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耳原総合病院で展開するホスピタルアートとその知財について 講師:虎頭加奈さん

2020年3月31日(火)17:30-20:00、Good Job! センター香芝にて、「障害者アートと知的財産権」をテーマに 「知財学習プログラム報告セミナーin 関西」を開催いたしました。

本セミナーでは、ホスピタルアート、AIと知財、ファブラボなどの最新事例のトークやディスカッションをとおして、これからの知財のいかし方を学びあいました。

ホスピタルアートのことについては、虎頭加奈さん(耳原総合病院 アートディレクター 教学・広報担当/NPO法人アーツプロジェクト)から、具体的な実践事例について教えていただきました。

AIと知財、ファブラボなどの最新事例については、白石晃一さん(ファブラボ北加賀屋 共同設立者/美術家/京都芸術大学 情報デザイン学科クロステックデザインコース 専任講師)に話を伺いました。

 そしてディスカッションの際には、高島雄一郎さん(弁護士/登大路総合法律事務所)に法律相談をしたりしながら、これからの知財運用について話し合いました。

この記事では、虎頭加奈さんのお話をご紹介いたします。以下は、虎頭さんのご発言内容です。

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NPOアーツプロジェクトの取組について

こんにちは。私はNPO法人アーツプロジェクトにも所属しつつ、社会福祉法人耳原総合病院の品質管理部というところで広報やアートディレクターをやっております。

私はもともと京都の織物会社で医療福祉の施設向けの営業をやっていたんですけれども、その中でホスピタルアートというものに出会って、NPOアーツプロジェクトに入りました。その間、ここGood Job! センターにもパートでお手伝いもさせて頂きました。

現在は、チーフの室野と、舞台芸術出身の衛藤と、私の3人で、チームを組んでやってアートディレクションを行っています。

アーツプロジェクトの仕事なんですけれども、病院から依頼を受けてアートディレクションやコンサルティング業務を請け負っています。医療現場でヒアリングを行い、病院スタッフとコミュニケーションを取りながら問題を洗い出しながら改善を目指し、アートを通してコンセプトを打ち出していくことをやっています。

アーティスト、作家、デザイナーの選定は、こちら側がしており、ここは参加型アートがいいんじゃないかという提案などもしております。

対価のお支払いは、通常はアーツプロジェクトからアーティストにお支払いをするという形になっているんですけれども、100万円を超える高額な契約の場合は、病院と直接やりとりをしていただく場合もあります。

ご存じのように、著作権の権利には大まかに、財産的側面の著作権と、人格的側面の著作者人格権の、2つあります。私どももNPOとして権利を守っていきたいということで、勉強会などを内部で開いたり弁護士の先生をよんだりしております。作家、アーティスト、デザイナーに対してなるべく契約するようにしております。

本来であれば、アーツプロジェクトと病院の契約、アーツプロジェクトとアーティストの間になると思うんですけれども、なかなかそこまで十分に手が回っていなくって。現状では著作権は全てアーティストにあって、病院やアーツプロジェクトが広報等の目的で使用する許可をいただいているというのが現状です。

権利の帰属、利用許諾、著作者人格権等についてはもちろんアーティストとやりとりをします。

クレジットをどういう風に入れるかというのも相談しておりますし、また、医療空間というのは結構制限がありまして、どこどこにこれは吊らないで下さいとか、ここの空間で何かを表現して下さいとか、他にも、感染の問題とか、災害対応の時は外すとか、いろいろありますので、最初に取り決めをしえ、事前にアーティストに了承し頂いています。

「健康格差が命の格差であってはいけない」

今回は耳原総合病院のケースを中心にお届けします。

耳原総合病院は、大阪府の堺市の協和町というところで生まれ、今年で70年目にあたる病院です。

元々こちらは貧しい地域で、お医者さんがいなかったということで1950年代に100円のカンパから生まれた病院です。健康格差が命の格差であってはいけないということで、お医者さんを招いて無医村のところに病院をたてたというわけです。当時100円といえば、今のお金に換算すると2万円くらいになります。お金が支払えない方は卵を持ってこられたという逸話もあります。

