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【言遊 ショート・ショート §2】


【元横綱 千代小乃竹、涙の断髪式 白鵬ら約300人がはさみ】

今年1月に引退した元横綱 千代小乃竹(33)=明ノ治(あけのはる)親方=の断髪式が29日、東京・国技館で行われ、力士や支援者ら約300人が、15年結い続けた頭のてっぺんのたけのこの里にはさみを入れた。

ともに土俵をわかせたライバルの、稀乃小里、白鵬、杉ノ湖、元日馬富士ら新旧の横綱が出席。
父の小竹貞彦さんがたけのこの里にはさみを入れた際には、明ノ治親方は目からこぼれる涙を何度もぬぐった。
最後に師匠の志井武親方(元幕内 志井乃竹)が、大たぶさであるクッキー部分を落とすと、観客から「ありがとうー」「チョコノタケー」「ジャンケンポンでカクレンボー」と大きな声が飛んだ。

頭のたけのこの里に別れを告げた明ノ治親方は、「今日であの歓声は最後。あの声援に現役最後まで助けられた。最後まで杉ノ湖には出会えず残念」としみじみ。指導者としての目標を問われ「つまらない事もやり続けられる、忍耐強く太い竹のような力士を育てたい。」と語った。

弟弟子の大関 賀瑠穂はこう語った。
「まだ実感がわかないっすね。(はさみを入れる時には)たけのこの里のチョコレートがかなり短くなっていたので、ほろ苦い気持ちになった。今日は一緒に横綱土俵入りをして、武者震いがした。横綱になって、あの満員の国技館で土俵入りできたらどれだけ幸せか。それを励みに、たけだけしい力士になりたい。たけのこだけに。」

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