットの一部を、noteに書いてみることにした。
自分の考え方を自分で知りたい・書き留めておきたいところもある。

(技術的な話はメインブログで書くことにして、棲み分けを図る)


ここにケーキがあるとしよう。

ショートケーキだ。

たぶん、甘くておいしいショートケーキだろう。

食べてみよう。

…ん?これはケーキではあるが………
たぶんこれ、砂糖と塩を間違えている

ケーキとしてあるまじき欠陥。
なぜ塩を使ったんだ。

即座に店にクレームを入れる。
砂糖と塩を間違えているじゃないか、と。

店側はすぐに状況を掴んだ。
きのうの閉店後、厨房で砂糖と塩を補充するとき、入れ違えてしまったのだ。

きょう作ったケーキはすべて台無しだ。
連絡がつくお客さんには連絡をしてお詫びをいれ、
正しく砂糖を使った甘いケーキを作る。

新しい商品を作るとか、それどころじゃない。
まずは、砂糖を使ったケーキをお客さんに提供する。
店員一同、必死になっている。


そのケーキを配り終わった今、店はほっと一息をついた。

ようやく終わったんだ、と。
やり遂げた、大変だった。よかった。

・・・

・・・本当によかったの?

これでお店は何か上向くことをしたかな?

ケーキがケーキの体をなしてなかった。
その時点でケーキとして-50点だ。

あるべきケーキを出した。
これで、100点……じゃなくて、0点だ。
-50が0になったのだ。

勝負はここからである。
正しく砂糖を使ったケーキと、隣のパティシエのケーキ。
どっちがおいしいか、客はこれから比べ始める。

スタートラインに立っただけである。
何ら加点にはなっていない。
当然のことをしたから当然になった。それだけである。


組織でプログラムを作っている会社(Googleとか私が勤めている会社とか……note社もそうだ)のチームの中には、
たまにここで錯覚に陥る人がいる。

開発チーム一同、必死になってリカバリー作業をする。
やり遂げた、よかった、平常業務に戻れる。

いや、そもそもそれが発生したからダメなんだ。
減点が発生するからいけないんだ。
二度と減点が起きてはいけない。

減点を直している時間で、加点部分を作ることは容易いはずだ。
減点を直す時間を作らないといけない状態になるのがおかしい。

すなわち、

そもそもバグを埋め込まない。
不具合を作らない。
言い換えると、使う人から見て「あれ?」と思うことを入れてはならない。

ひとたび入れると、「加点」を作り出す時間がなくなってしまう。
最初から「減点」を防ごう。

そこまで頑張ってもなお、バグは絶対に起きる。減点は起きる。
いかに減点を素早く直すか。
そして、同じミスでもう一度減点が起きないよう、根本的な原因を突き止めて、そこを事前に塞いでおく。

それこそが、企業でプログラムを作ることだと、自分は思っている。

いまや無料で使える優秀なプログラムは沢山ある。
組織でプログラムを作っている場合、多かれ少なかれお客様からお金をいただいているはずだ。
お金をいただくに見合うものを提供できているか?
常に考えていてほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?