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SDGsマーケティング施策事例研究 Vol. 1 トミー・ヒルフィガー 「あつ森で遊んでトミーのSDGs活動に参加」

このnoteのポイント
・SDGsマーケティング施策の事例研究を今後、順次配信
・第1回目は、トミー・ヒルフィガー「あつまれ どうぶつの森」内で行ったサステナビリティの要素を持つオンラインイベントを考察
・あつ森でのイベントの開催方法や、コミュニケーションのポイントがわかる!


こんにちは、Good Tideチームリーダーの太田です。

今年から、Good Tideチームでは国内外問わずSDGsマーケティング施策の事例研究に取り組むこととなりました!
単純な事例収集や共有ではなく、マーケターらしく「どうやって実行するのか」「施策におけるコミュニケーションのポイントはどこなのか」をしっかりまとめることで、今後の自社の取り組みに活かしていくことを目的にしています。

ただ、どの企業の取り組みも面白いし、学ぶところがたくさんある……このようなナレッジを自分たちだけで持っておくのはもったいない……ということで、研究内容を本noteで公開していくことにしました!

取り上げた事例をまとめたPDF資料が、noteの最後でダウンロードしていただけます。
SDGsにかかわるマーケティング施策のヒントとして、ぜひ社内でご活用いただければと思います。
(「事例と同じようなことをやってみたい!」と思ったら、ぜひGood Tideまでお問い合わせください!)

SDGsマーケティング事例研究、記念すべき第1回目は記憶にも新しい、トミー・ヒルフィガーの「あつまれ どうぶつの森」を活用した施策です。
(※資料内の施策タイトルはGood Tideで付けた名称であり、公式に発表されているものではありません)

1. 施策の概要

今回ご紹介するSDGsマーケティング施策は、2020年12月末にアパレルブランド「トミー・ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)以下、トミー」が行った、Nintendo Switchのゲーム「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」のバーチャル空間でのオンラインイベントです。

ゲームプレイヤーは、あつ森の中でトミーが開催するバーチャルパーティーに参加し、買い物や冬の外遊びを楽しんだり、木を植えたりすることができます。
そしてトミーはあつ森に植えられたバーチャルツリー1本に付き、実際の木を1本、サステナビリティを推進するエコエイジ(Eco Age)社の「グローバルフォレスト」に植樹することで、プレイヤーと共にサスティナビリティに貢献。
さらにプレイヤーはエコエイジの専用サイトで、ゲームで植えた木の実際の成長過程を確認することができ、イベント後も自然を大事にする気持ちを醸成することにつながります。

2. 施策の仕組み

あつ森をイベントスペースとして活用した今回の施策。
プレイヤーは下記のような手順で、トミーが開催するイベントに参加し、その後も植樹を通してブランドとつながり続けることができます。

1. トミーは、あつ森内にブランドの専用スペースを開設し、秋冬コレクションを体験できるバーチャルイベント「トミー・フォレスト」を開催(トミーはあつ森内に専用スペースを開設した初めてのブランド)

2.  プレイヤーはゲーム内の洋服の仕立て屋「エイブルシスターズ」で専用コードを入力し、期間限定でトミーの2020年秋冬コレクションのバーチャルレプリカを購入し、キャラクターに着せることができる

3.  また夢見番地から専用コードで「トミー・フォレスト」にアクセスすると、トミー・ヒルフィガー氏のアバターが主催するバーチャルパーティーに参加。パーティーではショッピングや冬ならではのアクティビティを体験できるほか、ゲーム内で植樹も可能

4.  トミーは自社の「Waste Nothing and Welcome All(無駄をなくし、すべてを受け入れる)」というサステナビリティのミッションに基づき、植えられたバーチャルツリー1本に付き、実際の木を1本、サステナビリティを推進するエコエイジ(Eco Age)社の「グローバルフォレスト」に実際に植樹する

5.  プレイヤーは専用サイトで、ゲームで植えた木の実際の成長過程を確認できる

3. ブランドのサステナビリティ目標から考える、実施目的とターゲット

今回の施策は、トミーのサステナビリティビジョンである「Waste Nothing and Welcome All(無駄をなくし、すべてを受け入れる)の4つの柱の内、「Made for Life:原材料の調達から販売までのすべてのプロセスで、気候変動や土地利用、水質や大気汚染などプラネタリーバウンダリーに細心の注意を払う。」で掲げたことを実行していくための機会です。

また、あつ森施策が提供されているのは単に、COVID-19で公の大規模イベントが開催できないから、だけではありません。
あつ森の中心ユーザーである若年層(Z世代、主に90年代生まれのミレニアル世代)に向けて、ブランドの存在感を、彼らが好むコンテンツである「ゲーム」と関心のあるテーマである「サステナビリティ」の側面から強くし、将来の購入を促すこと、ということも当然目的に入っているかと思います。

4. 施策のポイント

最後に、目的とターゲットを踏まえた上で、今回の施策のコミュニケーションのポイントについて考察していきます。

\ここがポイント/
① 世界で4000万人以上のプレイヤーを持つ「あつ森」内で、ブランドの世界観に没入できる専用スペースを設置
② あつ森ユーザーならマネしたいくらいハイセンスであつ森のトレンドが反映されたスペースを構築し、長く滞在したくなる設計にした
③ イベントのアクティビティの1つとして、自然にトミー・ヒルフィガーが取り組む植林を体験させ、ブランドのサステナビリティ活動の認知獲得と自然を守るというブランドへの好意度獲得へつなげた
④ さらに継続して植樹した木の成長を見守れることで、ブランドとの関係性構築も期待できる

こうしてまとめてみると、ユーザーがあつ森内のコンテンツを楽しむという空間の雰囲気を損なうことなく、ブランドのサステナビリティへの意識を自然に認知させたことがこの施策の重要ポイントであることがわかりますね。

残念ながら数値としての結果は見れませんが、YouTubeなどでトミー・ヒルフィガーがつくったイベントスペースで遊ぶユーザーの投稿をチェックすると非常に好意的に捉えられているのがわかります(何より、楽しそう!)。
イベントの様子を深く知りたい方は、あつ森の実況投稿をぜひ検索してみてください!

参考

Forbes Japan  2020/12/25 「トミー ヒルフィガーの2020秋冬コレクションが『あつ森』に期間限定登場 ゲームと連動した植樹も」
https://forbesjapan.com/articles/detail/39002/2/1/1(2021/01/25)

YAHOO! JAPANニュース 2020/12/26 「「トミー ヒルフィガー」が「あつ森」で秋冬コレクションを配布 植林活動も」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ad7bb885c5d20e37efc73891158f8afc1ca138f?source=rss (2021/01/25)

AMP News 2020/09/01 「トミー ヒルフィガー、Make It Possibleプログラムを発表 サステナビリティへの取り組み」
https://ampmedia.jp/2020/09/01/tommy-hilfiger-csr/ (2021/01/25)

YouTube 2020/12/28 「あつ森×トミーヒルフィガー夢番地|トミーフォレスト島の島クリがすごい!冬のマイデザ〔期間限定配布〕【TOMMYHILFIGERコラボ】【あつまれどうぶつの森】」
https://www.youtube.com/watch?v=LSXx2qxjemo (2021/01/25)

事例研究資料のダウンロードはこちらから

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