山登りのススメ　〜プロジェクト・マネジメント・トレーニング〜

はじめに

ご存知の方もおられると思いますが、私は登山をやっています。

登山には
「あの山に登りたい、制覇したい」といった明確な目的があり、目的を実現するため、登山計画を立案し様々な準備を行ないます。

このプロセスは、システム開発のプロジェクトマネジメント活動にとてもよく似ています。

今回は「登山」をテーマに、プロジェクトマネジメントについて考えてみようと思います。

そしてこれをどこかでLTのネタにしようと思ってます。

プロジェクトマネジメントとは？

プロジェクトマネジメント(プロジェクト管理、Project Management)
とはプロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のことである。
これにはプロジェクトを構成する各活動の計画立案、日程表の作成、および進捗管理が含まれる。
システム開発を成功させるためには、プロジェクトを適切に管理することが求められる。
（Wikipediaより）

登山に置き換えて考えると・・・

・山頂到達（プロジェクトのゴール）を目指して、
・登る山を決めて、メンバーを決めて、スケジュールを組み、
・登山用のシューズやらザイルやらを品定めし、
・天候の変化に備え、予めバックアッププランを考え、行動し、
・無事下山後、温泉に入る。

ってことですかね！

登山に置き換えて考えると・・・

冬のヒマラヤを登るプロジェクトに参加

するとなったら、皆さんはどうしますか？

情報が集まらないといって、適当な計画で登山を開始するだろうか？
山の天候はすぐ変わる、計画を立てても仕方がない、と言うだろうか？

ヒマラヤに行くにあたり想定されるリスクを回避するために
・あらゆるつてを使って情報を収集しようとするだろう。
・厳しい登山に耐えられるよう体力をつけるための努力をするだろう。
・体力や天候などを考えて登山のペース配分を細かく計画するだろう。
・一人ではできないと考えてガイドなどの外部の協力をあおぐだろう。

情報収集・自己鍛錬・綿密な計画・協力要請
そのまま実際のプロジェクトマネジメントでも重要なものばかり

プロジェクトマネジメントと登山計画の対比

ヒマラヤは別格としても・・・

国内の３０００ｍ級の山に挑戦する場合、「遭難」しないよう、
通常次のような段取りで登山は行なわれます。

プロジェクトマネジメント活動と対比してみます。

計画・準備、登山実施中も、
　　　リーダーは常に「遭難」を意識して行動

リーダーがリスクを意識せず、
　　　無謀な計画、無謀な登山を強行すれば…

「遭難」はすぐそこ

重要なのはゴールから考えること

山では、遅くとも１５時までに行動終了が鉄則

日没を基準にした計画にしてしまうと
不測の事態で遅れたときに、
真っ暗の中を行動を余儀なくされる。

ときには寒風吹きすさぶ稜線上で
停滞を余儀なくされる。

早着に危険はないが、延着は危険。

そのような事態を防ぐために登山計画書では
ゴールから余裕をとってコースタイムを逆算する。

20X6年4月に、◯◯のシステムを本稼働させる
そのためにUATは、20X6年2月に開始しておく
そのためにシステムテストは、20X5年12月には開始しておく
そのためには20X4年4月には、基本構想策定に着手しておかねばならない

ゴールから考えることで、適切な作業計画を作る意識になる。

計画を達成し、ゴールに立ったときの気分は格別

登山を通じて、
「景色の美しさは、辿り着くまでの試練の厳しさに比例している」
と思いました。

システムプロジェクトでも同じ

闇雲に努力することや、つらい試練に耐えること、
を推奨しているわけではありませんが、
プロジェクトマネジメントの活動を通して計画を着実に実行することが、
目の前の試練を乗り越える助けになるのだと思います。

まとめ

・登山とプロジェクトマネジメントは類似
・登山することでプロジェクトマネジメントを学べる
・登山もプロジェクトも、無事ゴールできたらキモチイイ！

「なぜ山にのぼるのか？」は人それぞれ
「なぜ仕事をするのか？」も人それぞれ
それぞれのゴールを目指す中で、
ゴールまでの道のりを共有し成長していくのがプロジェクト(登山)
道のりを確実なものにしていくのがプロジェクトマネジメント(登山計画)

実際の計画例

当時小４の長男と。