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課題解決のためのクリティカル・シンキング(2)

このnoteについて

先日、GLOBIS Unlimited(英語版)で全てのマイクロラーニングのコンテンツが無料で提供されていました。

その中で、クリティカルシンキングについて学びなおす機会があったので、特にクリティカル・シンキングを使った課題解決のプロセスについて
全5回のnoteにまとめました。

今回はその第2回です。課題解決のプロセスのうち、WHATにフォーカスします。

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WHAT を定義する

第1回で、課題とは、現状と理想の間の解消すべき差分 と定義しました。

たんに「利益が5%減少した!」という現状だけでは課題ではありません。

理想の状態が「利益がの増加が+5%以上である」
なのに
現在「利益が5%減少している」
という問題があり、
そのギャップを埋めねばならない

これが課題です。

そして、利益の減少が課題、に対する
解決策は、利益を増加させることです。

しかし、課題と解決策のポイントになっている 利益 とは何でしょう?
どうすれば増加させられるのでしょうか?
利益を生み出す要素は何でしょうか?

それを効率的に考えるのに、 input と output の考え方を使います。

inputとoutput

inputとは、特定の結果を引き出すためになされる行動
outputとは、inputの変化により引き起こされる結果

平易にいうと
input  は アクション
output は 結果

です。

前回も言いましたが、我々は課題を解決しようとするとき、
いきなりHOWにフォーカスしてしまいがちです。
「何が課題か?」というときに、4P分析だ!って言って
PRODUCTが?PRICEが?PLACEが?PROMOTIONが?と
考えてしまうんです。

それはinputでしょうか?outputでしょうか?

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「どんな製品にする?」
「どんな価格にする?」
「どんな場所で売る?」
「どんな広告をうつ?」
すべて HOW の文章になります。
そして、アクション になっています。
そうです、これらはinputです。

なぜinputに着目してはいけないか

inputに着目することは「目に見えている」ので考えやすく、
「何か手をつけたことがすぐ目に見える」ので進捗を伝えやすいのですが、
間違った解決策へ到達しがちです。
なぜならば、「仮説」を十分に作り出すことも、そしてそれを検証することができないからです。

inputに着目した場合、仮説は
「製品が悪い」とか「価格が適切でない」
などになります。
カフェでいくと、メニューがよくないとか、立地が悪いとかです。

では、本当に製品は悪いのでしょうか?価格が適切でないのでしょうか
それはどのように検証できるのでしょうか

解決策は、メニューを変えますか?価格を変えますか?

それが落とし穴です。
outputの定義はなんでしたか?

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inputの変化により引き起こされる結果

inputによってoutputは変化してしまいます。

メニューを変えてしまうことによって、人の行動が変わり、それがメニューが要因だったのか、別の要因だったのか、特定できなくなってしまいます。
価格を変えてしまうことによって、別の要因が、価格による人の行動変容に覆い隠されてしまいます。

inputを変えてしまうと、outputを構成する前提が替わってしまい、
その仮説によって「問題が解決した」のか「検証」すらできなくなってしまいます。inputにフォーカスしてはいけない理由はこれです。

(逆説的には、課題を見えなくさせるにはinputにフォーカスして単純な解決策をとることがとても有効ですね!!)

outputに注目する

inputのPRODUCT?PRICE?PLACE?PROMOTION?は、
課題解決プロセスのなかで、最後にやるべき「HOW」とわかりました。

ではoutputは?

inputの変化により引き起こされる結果

売上面では「顧客数」であり「購買率」であり「客単価」、
費用面では「固定費」であり「変動費」、といった要素になります。

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利益の理想と現状にギャップがある(減っている)のは、
来店客数が減っているからなのか、
客単価が減っているからなのか、
などでブレイクダウンできます。
さらに来店客や客単価を年代でブレイクダウンできます。

outputに着目すると、仮説は、
「利益の減少は来店客数が減っているからかもしれないから、来店客数を向上させれば利益が増加するかもしれない」となり
解決策として
「来店客数を向上させる施策を実行する」が実行できます。
実行結果は
「来店客数の増減」で測定でき、それによる「利益の変動」も数値で測定可能です。

このように、課題解決は結果outputにフォーカスするのが重要です。
さらに、outputを可能な限りブレイクダウンして小さなカテゴリーに分けることで、要因(WHAT)が特定できます。

WHATを発見したら、次にWHEREです。
意味のある分析ができるカテゴリにできているか?が重要です。
消費者の満足度を分析するのに、顧客の住所で分けてもしかたがありませんからね。

次回に続く

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