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きょうだい映画『ふたり〜あなたという光〜』との出会い*感想シェア①

人生で初めて「クラウドファンディング」に参加し、私も支援をさせて頂いた「きょうだい」映画制作プロジェクト。先日2月11日(木)、クラファン支援者向けに行われた、舞台挨拶+上映会に参加しました。

初回上映に先駆けて公開された予告ムービーを見ただけで、涙がこらえきれなかったごりみでしたが、本編の映画は正直予想を遙かに超えていました。そこで今回から!シリーズに渡って、ネタバレしない程度に感想をシェアしたいと思います。

第1弾の今回は、私がこの「きょうだい」映画制作プロジェクトに出会うまでの”きっかけ”について、お話しします。(出会うまでの前置きが非常に長くなると思います(笑))

「きょうだい」という言い方を初めて知った方、そして「きょうだい当事者」のごりみについて知りたいという方がいらっしゃいましたら、noteのプロフィール及びこちら↓の記事も合わせてご覧下さい。

それでは長い前置きから、どうぞ(笑)


映画を知ったきっかけ

私が「きょうだい」当事者であることを初めてオープンにしたのは、先ほどご紹介した上の記事(「きょうだい児」が"自分の人生"~)を書いた日のこと。去年の8月です。

私には、幼い頃から心肺に難病を抱えている4つ下の弟がいます。6歳の時に病気が発覚し、姉の私は当時10歳。絶望的な宣言を受けたその日から、私たち家族の静かな戦いが始まりました。

“静かな”と言ったのには、少し理由があります。それは、弟の病気がいわゆる「目に見えない病気」だったからです。弟は心肺機能に異常がありましたが、臓器疾患のため、身体的に特徴があるわけでもなく、知的障害もありません。(むしろ私より頭が良すぎて、怖いぐらい。)毎日学校に通うことはできましたが、心臓に大きな負担がかかるため、運動は制限されていました。

見た目からは「難病」であることを判断できないため、周囲からの理解は"全く"得られませんでした。同じ小中学校に通っていた姉からの目線ではありますが、担任の先生も、校長先生も、保健室の先生すらも、得体が知れない腫れものを扱うような対応でした。(優しい先生もいましたが、普通に接して良いのか、特別扱いをした方が良いのか、判断が難しかったのだろうと思います。)

また、身内である親族からは、”原因が親にあるのではないか”という心ない声を浴びせられるなど、私たち家族に寄り添ってくれる人はいませんでした。

孤独な母に追い打ちをかけるように、父が単身赴任でマイホームを離れる事になります。大黒柱がいなくなった家で、夜な夜な寝室ですすり泣く母を横目に、親に甘えたい気持ちを「我慢」し、”姉”としてしっかりせねばと心に鞭を打っていたのが、12歳頃のわたしでした。

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時は過ぎ・・・

大学を卒業して新社会人になった頃、他人と比較したり、自分の生い立ちや過去の出来事を振り返る機会が増えるにつれて、自分はこのまま「我慢」し続けていて良いのだろうかと、疑問を持つようになりました。誰かに悩みを相談したり、気の知れた友人にさえ、自分が本当に抱えている問題を話してこなかった為に、自分の気持ちに素直になる・オープンになるということが、ずーっとできていなかったのです。

そんな心のもやもやが溜まっていく間に、仕事や恋愛もうまくいかなくなって、精神が不安定になりました。(「自分を大切にしようと思う自分VS家族を大切にしようと思う自分」で、傷つけ合ってるような感じ。)何か変えなきゃダメだと思ったとき、私は「きょうだい児」であることをnoteで発信することを決意しました。

それまでも、「きょうだい」支援団体のサイトや個人ブログ等を通じて、同じ仲間が沢山いることは知っていましたが、誰かと心を寄せ合うという経験をしてこなかった私は、”集団への参加”を一歩踏み出せずにいたのです。一方的にnoteで発信するという方法は、文章を書くのが好きな私には、ぴったりの手段でした。

文章を書くのが好きで、文学部を出たとは言え、自分が書いた文章が実際に世に出て、誰かに呼んでもらえるのか?と不安でしたが、書き進めたら勢いとまらず・・・えいやっと最初の投稿を公開しました。(10数年間一人で抱え込んでいたものを、ものの数時間で全世界に公開シチャッタ・・・汗)

1記事めの投稿後、しばらくは、書きたいことは山ほどあるのに頭が整理できていない・・・という状態でしたが、続けて"母親への共依存"に関する記事を公開しました。それが去年の12月のことです。


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noteユーザーさんならお分かりになるかと思いますが、記事を公開する前に、"タグ付け"をしますよね。そのとき私は、自分の書いた記事に、「きょうだい」というタグを付けて、投稿しました。

公開された記事を確認すると、本編記事の下の方に、『こちらもおすすめ』というコーナーが表れて、自分の書いたものと同ジャンルの記事が出現します。その一つにあがっていたのが、偶然!(というか運命的に!)この『「きょうだい」映画制作プロジェクト』の紹介記事だったのです!!!!

