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可愛いと言われたいのか、自分らしくいたいのか

今年の夏は、ずっと持っていたのに使っていなかった、茶色のリュックを持ち歩いていた。ちょっと小ぶりだけれど、無難な茶色は服にも合わせやすく、使い勝手がいい。

なにより、この茶色いリュックは、友達にいっぱい誉めてもらえた。

ずっと使っていなかったけれど、試しに引っ張り出したら好評で、今シーズンの主役となったリュック。

だけど、やっぱり容量が無いので、先日の旅行の時には、今まで使っていたオレンジのリュックを、持っていくことにした。

オレンジのリュックは、私のお気に入りだ。たしか、大学1年生の頃にはもう使っていた。朱色に近いオレンジは、汚れも目立たないし、容量もたっぷりだ。

でも、こちらのオレンジのリュックは、友達に誉めてもらったことはなかった。

・・・

今までリュックを誉めてもらったことはなかった。別に普段使いのリュックだし、自分が気に入ればそれでいいと思っていた。

だけど、誉められてみるとやっぱり嬉しい。それに誉められると、自信をもってリュックを背負うことができた。

みんながかわいいと言ってくれるって、大事なことだ。特に、自分に自信がない私にとっては、本当に大事なこと。自分を安心させることが出きる。

・・・

それでも、自分が好きなものを使いたいと、思っていたはずだった。

それがいつの間にか、みんなが誉めてくれるものを、使うようになっていた。

意識したくなかったはずなのに、やっぱり他人の目線は気にしてしまっていた。自分らしくは難しい。

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