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2000年代の映像制作~みんなはテレビ的なものを期待していた~

近年動画の活用が一般的となり、たくさんの人が日常的に動画を見たり、撮ったり、作ったりするようになりました。

私が映像の世界に入った2005年頃はまだ映像とはテレビや映画が主流であり、「映像」は今のように「映像」=「動画」といった時代ではありませんでした。

2000年代はまだWEB上に実写の動画は今に比べて断然少なく(あってもも画質が超悪い)、「動画」というとFlashなどで作ったアニメーションの意味合いでイメージする人も多かったように思います。

いかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。

様々なものは時代とともに変化していくもので、映像もご多分にもれず私の知る限りでもどんどんと形が変わっていっているように感じます。

一言に映像といっても私たちぐっでぃテレビが作っている自治体・企業向けのプロモーション映像からテレビ・映画までたくさんあります。今回は地方の映像制作事務所が15年の歴史で感じた映像の変化についてまとめてみたいと思います。(今回は2000年代を中心とした前編となります。)

私の目から見た映像の変化とぐっでぃテレビの思い出話にお付き合いいただけましたら幸いです。

【2005年頃】テレビ的なものを期待されていた映像制作

私が映像制作の世界に入った2005年頃の映像はとにかくテレビ的なものを期待されていました。この頃プロモーション映像を作る際、クライアントの方からよく例えとして出てきたのが、

『サンテレビ(※)の店舗紹介のような感じで作ってほしい』とか、
『30分の旅番組のような構成で観光案内をしてほしい』といったようなテレビ番組をお手本としたコンテンツ作りでした。

(※)サンテレビとは兵庫県を中心とした放送エリアのテレビ局です。阪神・神戸・播磨・丹波・淡路・但馬エリアのローカル情報を扱う番組やCMが多く、兵庫県内の中小企業や店舗の情報などもよく流れており、自治体や企業の方と打ち合わせをする際に今でも地元では割とよく話題に上がるテレビ局です。

この頃はPVの企画・構成でヒアリングをすると、
『映像にはレポーターを登場させてほしい』などといった要望も多々ありました。実際レポーターを付けてレポーターがコンテンツの進行をナビゲートするような構成・台本をよく作りました。

【2005年前後】思い出のカメラ/HVR-Z1J

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撮影に使っていたカメラはもちろんビデオカメラ。私が映像を始めた2005年はまだハイビジョンは一般的に主流ではなく、ブラウン管のテレビがリビングに鎮座していました。

その後2006年になりHDV1080i記録が出来るHVR-Z1Jが登場。ぐっでぃテレビでもすぐさま導入しましたが、まだ4:3のブラウン管テレビが主流だったので、HVR-Z1Jで撮影した16:9の映像をテレビで見る際は上下に黒い帯が出て、映像が小さく見えるなぁなんて言われたこともありました(笑)

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初期のころ大変お世話になったカメラHVR-Z1J。とりあえずこのカメラを使えば間違いないというくらいこのカメラしか選択肢がなかった。
ちなみにこのカメラの形状、多少のマイナーチェンジはありますが、その後のSonyの業務用ビデオカメラの定番となります。ボタンの配列などもめっちゃ使いやすい。

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これらのカメラはミニDVテープという小さなテープにデジタル録画できました。(市販のものから業務用のテープまでありました。)60分しか撮影できないので長回しする舞台撮影の際はテープチェンジが大変でした。

【2000年後半】EOSムービーブーム到来

2008年の年末。スチル界から映像界に一石が投げ込まれます。それがEOS 5D MarkⅡです。

EOS 5D MarkⅡはスチル機のフルサイズ一眼レフカメラだというのに動画機能が搭載されていました。(今では当たり前ですが。この頃は映像はビデオカメラ、写真はデジカメ(一眼レフ)といったように常識のような見えない線引きがありました。)

このEOS 5D MarkⅡを開発したときは、動画機としてガッツリユーザーに使ってもらいたいという思いでこの機能を付けたわけではなく、偶然動画機能を付けたら、思いのほかいい映像が撮れたとの話を聞いたことがあります。(最初から動画撮影機として使うことを狙って開発したカメラではなかったようです。)

結果としてテレビっぽい映像一辺倒だった映像業界に映画のようなテイストを持った新たな新風が巻き起こります。シネライクな映像なんて言葉もこのころからささやかれるようになったのではないでしょうか。

【2000年後半】思い出のカメラ/EOS 5D MarkⅡ

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ぐっでぃテレビでも2010年頃、テイストの映像を手に入れたくEOS 5D MarkⅡを導入しました。確かにビデオカメラでは到底撮影することのできないようなボケ味のある幻想的な映像が撮影できるのですが、モニターは見づらく、操作性も微妙。(動画を撮るための使い勝手を想定した設計ではなかったため。)結果的に非常に撮影しづらく、録画トラブルや操作ミスなどが怖くて結局クライアント案件で使用することはありませんでした。(撮影できずに急にRECが止まったりと、とにかく撮影中にストレスがありました。)

ビデオカメラでは決して撮影することにできないテイストの映像を撮影することができましたが、なんといってもスチル機に動画機能を付けただけのEOS 5D MarkⅡ。撮れる当時としては映像は素晴らしいものでしたが、とにかく操作しづらかった・・・。

この頃、シネライクな映像は映像業界では話題になったものの、企業PVや自治体プロモーションでは、テレビ番組のような映像制作がこの頃はまだまだ主流だったような気がします。


いかがだったでしょうか。私が体験した2000年代(2005年からとなりますが・・・)の映像の変化を、まとめてみました。

十年ひと昔といいますが、今振り返ると使っている機材もそうですが、作る映像もとにかくテレビっぽくといった今とはまた一味違うものが主流だったように感じますね。

近いうちに今度は2010年代の映像業界の流れとぐっでぃテレビの歴史(思い出)を振り返ってみたいと思います。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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