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2019年の365文字

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日々の習作の中から選んだ1枚に駄文を添えてデイリーでアップしています。
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記事一覧

mud

この一年、体調の面でおおきく変わったことといえば、人工肛門を作ったことで出血量が減り、血圧が安定したこと。直腸の腫瘍が少し小さくなったこと。肺の腫瘍が大きくなったこと。肝臓に転移したこと。直腸患部の痛みが増したこと。などなど。 酒量が減ったり、一日の活動時間が短くなったり、集中力が落ちたり、歩ける距離が短くなったり。そんなゆるやかな変化もふくめると上昇しているとは言えませんが、おかげさまで病状の進行もゆるやかで、折れることも落ち込むこともなく、無事に年末を迎えることができそ

think of it’s source

飲水思源(水を飲みて源を思う)とは、「受けた恩を忘るべからず」という意味の中国の故事成句。 感謝のきもちはもちろん大事だけれど、感謝してばっかりっていうのもココロが恩でパンクするというか、むくんでしまうというか、なんともバランスが悪いもので。水源への感謝を忘れず、同時に自らも水源であれ、ということなんでしょうね。 うっかりガンなんかになってしまったので、日々感謝することばかり。来年はもう少し体力を戻してがんばります。 飲水思源 when you drink water,

admire the beauty of the sky

書聖と称される中国の書家、王羲之の作品「蘭亭序」の一節です。逸話によると、王羲之はこれを酒に酔いながら書き、後日あらためて清書しようとしたけれど初稿を越えるものは書けなかったとか。 今回は王先生にあやかって、雄大な詩の世界観にひたりながらのびのびと一発書きで。 仰觀宇宙之大 俯察品類之盛 所以遊目騁懷 足以極視聽之娯 王羲之「蘭亭序」より Looking up, we admire the beauty of the sky and wonder at the imm

facing upward

病室の天井に窓を作れとは言いませんが、たとえば色を変えるとか、絵でも描くとか、何かできないのかなとか、そんなことをかんがえながら。 今年は仰向けに寝ていることが多い一年だったなぁ。 仰 aogu : facing upward with the face or front towards the sky No.2,055 2019/12/21 – 356

Saptaratna

瑠璃、ラピスラズリは仏教における「七宝」のひとつ。 もし、あなたにとって貴重なものを7つ挙げるとしたら。 瑠璃 ruri : lapis lazuli Lapis lazuli is a deep-blue metamorphic rock used as a semi-precious stone that has been prized since antiquity for its intense color No.2,054 2019/12/20 – 355

365x

1かける365は365。 2かける365は730。 10かける365は3,650。 0かける365は、残念ながら0。 学 manabu : learn No.2,053 2019/12/19 – 354

ポジティブな雑念

高所恐怖症な友人は、高いところでは「落ちたときのことを想像してしまう」と言い、逆に高いところが好きな友人は、「飛んでいるみたいで気持ちがいい」と言い。おなじ環境にあってもかんがえることはヒトそれぞれなんだなぁと。 仏道では雑念を捨てろといいますが、ポジティブな雑念はむしろココロのサプリになるんじゃないかなぁとか、そんなことをかんがえながら。 念 omoi : sense one of the five powers (sight, hearing, smell, tast

ロマンチスト

一休和尚の辞世の句といわれています。 この世に生を受けたときに借りた五つのもの、地水火風空のうち四つは返し、今から空に向かうぞと。一休さんは禅僧だから、いよいよ空(くう)の境地を会得するぞということでしょうか。五つのうち「空」だけはいただいていくぜ、とでもいわんばかりに。 破天荒で知られる一休禅師ですが、きっと照れ屋さんでロマンチストだったにちがいないとか、そんなことをかんがえながら。 借り置きし五つのものを四つ返し 本来空に今ぞもとづく farewell poem

詮索するのは無粋

豪胆な伊達政宗をここまで悩ませていたこととはなんだったのか。あれこれと解釈があるようですが、まぁ大の男の悩みなんてひけらかすもんじゃないですから、隠れてるくらいでちょうどいいんじゃないですかね。詮索するのは無粋でしょう。 咲きしより 今日散る花の名残りまで 千々に心のくだけぬるかな Japanese Haiku poem by Masamune DATE No.2,050 2019/12/16 – 351

吉祥

どんな雲だか知りませんが、すくなくとも部屋の中にはなさそうですね。 慶雲 kei-un : auspicious cloud No.2,049 2019/12/15 – 350 めでたいことの起こる前兆とされる雲。 瑞雲(ずいうん)。 – 大辞泉

ズレてますよ

友人との楽しい食事の場で、昨日の夫婦喧嘩のことをグチグチ愚痴ってみたり、明日の仕事がブルーだと憂いてみたり。タイミングが前後に24時間ズレてますよ。今は楽しい時間を満喫するときです。 閑話休題。 今は飲むときだ、気ままに踊るときだ。 古代ローマの詩人、ホラティウスのコトバだそうで。 刹那的にならず、すべきことをすべき時に。 carpe diem 今朝有酒今朝醉 Nunc est bibendum,nunc pede libero pulsanda tellus.Now

ぼくたち自身が誰かの師でもある

心がけ次第で、すべてのものから学びを得ることができる。作家・吉川英治の言葉だそうで。 謙虚であれという戒めとしてはわかる気もしますが、しんどくないんですかね、そういう生き方。ん、それともずっと小僧の立ち位置でいられるからむしろ楽なのかな。 すべてのヒトにとって「我以外皆我師」であるならば、ぼくたち自身が誰かの師でもある、ということなわけで。それも忘れちゃいけないんじゃないかなと。そんなことをかんがえながら。 我以外皆我師 humble to learn No.2,045

another man’s floor

立場が変われば見方が変わる。 その溝を埋めるのは、想像力と、共感力かな。 一水四見 issui-shiken : one man’s ceiling is another man’s floor No.2,044 2019/12/12 – 347 仏教用語。同じ水でありながら、天人はそれを宝石で飾られた池と見、人間は水と見、餓鬼は血膿と見、魚は自分のすみかと見るように、見る心の違いによって同じ対象物が異なって認識されること。唯識説で用いられるたとえ。一処(いっしょ)四見,

the mind’s eye

世間体とか、見栄とか、こだわりへのこだわりとか。そういう汚れやくもりを落としたらコドモのころのようにすっきり見えるんじゃないですかね。 いまさらそれ抜きには生きていけないっていうヒトも、アタマの中で思いをめぐらせるときくらいはいいんじゃないですか、心眼で。 心眼 shingan : the mind’s eye The mental faculty of conceiving imaginary or recollected scenes. No.2,043 2019/1