こんなグッドタイミングで・・・一体誰が!!誰が私のために映画を作って下さったのだろう!!と(笑)冗談ですが、半分冗談ではなく。この「きょうだい」映画『ふたり~あなたという光~』の製作プロジェクトは、「きょうだい」当事者の*三間瞳*さんがプロデューサーであり、さらに映画のキャッチコピーには、『自分らしい生き方に悩む すべての人に捧げる物語』とあります。

三間さんのプロフィール記事から引用します。

[コメント]
15年来の夢であった「きょうだい」からの障がい者福祉への取組みの第一弾として、これ以上ない素晴らしいスタッフ・チームによる映画制作が出来たことに本当に感謝しています。これを皮切りに、日本はもとより世界中の「きょうだい」たちが生きやすくなる社会が実現されることを願っています。


なんと・・・

「自分らしく生きる」って何だろう・・・?と思い悩んでいた私にとってはちょうど良すぎる映画が、すぐ2ヶ月後に公開予定だったのです!!!私はこのプロジェクトを知った瞬間に、これは絶対に絶対に絶対に見る!と、クラファンでの支援を決めました。さらに、オンライン上映会の選択肢もある中で、リアルな舞台挨拶付き初回上映会の参加権を選びました。

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映画を見るのは”怖かった”

実際のところ、上映会前は、ふだん映画を見に行く時とは全く違う心境で、少し「怖い」という気持ちがありました。それは、”過去”の辛い記憶がよみがえってくる可能性と、”未来”に自分が抱える障壁を目の当たりにする可能性が、非常に大きかったからです。

主人公*のぞみ*は、統合失調症の妹*希栄*の存在から、"普通"とは異なる自分の人生に思い悩みます。私自身も、難病を抱える弟を持ち、自分の家族は”普通”ではないことに、非常に生きづらさを感じていました。


「自分の人生は自分が主人公」とよく言われます。そうでないと感じる人が世の中に大勢いるから、こんな言葉が生まれたのだとは思いますが、子どもの頃は誰だって、自分が主人公だと思っているはず?です。その点、「きょうだい」達は、子どもの頃から主人公を他の兄弟達に奪われがちです。(兄弟達も、奪ったつもりは決してありませんが、どうしても親が子どもに分け与える"時間"に、差が生じてしまいます。)

この映画がなぜこんなに惹きつけられるのかというと、そんな一歩身を引いた人生を歩んできた「きょうだい」たちに、しっかりスポットライトを当て、「主人公」にしているからなのです!!!

あなたも「主人公」なんだよと背中を押してくれるこの映画は、自分の人生に悩みを抱えて生きている「きょうだい」達にとって、こんなに励みになることはありません。

実際の映画では、健常者である姉の*のぞみ*が、「普通」と「普通ではない」ことの狭間に居て、とても微妙なラインで危うく生きている「きょうだい」の心境を、非常にリアルに描かれています。当事者的には、本当に涙なしでは語れないし、また何度見る機会があっても、何度も泣いてしまうと思います・・・。


と言うところで、つづく映画の内容に対する感想は、また次回の投稿でシェアしたいと思います!

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今回は、私の「きょうだい」映画との出会い・きっかけについてお話しさせて頂きました。

ごりみは、上映会参加者向けの感想シェア会にも、引き続き参加予定です。

読者の皆さんと、どこかでお会いできるのを楽しみにしています。


きょうだい映画にご興味頂いた方は、自主上映会の案内を是非チェックしてみて下さい♪

https://www.movie-of-siblings.com/screening/


(もし、上映会や感想シェア会に参加したいけど、一人じゃ不安、誰か知っている人がいると心強い、、、という方がいらっしゃいましたら、メッセージ下さい!twitterもやっています!)

きっかけと勇気を与えてくれたこの「映画」に感謝です*:。+゚

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