トロサールの契約延長と前線問題
はじめに
どうも、久々に書きます。
アーセナルのここ2シーズンのLWは基本的にガブリエウ・マルティネッリもしくはレアンドロ・トロサールが担ってきました。
どちらも優秀な選手であることには、間違いないのですが、マルティネッリは昨季後半より絶不調に陥りトロサールも勤続疲労の影響でパフォーマンスを落としているのは否めません。
しかも代表戦で負傷してしまったのも少し気掛かりです。
彼らのパフォーマンス低下には、他にも編成面やマネジメントの問題もあるので一概に彼らだけに批判が集まるのも適切ではないでしょう。
アーセナル陣営は契約が2026年夏までのトロサールと契約延長を模索していますが、この動きの是非、今後の動きについても考察していきます。
トロサールの現状の契約
現在のトロサールの契約と費やした移籍金は以下の条件になっています。
彼レベルの選手の実力であれば格安の契約かつ、安い移籍金です。
アーセナルフロントにとってこれ以上ない優良債権のひとつじゃないでしょうか。
契約延長のメリット
現状残り1年半しかないトロサールと契約延長するメリットを考えます。
① 前線のUT
現在主にLWでの出場機会が多いですが、CFや左右のIH、超緊急時にはRWもこなせる前線のUT性は、他の選手にない武器です。
彼の視野の広さからくるアシストや、ここぞの場面での決定力の高さは幾度となくアーセナルを救ってきました。
アーセナルでの公式戦83試合で20G13Aと結果は出しています。
また守備をサボることもなく、攻守に渡って走れるのも重要なポイントです。
② 優秀なサブの確保
スタメンでもサブからでも一定水準の活躍は残せるのですが、やはりサブから出せる武器としてトロサールのような仕事人は相手からしたら脅威です。
途中出場からの印象的な活躍といえば、アーセナルでの初ゴールを記録した22/23のHブレントフォード戦、23/24のAチェルシー戦の同点弾、同シーズンのHバイエルン戦での同点弾などやはりクラッチであるところは捨て難いポイントです。
③ コーチングスタッフとしての未来
これはトロサール個人のメリットの側面が大きいのですが、UEFAコーチングライセンスのA級を取得しているのでもしアーセナルにこのまま残るのであれば、引退後のファーストステップを踏みやすくなります。
こういった実例では、ノリッジのトップチームのコーチングスタッフに入閣したジャック・ウィルシャーがいます。そのウィルシャーのファーストステップはアーセナルU18の指揮で、マイルズ・ルイススケリーらの育成に携わりました。
引退後のポジションは神のみぞ知ることですが、長期的にクラブに貢献してくれる可能性もあります。
契約延長の懸念点
そんなトロサールですが、契約延長に際して留意すべきポイントであったりデメリットも存在するのは否めません。
① 年齢面
トロサールは来月30歳になるベテランの領域に入りつつある選手です。30歳以降に契約(延長)して失敗したアタッカーといえば、ウィリアンやオーバメヤンといった選手が思い浮かんでしまいます。
彼らのプレースタイル上そうなってしまった影響やCovid-19の流行もあり難しいシーズンに重なってしまった側面もあると思いますが、トロサール自身も彼のアジリティが落ちた時に一気にパフォーマンスを落とさないか、が心配です。
勿論技術のレベルが高いですし、ある程度はカバーできそうな気もしますが、こればっかりは読めません。オーバメヤンも一気にパフォーマンス低下しましたからね。
② ペイロール問題
現状のアーセナルでの給料は週給£90kでした。おそらく契約延長したら予測では6桁になると推測されています。あまり信頼できるソースではないですが、Daily MailのSami Mokbelによると「大幅な給与上昇」があるだろうとされています。
トロサールの要求額がどの程度になるのかがわかりませんが、仮に次の場合を仮定します。
どこまで要求するかにもよりますが、個人的には£180kまでいくとウィリアム・サリバの契約延長に回す資金やスポルティングのビクター・ヨケレシュ、ウェストハムのモハメド・クドゥスらに賄うであろう給与予算が足りなくなる可能性もあるのではと若干心配になります。(まあここまで色々書きましたが、活躍できていない選手の売却である程度どうにでもなりそうな気はしてます。)
また2025夏は移籍金を回収できるのラストチャンスです。流石に£27mもの移籍金全ての回収は無理でしょうが、ある程度の移籍金の回収による補強プランの変化などもありそう。
③ 頼むから練習欠席しないで
こればっかりは本人の性格の問題とアルテタのマネジメント力にかかっている側面が大きいですが、ブライトン退団時の練習欠席問題などの素行面が再発する可能性がゼロでないとは言えません。チームケミストリーを大事にするアルテタのことでしょうし、このことは勿論頭の中にあるでしょうが。
出場機会減少→不満分子化→売却できない→不良債権→契約解除
だけは避けたいですね...
どう動くべき?
個人的にトロサールの契約延長はこのように考えています。
ジェズス、ジンチェンコ、ティアニー、(トーマス)の売却、スターリングの返却によりペイロールに余裕ができるのなら引き留める方が良いと思いますが、基本的に僕はこのように考えています。
やはりアーセナルに所属していた30歳以上のアタッカーの実情をみているとやや不安になるところはありますし、ペイロールにも余裕を持たせておきたいのが個人的な意見です。
ただ放出することによる追加の補強の必要性も生まれますし、アーセナルの予算の関係上どれほど動けるのかも未知数。勝負期であるために、ここの判断は難しいところですし、これまで半ば奴隷契約で働いてくれたトロサールに報いるべきと思う感情がゼロではないですが。
前線の補強はどうなる?
最後に、トロサールに関連して前線の補強について考えます。
現状のアーセナルでFW3ポジションを務める選手は以下の通りです。
明らかにシーズン50試合以上を戦い抜くには質も枚数も不足しています。
現状、スタメン格もしくはベンチから流れを変える「インパクター」としても活躍できてビッグマッチにスタメンで出しても崩れない選手はハヴァーツ、トロサール、マルティネッリ、サカの4人だけと考えても差し支えないでしょう。
ヌワネリは才能の片鱗は見せつつありますが、まだ17歳であり過度な期待は禁物ですしプレータイムを伸ばし続けるのも考えもの。ジェズスは2022年カタールワールドカップで負った怪我以降、悪い意味で別人になってしまいましたし、スターリングに至っては2年前から賞味期限切れ。
ハヴァーツのCF起用も悪くないですがオプションかつハヴァーツの競争相手として点取り屋タイプは1枚に置いておきたいですし、RWのサブも正直元シティ組の不甲斐なさにより、ヌワネリ起用の方がましに思えてしまうほど。
マルティネッリに関しては、パフォーマンスが一向に上向かない場合に売却の可能性も出てきそうですし来シーズンの話にはなりますがガラッと陣容が変わっていても不思議じゃありません。(流石にトロサールとマルティネッリ同時売却なんてアホなことはしないと思いますが)
補強候補として、前述のヨケレシュやクドゥス、レアルマドリーで燻るアルダ・ギュレルなどが少し名前が上がっているでしょうか。
CFやRWの噂が多くなりそうですが、引き続き、注視していきましょう。
それでは、この辺で。