5年前にリニューアルをしたんですけれど、その2年くらい前からアーツプロジェクトに声がかかって、チーフの室野がメインで立案して、私も当時はカラーリングとか、予算の管理とかそういうことをしていました。

今、第二次救急病院ということでベッド数は386床で職員が900人近くいます。医療の無差別平等を掲げて、差額ベット代は徴収しておりません。皆さん個室に入ると2万円、3万円かかるんですけれども、それを私どもは医療は平等であるっていうことでとっていません。もしそれを取れたらもうちょっと経営が上手く行くんですけれども(笑)、そこは頂いていない。

最近は無料低額診療ということで、生活保護を受けられている方などを市と色々協力しながらバックアップしたり、あとはHPH (Health Promoting Hospital)と言いまして、病院は病気になった時に来るだけではなくて健康な時にきて頂いて予防するという意味の団体にも所属しています。

コンセプトストーリーを絵本に

病院から依頼を受けて、地域の方々にヒアリングをしながら、病院のコンセプトストーリーを作りました。歴史を継承したり、理念を見せるシンプルな絵本のような形式にしています。普通病院の歴史は年表がずらりとあったりするんですけれど、小学生でも誰でも読める、そんな単純な絵本です。これを病院に来た皆さんにパッと見ていただけるようなものにしています。

大きな災害や院内感染が起きたこともあって、倒産しかかったこともありまして、そのような様々な困難を、この絵本では雨とか災害で表現しています。これを歴史として反芻していただけるように。これが病院の方の大きなテーマとなっています。

ちょっと読んで見ます。(以下のスライドの文章を朗読)

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耳原総合病院は、貧しい地域のなかにある病院で、患者さんやご家族にアートに親しんで貰いたいということもあり、様々なアートを施しています。一階の総合案内には、各フロアにあるアートを紹介するアートマップというのもあります。詳しくは以下をご覧ください。

エントランスホール/Yuko Takeda Keller

エントランスホールにはデンマークにお住まいのYuko Takeda Keller さんのアートを取り入れています。Yukoさんはトレーシングペーパーでアートを作られる方で、トヨタやブルガリのショールームなども飾られている、有名な方なんですが、当院の院長がこれは是非病院の顔となるところに飾りたいということで、Yukoさんに『Expectation -希望の芽-』という作品を作っていただきました。

19,000枚のハートが組み合わさっています。そのハートのところに皆さんに何かメッセージを書いてもらったらどうだろうという話になり、お寺の瓦の寄進みたいな感じで、病院に対する思いをメッセージに書いて表現してもらうというやり方をしました。

あんしんのアート/安井寿磨子

また、堺の親善大使も務めておられる、銅板作家の安井寿磨子さんにも当院のホスピタルアートにご参画いただきました。安井さんの原画はよく本の装丁にも使われ、例えば、村上龍の小説の装丁も手がけられている方です。その方に、耳原総合病院のコンセプトにあうということで、「あんしんのアート」として、当院のために銅版画を描き下ろしていただきました。

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『春の宴』 安井寿磨子

またご本人から2次利用OKという許諾を得て、描き下ろしていただいた銅版画をシールに加工させていただき、いろんな部分にシールとして展開して行くということもしております。例えば、MRIとかCTとか、真っ白で緊張してしまう空間に、少しでも気持ちを和らげるものを入れていこうということで。

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MRIをアートのある空間に

こちらは、1点もののアート作品をタイルのフロア材に展開した事例です。たんぽぽと四つ葉のクローバーの絵を一枚描いていただいて、それを工業製品、ビニールタイルにしてもらっています。

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地域をともす、病院外部の壁面アート

こちらは外部の壁面ですね。外壁にアートを施しています。「怖くない外観にして欲しい」そんな職員の声を反映しています。入り口は病院の顔、とても大事な表現エリアだと思います。皆さんここをリハビリとして歩いたりされています。

夜は、地域をともします。「夜も地域を守っている」という職員の誇らしげな言葉を受けて、それをアートで表現しました。夜でも見守っているから安心してほしいということを示したくて、外壁の照明を病院特注で作りました。このように、表現するものは職員の想いで、私たちはそれをアートに翻訳しているに他なりません。

