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YON FES 2020開催延期で思うこと

YON FES、そのままヨンフェスと読む。
名古屋発・わたしの愛してやまない04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)というバンドが、毎年4月の頭に名古屋(実際は長久手)で主催している野外音楽フェスである。

このヨンフェスというのは2016年に始まり、今年で5年目を迎える。ただ残念ながら、今年はコロナの影響で4月開催が出来なかった。というのも中止ではなく延期らしい。年内にちゃんと出来るかは置いといて、フェスなのに延期とかそんなこと出来るんだ

とりあえず今年は5年目という節目の年なので、このヨンフェスというものについて考えてみることにしよう。

彼らの企画は2015年から始まった。
2015年4月4日、彼らのホームである名古屋で「フォーリミの日」という自主企画イベントが行われた。
企画自体はめちゃくちゃシンプルで、公園とか広場とかに出没するメンバー4人をそれぞれ探し、見つけたら声をかけてスタンプを台紙に押してもらう。そのスタンプが4つ全部集まったら抽選会に参加できて、当たれば夜のミニライブイベントに招待するよ~!みたいなもの。

果たしてこのイベントの存在を知ってる人がどのくらいいるのか分からないが、ヨンフェス公式アカウントのフォロワーが現在約6万人ちょいに対して、フォーリミの日公式アカウントは約3000人。

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こんな感じ。(2020年4月4日時点)

メンバー曰く、この頃からヨンフェスの構想はあったそう。ただ、まだ集客が見込めないということでモリコロパークを借りられなかった(=フェスの開催は不可能だった)んだっけな。うろ覚えだけど、以前そんなような話をどこかでしていたような。

ちなみにこの年フォーリミは念願のメジャーデビューを果たし、メジャー1stフルアルバム「CAVU」はタワレコメンに選ばれていた。タワレコメンというのは「これから売れるぞ~!」っていうアーティストをタワレコのバイヤーが一足先に見つけてプッシュして売り出すものなので、今のフォーリミがそれを通ってここまできたことを考えると感慨深いですよね

そして私、当時高校2年。この「フォーリミの日」というイベントは、わたしにとってインディーズ時代からずっと好きだったバンドにライブ以外で会えるというとんでもないチャンスだった。ただそんな得体の知れないバンド(失礼)のイベントのために、16歳のクソガキを子供だけで名古屋に送ることを親が許すはずがなかった。その結果、当日は一日中半泣きでTwitterに張り付いていたので、参加してないくせに現場の様子とかめちゃくちゃ鮮明に語れる人間になった。はい、わたしは家にいました。その場にいたような書き方してすみません❗

そして翌年、2016年。記念すべきYON FES 2016が開催された。受験生になる年だったが、親を説得して初めての夜行バスで名古屋に向かった。今考えれば物凄い行動力だったと思う。まあわたしよりも年下で、もっと遠くから参加した人もいただろうけどそれは知らん。人のことは知らん。とりあえず当時のわたしにとって、YON FES 2016への参加は紛れもなく大冒険だったのだ。

ライブの感想とかを言うのは安っぽくなる気がしてあまり好まないのだが、これだけは言える。本当に行って良かった。2016年の4月2日と3日。この2日間でわたしの人生はガラッと変わった。それまでライブと言うと「いかに前で見るか」「いかに汗をかくか」に重きを置いていたわたしが、はじめて遠くで見る良さを知ったのはこの日だった。

そしてなによりも、その日の会場は「本当にフェスが開催できたことに対するお祝い」ムードでいっぱいだった。メンバーやスタッフの幸せな気持ちが伝染して、見てるこちらまで一緒に幸せになれた。列伝2015の仲間を全部出演させて、他もほぼ同世代ばっかりでガチガチに固めていた初年度のヨンフェス。ボーカルが繰り返し言ってたけど、まさに「ライブハウスをそのまま野外に持ってきた」感じで、出演バンドはみんな「フォーリミおめでとう!まじでおめでとう!呼んでくれてありがとう!」って口を揃えて言っていた。

