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ボイスUIで気をつけたいUX

最近、シャープさんのヘルシオホットクックを購入したんですが、プロダクト機能として優れていることはもとより、ボイスUIがよく考えられているな?と感じたところがあったのでnoteを記します

ヘルシオホットクックとは?

ひとことでいうと、自動調理器です。

水なし自動調理
材料を入れて、ボタンをおせばOK。あとはおまかせで、ふたを開ければおいしいごはんができている

自動でかきまぜ、火加減
かきまぜや、火加減もすべて自動でコントロール。焦げてしまいがちなカレーやシチュー、味のしみ込み加減がむずかしい煮物もおいしく仕上げてくれる。まぜ技ユニットが加熱の進行に合わせて自動でまぜる。そして温度×蒸気のダブルセンサーで火加減を自動で調節する

予約調理
最大15時間の予約調理の設定が可能。出かける前にホットクックに食材をセットしておけば、帰宅後すぐにできたて。
外出先から予約調理の時間が変更できる。

画面と音声で、材料と作り方を案内
材料と作り方を画面と音声で案内。わざわざメニュー集を取り出さなくても、簡単に準備ができる。

無線LAN+アプリで新しいメニューが、どんどん増える
「聞いて」ボタンを押せば、メニュー占いや調理ランキング、低カロリーメニューなど様々なカテゴリでメニューを提案。

このうち、予約調理などは他社製品でもできると思いますが、使ってみて優れているなと思ったのが、ボイスUIでした。

どんなボイスUI?

使う前は、「音声でお知らせ」ときいて、ああ、「○○セットしました」とか「出来上がりました」とかを冷徹な人工ボイスで言うだけなんだろうなと思ってました。

さてどんなもんかと、
材料を説明書とレシピにあわせて切って、まぜ技ユニットをセットしてスイッチを入れます。で、モードを選びました。

そしたら、
「○○セットしました」 ではなくて
「これから30分間あたためますね ♪」って言ってきたんです。
さらに「あとの加熱はまかせてね ♪」って言うんです。

予想外のボイスでしたが、半端ない安心感です。
もう完全におまかせモードです。

そして、調理中も、
「加熱していますよー」とか「いま、かき混ぜていますよ」と声をかけてくれます。
初めての調理でドキドキ見守る我々を安心させてくれます。

「おいしくできますように♪」とか、独り言も言うんです。
(近くに誰もいなくても喋るのはちょっとホラー)
途中、「じゃがいもは、なんからかんたら・・・」とかワンポイントアドバイスもしてくれます。

できあがり近くになると、
「残り、1分です」「残り、10秒です」
最後に「できあがりです!」

蓋を開けずに待っていると
「加熱の延長もできますよ〜♪」
って教えてくれます。

これ、単純な「タスクお知らせ」「オウム返し」とは大きな違いがあるというのは、お気づきですか?

考察

料理を作る人のペイン😣とゲイン😊に向き合っていないと、このような発話をさせようとは思わないはずです。

料理するときのペイン😣は、簡単にあげるだけでも

  ・ずっとそばについてみてないといけない
  ・ちゃんとやってくれるのか不安
  ・ちゃんと進行してるのか不安
  ・孤独、喋る相手がいない

というのが挙げられると思います。

ずっとそばについてみてないといけない😣
については、製品自体の自動調理が実現しています。

ちゃんとやってくれるのか不安😣
についてはどうでしょうか。
単に「セットしました」では、これからやろうとする作業と、入力したものが合っているか、わかりませんね。
「これから30分間あたためますね!」ってすれば、30分のあたためだと機械が認識してくれている、とわかります。そして、「あとの加熱はまかせてね!」なので、追加でなにか入力しなくても加熱まではやってくれるとわかるのです。他の料理で手が離せない中でも確認コストが最小😊で済みます。

ちゃんと進行してるのか不安😣
についてはどうでしょうか。
だいたいの調理家電は、途中で何をやってるか、表示盤をみない限りは教えてくれません。
「加熱していますよー」とか「いま、かき混ぜていますよ」のひとことだけで、ちゃんと進行しているとわかります😊。

孤独、喋る相手がいない😣
についてはどうでしょうか。
キッチンにアレクサがいれば、アレクサと会話できるのでしょうが、そのうち飽きてきます。
作っている料理にあわせて、
さらに「おいしくできますように♪」と一緒に料理を作っている寄り添い感😊がうれしいですね。家族と一緒に料理するのは楽しいものですよね。

ここまでくると、ほぼ家族の一員のような気がしてきます。もし故障したりすると心配になりますし、交換とかになると、もう会えないのが悲しくなってくると思います。こういった感情をふくめた体験一式は、長い目で見るとロイヤリティの向上に間違いなく繋がっているはずです。

これ、我々サービスデザイナーがHCDのプロセスで向き合うとき、
ペルソナ
をつくったり
バリュープロポジションマップ
をつくったりして、ユーザーのインサイトを覗きにいきますが、

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そのときに重要な、「ユーザーのメンタルモデルからUIを考える」ということができている、優れた例だと思いました。

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みなさんも、我が家に遊びにきたら、一回体験してみてください。

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