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絵本の扉をひらくワークショップ

続きまして参加型のアート「絵本の扉をひらくワークショップ」についてご紹介します。このワークショップは、「病院建物の外観を絵本の表紙に見立てて、中に物語をかいて見たらどうか?」という病院の人の言葉を参考にして企画されました。絵本の中身は院内のエレベーターホールに描かれています。当院の特徴として、縦に長い建物なので、エレベーターの扉が開くたびに絵本をめくるように絵が見える仕組みになっています。

描く内容はもちろん職員と地域のみなさん(患者さん)とで考えました。何を描きたいか、沢山の医療スタッフと地域住民にヒアリングして、描いていきました。

実際1階から14階まで14フロアあるんですけれども、この新しい病院で働く人たちがメインとなってこのフロアの理念というか、想いはどういうものにして行きたいかというのを皆さんで話し合って頂きました。そして2回目のワークショップでは、スタッフが描いたデザインをベースに、さらにこうしたほうがいいんじゃないかと話し合いを行いました。

話し合いの結果は、実際にエレベータホールの中に全部反映されていて、扉ごとに絵本の内容が観れるという内容になっています。理念や歴史も描かれていきましたが、各フロアに専門があるので、「小児」とか「産婦人科」とか、フロア毎に特色がでました。

90%くらいはペイント業者さんに書いてもらい、最後に皆さん一筆入魂のような感じで少し筆を入れてもらって、愛着が湧くというか、「ここの病院で頑張ろう」というような気持ちをあげて行っていただくような仕掛けを考えました。

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例えば、緩和ケア病棟…
数週間でその痛みから解放されてお亡くなりになられる方が入られるところなんですけれども、「死」を「次への世界」と捉えているスタッフは、あっけらかんと「極楽浄土を描こうや!」と言います。その一方で、絶望的な悲しみを想い、「それは絶対あかん!」となんとしてもそれを止めさせようとするスタッフも。意見の交換を重ね、価値観の共有をし、それで最終的に、緩和ケア病棟はみなで「天の川」を描くということに落ち着いた。そういうストーリーもございました。

風の伝言プロジェクト

こちらは風の伝言プロジェクトといいまして、森合音というディレクターのもとで四国のこどもとおとなの医療センターで最初にやり始めたものを、この耳原総合病院でも引き継いでいこうということで、取り入れています。

病院で入院生活を送る、という選択肢のない状況の中で、患者さん自らに「選んで貰う」ということを大切にしたい、自分の部屋(病室)にお気に入りの作品を飾って欲しいという願いをこめたプロジェクトです。

プロの作家さんや芸大生などからは、額は共通なんですけれども、中のものをおひとり5点まで、1点8,000円で購入させていただきました。あとアマチュアの方には文化サロンで作られている様なものを寄贈していただく形でコレクションしました。

各病棟にこれらを飾って、「自分がこれ連れて行きたい」ということがあれば一緒に病室に持って行って飾ってもらいます。病棟が変わるごとに移動させていただいたりということもしています。

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地域の方や作った方との交流もあります。ただ、病院の中に飾っているので、作家さんが見たいと行っても、どこに飾っているかわからず、なかなか見られないということもあるのですが、それは病院ということで、すみませんが見られませんということを最初にお断りしています。

こちらは応募する時点で交わす契約書の文面です。作品の所有権は病院にあるということに、皆さんに納得していただいて応募してもらっています。著作者人格権に留意し、作品は改変しないということについても契約書に明記しております。

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第5条(その他)の内容なのですが、この作品をうちに連れて帰りたいという方も中にはいるんじゃないかということで、経費などを負担してこの作品を売ってもOKということを言明しております。

実際に、この1ヶ月ほど前に緩和病棟でお亡くなりになられたご家族が、ずっとそれを一緒に眺めていたからこの作品を譲っていただけないかというお話もありました。それ相応のお金で購入して頂きました。