普段はステージで一切泣かないボーカルが、目の前に広がる景色を噛み締めて目に涙を溜めていた。それを見てわたしも泣いた。引くぐらい泣いた。周りもみんな泣いていた。生きていてこんなに幸せなことがあるのかと本気で思うくらい、本当に幸せな2日間だったのだ。

まあこんな感じで、大学の入学式と被って行けなかった2年目を除いて初年度、3年目、4年目のヨンフェスに参加してきた。1年で1番幸せになれる2日間のために一生懸命お金を貯めて。年々、設備やステージの向き、人の導線など参加者が過ごしやすいように改善されていることが目に見えてわかるし、ステージ以外にもかなり充実しているフェスだと思う。だがそれに伴って悪化していることも沢山ある。

例えば民度。騒ぐわ身内サークルに人を巻き込むわ水は撒くわストーリーならいいと思って盗撮するわのクソキッズ(※精神年齢)が年々増えている。マジで。

わたしにとってヨンフェスというのは、いわゆる春フェスではない。
「おっ!○○に○○!俺得メンツばっかじゃん!よしチケット取ろう!」となるものではない。ビバラとかJAPAN JAMとかメトロックとか、体が何個あっても足りねえ!みたいな春フェスではないんだ。

「04 Limited Sazabysが主催だから」行くんだし、ホームである名古屋でライブをする「04 Limited Sazabysを」見に行くんだ。

だから言わせて欲しい。

せっかく来たのにトリを見ないで帰るなんて何事だよ!!!!!!!!!!!!!!!何しに来てんだよ!!!!!!!!!!!!!!


分かってる。フェスの楽しみ方は人それぞれだなんてことは百も承知だ。でもG-FREAK FACTORYを見ない山人音楽祭や、10‐FEETを見ない京都大作戦や、SiMを見ないDPFがあるか?ないだろ。バンド主催のフェスは他にもたくさんあるけど、すべて同じだ。

そもそもこのヨンフェスも2016年からここまで5年間続けられてるからって毎年開催できているのは決して当たり前のことじゃない。今回の件で痛いほど思い知ったことだろう。わたしはメンバーでもスタッフでも関係者でもなんでもないけれど、フェスというものは、そこに至るまでの苦労とか背景が必ず存在する。主催バンドの思いはもちろん、とにかくいろんな要素が絡み合って、長い時間をかけて完成しているものだ。だから、そこに敬意を払えない人は正直来るべきでは無いと思う。というか来てはいけない。

まあこんな感じでヨンフェスというものに人一倍思い入れがあるからこそ、今回の運営の判断の遅さとその対応にがっかりしたのも事実である。「ヨンフェスはやるよね!?」「楽しみが無くなるの嫌だから開催して!」「野外だから大丈夫でしょ!」という声と、自粛ムードの中、それに応えるように開催を匂わせていた運営。でも、そうじゃない。万が一このご時世で大規模なフェスを強行したとして、世間の非難が向かうのは彼ら。愛するバンドが叩かれる姿を見たくないと思える心があれば、中止を求める意見が出るのが普通じゃないのかと思いながらわたしは動向を見ていた。

ただ今年は2015年のフォーリミの日以来、やっと4/4に開催できるはずだったからギリギリまで開催の方向で行きたかったのは分かる。時間もお金も相当かかってるし。だが、自分たちの身を守るためにも、もっと早い段階で正常なファンの意見を汲んで決断をして欲しかったなとは思う。まあ結果的に状況は悪化しているし、開催して後の祭りにならなくて良かったよ。


やべ、書き始めたのは4月の4日なのに、気づいたら9日になってしまった。
すっかり長くなりましたが、とりあえず今は延期後の開催がちゃんとできることを願うばかりです。年内に、あの素晴らしいモリコロパークで5年目が出来るといいですね。


終わり

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