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結果が未知の領域で、計画的プロセスがうまくいかない根本的な理由

以前、「デザイン思考などで一生懸命つくった新規事業の企画なのに社内稟議を通らない理由」を書かせていただきました。そこでは、根本的に向き合い方が違うのだという話をさせていただきました。

積み上げで説得することは難しく、相手を巻き込んで、共感してもらうことが必要だと結んだのですが、抽象的なので、もう少し噛み砕いてみようと思いました。

そこで、旅行のアナロジーを使ってみようと思います。

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旅行って、パッケージツアーとフリーツアーがありますね。

計画的プロセスで結果を出す(計画された目的地につく)こととは?

計画的にプロジェクトを進め、遅延しないことを保証するというのは、
「すでに実行した経験があり、その経験に基づく再実行をすること」です。

旅行に例えるなら、パッケージツアー
「◯◯という場所に行って□時までにこれをしたい」という達成したいことが明確に決まっている旅行となります。

安定的に旅行をしようと思ったら、旅行代理店のツアーを利用することでしょう。旅行代理店によって組んでもらったタイムスケジュールどおりに、集合し、移動し、途中の調整もはさみながら、添乗員ガイドさんに連れられて決まった最終目的地に時間通りに到着する。

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時間通りに到着するためには、きちんと旅行代理店によって、確実に移動する手段の選択、移動時間の計算、途中の渋滞等のバッファの計算、リスク計算がなされています。

もしかしたら、危険なところにロープを張ってくれてたり、滑りやすい道を掃除してくれてたり、お膳立てしてくれてたりするかもしれませんね。

むしろ、◯◯という場所に行って□時までにこれをしたい!と思っているのに、最終目的地や移動手段や到着時間が不明だとしたら、そんなツアー申し込むでしょうか?
※ミステリーツアーという「状況を楽しむ」ツアーは除きます。それはある種、プロジェクトの炎上を前提にエンターテイメントとして楽しむような行動ですね。そんなプロジェクトありえるでしょうか?

このパッケージツアーは、
システム開発でいうと、パッケージソフトを利用した開発のようなものでしょう。世のSIerは自社のパッケージに寄せていって、それを可能にしていきました。

パッケージツアーに必要とされるものは、
計画立案と、都度の計画達成確認、そのための忠実な実行、です。
ビジネスとしては、方法論が固まった10→100の拡大局面に大変有効な方法だと思います。

ただし、パッケージツアーで認められないのは以下の行動です。

❌ 行き先ややっぱり変えるわ
❌ 移動手段違うのにしたい
❌ 違う日時にするわ
❌ 面白くないから中断するわ

計画が建てられないことや、忠実な実行ができないことは、計画的な終了を保証することができないからです。


適応的・漸進的プロセスで結果を出す(新しい目的地を走りながら見つけ出す)とは?

適応的・漸進的プロセスで新しいものを作るというのは、
誰もが「経験したことのないことを、実行」することです。

旅行に例えるなら
「◯◯という地方の〜〜が美味いらしい。いってみたい」とフラッと出かける、明確に達成目標を決めない旅行、フリープランといえます。

タイムスケジュールも、行く手段も、目的地すら出発時点はでぼんやりしています。まず、車に乗って、ナビで「だいたいの位置」を設定したぐらいかもしれません。

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そんなときは、実行方法は都度アップデートされていく必要があります。
場合によっては、定めた時間をずらしたり、道を変えたり、予定より飛ばしたりするかもしれないですね。

未知の道なので、なにか渋滞があるかもしれませんし、行き止まりや、通れない、などもあるかも知れません。引き返しが必要です。到着時間は目標であり、絶対的期限としては保証できないものとなります。

システム開発でいうと、準委任契約などによる、成果物をプロジェクト内で決めていくような開発スタイルになるでしょう。アジャイルと呼ばれるものもここに入ってくると思います。

カーナビを使って移動しながらだと、コンピュータの指示はこの渋滞にハマり続けることだけど、ちょっと横道にそれてショートカットしてみようという挑戦をするかもしれませんね。その挑戦は、経験によって、精度がたかまっていくように思います。

経験学習することで成長カーブを描いていくことができるものですね。

このフリーツアーに必要とされるものは、
計画ではなく方針の共有であり、進捗度ではなく途中の移動速度であり、忠実な実行より状況に合わせたジャンプだと思われます。

ただし、このフリーツアーは以下ができません。

❌ 結果の保証
❌ 到着時刻の保証

そもそも走りながら目的地を決めるのですから、当然かと思います。
ビジネスとしては、10→100の拡大局面よりも、0→1や1→10といったやり直しがきく局面に有効ですね、

ただ、途中の判断の精度を、高めていくことはできるかもしれませんね。
その道で経験の高いナビゲーターに、つど一緒に伴走役についてもらえばよいのです。

でもナビゲーターには、すべての道を全部先回りして準備することはできませんし、目的地もわからないのに、これから行く道全てを案内できる保証はありません。添乗員ガイドさんではないのです。道が変われば伴走役も代わって貰えば良い。

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結果が未知の領域で、計画的プロセスがうまくいかない根本的な理由

新規事業の開発やイノベーションのような、結果が未知の領域の挑戦は、
新しい目的地を走りながら見つけ出すツアーのようなものです。

なのに、その挑戦が旅行代理店のツアーのように、
決まった手段・時間で、添乗員ガイドさんつきでパンフがあって、いつの時点でも計画的な終了を保証できるというのが、根本からおかしいのかもしれない。

もし計画的にできるのだとしたら、それは新しいといえるのでしょうか・・

そんなガイドツアーなら、もうどこか別の旅行代理店のツアーパンプレットとして並んでいるのかも知れませんね・・やりたいのはそれでしょうか?

そうでないなら、新しい地図を自分で手に入れて、伴走を誰かにお願いしながら、まずは徒歩でいける範囲で新しい発見をすることからはじめてみるとよいかもしれません。

いわゆる内製化です。
※ちなみに私達も内製化をサポートし伴走するサービスが御座います。
(唐突なPR)

内製化には「不確実性を抱きしめながら前に進む」必要があるというのは、上に述べてきたようなことからです。不確実性があるので困難もあるでしょうし責任とかいう話になるかもしれませんね。

その責任を外部化したいということなら、もうすでにどこかにあるツアーを申し込むのをおすすめします。

その代わりに、大金を払った結果、
・すでに相手が多くいたり
・相手にだいぶ先行されていて競争にすらならなかったり
・相手のプラットフォームの上で活動を余儀なくされることになったり
添乗員ガイドさんのいいように誘導されて逃げられなくなったり
するのでしょうね。

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Makoto Sone|イノベーション・カタリスト

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株式会社ゆめみ 執行役員 サービスデザイナー Difference Inc. Director | HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト | PMI認定PMP | SA認定CSM | AWS認定CP | 多摩美TCL修了 | 関西大学卒 | TOEIC870