うちの院長は、もっと高い値段で売ったらよかったのに(笑)とか、レンタルにしたらよかったのにとか、結構そういうことも言ってたんですけれども、私たちはそういう気持ちになっていただいたっていうのが本当に嬉しかったので、お売りさせていただきました。

以上が、病院が新しくオープンする前に行ったアートプロジェクトの話です。ここからは、開院してからの話をしたいと思います。

開院後にボトムアップ的に起こったアートプロジェクト

これは開院してからなんですが、「なんでうちの部署にはアートがないの?」とICUの看護婦さんから疑問が出ました。そこで殺風景だった壁に、後からアートを施しました。また、病状を説明されるシビアな部屋にもアートを施したりしています。

なぜアートを入れるのか?ではなく、なぜないのか?という問いが出たことは、私たちとしても本当にうれしく思いました。

他には、手術室ですね。手術室ホールは、最初は真っ白な壁だったんですけれども馬場千愛さんという方のデザインをベースに、「見守りの樹」と題した絵を描きました。

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その他にも、「マンマの会」という乳がん患者さんとサバイバーの方達とが一緒になって、プラバンという素材を用いて、いろんな形にして季節ごとに変えるというようなこともしています。

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寄贈受け入れ基準

このアートを使ってくださいと、大きな号数のアートの寄贈がたまにあります。今他の病院でも結構飾られていると思うんですけれども、それに関しても、耳原では一応基準を決めました。

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どこどこに飾ってくれ。という先方から展示方法に指定されるのではなく、私たちがセレクトして飾ります、としています。

著作権を侵害しないことはもちろんなのですが、鋭利目的でないということや、私どもでやっている「風の伝言プロジェクト」で指定しているA4サイズに入るもの、もしくは飾れる可能なものという規定をして、受け入れております。ただやはり大きいものなどは倉庫で眠っていることが多くて、大きい作品はなかなかちょっと厳しいところはあります。

絵画以外のホスピタルアートの展開

ホスピタルアートは絵画だけではなく、音楽も必要になってくると思いまして、京都精華大学でサウンドスケープなどを教えている小松正史先生に、機械音だったり点滴の音だったり病院から出る音の周波数や環境音を全部測ってもらって、そういうものから耳障りでない音楽を作っていただきました。

当初私たちはモンスターチャンネルという有線放送サービスを利用し、病院で楽曲をかけていたんですけれども、やはり病院に適した音楽があるだろうということで、今では小松先生の『Beside LIFE』をずっとリピートしています。そろそろ第2段を考えていただきたいなあと思っております。

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これまで、病院の理念を顕在化するものとして、ホスピタルアートを進めてきました。物語の継承だったり、理念を皆さんに可視化して行く。

最近では、アートによる業務改善とか医療安全にも取り組んでいます。

例えば、みなさんエレベーターを使いたがり、病院の階段稼働率が悪い。経費のコストのことがありますので、なるべくみんな階段を使って欲しい。そこで、階段に川柳を入れたり(事務長が考えた「健康は歩いてこない、だから歩いて行くんだよ」など)、リハビリ担当の職員と一緒に考えて、ストレッチに関する絵を入れたり、階段の利用率アップを目論んでいます。

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今は、リクエストをもらって階段で音楽をかけるようにしています。後で聞いたのですけれど、病院施設と福祉施設は音楽の著作権がかからないという風に聞いているので、一応JASRACに登録されている音楽を使うようにはしています。

また、この配膳車というのがかなり大きなもので、それを毎食毎食配るんですけれども、やはり壁の曲がり角でガンガンぶつけて、何十万と修理代がかかる。どうにかしてくれないかという依頼がありました。そこで、床にこういう魚のシールを入れて、上の配膳車に猫ちゃんを入れてそこで魚を食べて行ったらちゃんと曲がるんじゃないかというようなアイデアを出して、アートに展開したりしています。

