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忘却曲線

いつの間にか9月になった。
9月になった途端に心を覆う、この物哀しさはなんなのでしょうね。じりじりと肌を焼く太陽光はちっとも力を緩めちゃくれないし、まだまだ衣替えは必要なさそうだし、別に何かがガラリと変わったわけでもないのに。

今年の7.8月は、今まで "これを叶えられたら素敵なのになぁ" と思っていたことがどんどん実現してゆく月だった。
あまりにも幸せで、充実していて、その嬉しさが新鮮なうちにどこかに綴ろうと思っていたのに、もう9月1日。

写真ってすごいな、と思うのは、撮った瞬間に話したことや、温度、空気感、まわりの音が、ふわりと蘇ること。でもたまに、切り取った瞬間がまるで全てみたいな、時間が経てば経つほどそんな風にして記憶が薄れてしまう感覚を覚える。手軽に写真を残せるようになってしまったが故に、"記憶を引っ張りあげる" という能力が落ちていってるような。
当たり前に、全ての瞬間を写真に残せるわけは無い。だからこそ、綴る、という行為は死ぬまで大切にしたい、なるべく鮮度が高いうちに。

……下書きの墓場で息をひそめていた文章。

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