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あと、リハビリ室では、医療法でコーナーをつけないといけないと決まっているらしく、そこにラインを入れて欲しいという要望がスタッフから入りました。以前に知り合いのデザイナー、鰺坂兼充さんから、作家、キタムラハルコさんを紹介していただき、「心臓くん」というキャラクターを作ってもらったことがあります。「心臓くん」は冊子になっているんですけれども、そのイラストをシールにして使いたいということで、イラスト使用料をキタムラハルコさんにお支払いして、使用させていただいています。私たちはこれを「心臓リハビリコーナー」と呼んでいます。

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また、患者さんへのよりよいケアをしていくためには、スタッフの意識を向上していかないといけない、というのがあると思うので、2019年11月に行われたアートミーツケア学会大会のエクスカーションでは、『木を植えた男』の朗読会をしました。

職員と地域の方と、みんなで一つの物語を上演するということで、みなで色々美術なども考えてやりました。『木を植えた男』の作者ジャン・ジオノの代理人や出版社に許可を得ないといけなかったのかなという話も後々出てきたんですが、その辺また教えていただければ。

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このようにホスピタルアートで取り上げるアートは造形作品だけでなく、音楽や朗読や演劇など多岐に渡っています。

また最近の話題なんですけれど、コロナに対するプロジェクトで、感染対策チームとアートセクションとでタグを組んで、チラシを作りました。他の病院でも使ってくださいと、利用OKしているんですけれども、一応連絡を一言入れてもらうようにしています。著作権的にいって、どこまでどんな風に広げて行っても大丈夫なのか、後でまたお聞きできたら。

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現在、コロナにかかっている疑いのある方が運ばれてきている事例もあります。そこで、他にコロナに関する取り組みとしては、面会規制もかかっていますので、患者さんに対してはもちろん、ER など最前線で対応するスタッフに対しても、このような空の写真を送ってもらうというプロジェクトを今やっています。

海外の方とか日本全国からメッセージと共に写真を送ってきてもらっています。新潟の方の病院からは、これを真似してやってもいいですか?と問い合わせも入りました。これは一つのアイデアなのでドンドンドンドン使ってくださいという風に私たちはしたいと思っているんですけれども。そういう部分で何か取り決めを決めておいたほうがいいのかなということを今ちょうど内部で話し合っております。

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今後の課題

当初私と室野はアーツプロジェクトからディレクションという依頼を受けてやっていたんですけれども、いまは直接病院から依頼を受けて社員やスタッフとして雇用されている状況なので、その辺り作ったものとか考えたものへの著作権はどうなるのかというのは、のちほどお聞きしたいと思っています。先ほど言っていたように、アイデアを他の病院さんが導入したいと言われた場合はどうすればいいのかということです。

また、今ちょうど、アドバンスケアプランニングといって人生の最後をどうするかという意思決定のことについてみなさんで勉強していただく絵本の企画に取り組んでいます。

その原作企画は病院職員が考えてやっていますが、アニメができる大学生にチームに入ってもらうんですけれども、その人が絵本を描くとなると、教材としてはOKだと思うんですが、絵本として頒布する場合は著作権はどうなるのかというところも、後ほどお聞かせいただきたいと思います。

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以上が虎頭加奈さんのトーク内容です。

その後のディスカッションの時間では、次のような意見が出ました。

美術マーケットがないと言われる日本においては、緩和ケアの部屋で過ごされた患者さんの方とそのご家族の方がそこに掲げていた絵画を買われているというのは、すごい不謹慎なのかもしれないけれどビジネスチャンスだなあと思いました
どうしても欲しいんです、と故人の思い出と一緒に保管されるのであれば、下手に美術館に入るよりも、もしかしたら生きた形で続く理想的なマーケットになるのではないかと思いました

この意見に対して、虎頭さんは次のように応答されました。

そういうものをパッケージじゃないですけれど、一つのやり方として日本に広めていけたらいいんじゃないか、ということで私たちも風の伝言プロジェクトを今、広げています。もしご興味がありましたらぜひご連絡をいただけたらと。一部精神障害を持った方の作品を入れたり、障害を持った方の作品も入れていますので、ぜひまた日本全国で使っていただけたらなと思います。

ホスピタルアートのこれからの展開がますます期待されます。

虎頭さん、貴重なお話をどうもありがとうございました!


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