お盆休みのための、キャリアを振り返る5つの質問



お盆の連休。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。少しゆっくりできるなら、自身のキャリアを振り返る機会にしてもいいかもしれません。

今回のnoteでは、そんな振り返りに役立つ、いくつかの"質問"をご紹介します。

ただし、内省を進めるためには環境のセットも大事です。
まずは、いつもと少し違う環境で、携帯の電源を落として、心の声に耳をすましてみてはいかがでしょうか。

1. 自身のエネルギーの源泉を知る

さて、最初のセッションはあなたの日々のエネルギーの源泉を知ることです。そこで「リソーシング」と呼ばれる方法をご紹介します。

心を整えて、目をつぶって。そして、自身に問いかけてみましょう。
「あなたが、安心したり、つながりを感じたり、愛を感じたり、力強さを感じることを思い浮かべてみてください」

さて、どんな風景や瞬間が浮かんだでしょうか?
私は河原のほとりで、早朝ボーっとしている景色や、家族との絵が浮かんできました。
浮かんできたものによっては、心に生じる反応も異なるかもしれません。温もりを感じたり、心が澄んで落ち着いたり。
それがまさに、あなたのエネルギーの"リソース"となっているものです。

言い換えれば、それがあなたが人生のなかで大切にしたい、しなくてはならないものです。もし、それが"仕事のせいで"という理由で虐げられているならば、それは危険かもしれません。

より詳しく知りたい方は、下記のジェレミー・ハンター氏の記事をどうぞ。


2. 自身の好き嫌いを知る

さて、エネルギーの源泉を知ったなら、次に知るべきは「あなたの好き嫌い」です。ただ、何が好きですか?と言われても困ってしまうかもしれません。
では、こういう質問に変えてみてはどうでしょうか?

「やってくださいと言われてもいないのに、勝手に進めている仕事はなんですか」
「締切も近く、やるべきなのに、手をつけられずにいる仕事はなんですか」

それが、きっとあなたの好きな仕事と嫌いな仕事なハズです。
もちろん仕事ですから、やりたくないからといって、やらない訳にもいかないでしょう。ただ、自身のなかで「やりたい仕事」と「やるべき仕事」という好みを理解していることは大切です。

この半年間くらいのカレンダーやタスク管理ツールから、過去半年くらいのスケジュールを印刷してみましょう。
そして、「やりたい仕事」→赤、「やるべき仕事」→青というように色分けしてみると、きっとあなたの好き嫌いが分かります。

3. 自身のルーツを知る

"いま"の自身の価値観=好き嫌いが分かったならば、つぎはそのルーツを探ってみましょう。
方法は簡単です。自身の最初の記憶から、いままでの出来事、その時の感情をひたすらに書き出してみましょう。
大切なポイントは、人と違う行動パターンを示したタイミングです。
あなたが地元の有名進学校の出身なら、有名大学を目指したのは、あなたの意志ではなく周りの影響が大きいからかもしれません。
ですが、あなたがそこで、有名大学を選ばずに就職したり、その他大勢とは異なる選択をしたならば、それはあなたの価値基準です。

そういった価値基準をつなぎ合わせていくと、あなたの人格が見えてくるはずです。そうしたら、その価値観がどのように形成されたのか、その背景やルーツを探ってみてはどうでしょうか。
せっかくのお盆ですから、家族やご先祖様まで遡ってみたらいいでしょう。

あなたの祖父母や、曽祖父母は、どのような方だったでしょうか。
そのようなご先祖のもとで、あなたの両親はどのように育ったのでしょうか。きっとあなたにも何かしらの影響があるはずです。

自分の家族や、環境から、いかにいまの自分が形成されたのか、そういった話を家族とするのも楽しいかもしれません(私も一度やったことがありますが、それはそれは驚きの連続でした)。


4. キャリアコンピテンシーをセルフチェックする

過去の話をしたならば、未来の話もしましょう。
「人生100年時代」、「リカレント教育」、どのような呼び方でもいいですが、つまりは自身で自身のキャリアをマネジメントしていく力が求められています。
自主的・自律的にキャリアを考え、行動に移していく力「キャリアコンピテンシー」を高めていくためには、日々の取り組みが重要です。

下記は、自身の「キャリアコンピテンシー」をセルフチェックするためのチェック項目です。チェックがつかない項目があれば、それは新しく取り組んだほうがいいことかもしれません。

1.自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる
2.社会の変化、ビジネス動向について、自分なりの見解を持っている
3.部署・チームを越えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている
4.いままでの延長線上のやり方ではなく、常に自分なりの発想で取り組んでいる
5.自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している
6.新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる
7.自分のネットワークを構築する個々人が、どんなニーズを持っているかを把握し、それに応えようとしている
8.自分の問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている
9.今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクションプランを持っている
10.スキル・能力開発のための自己投資をしている

『人が育つ会社をつくる キャリア創造のマネジメント』/高橋 俊介著より

下記の高橋 俊介氏の資料も参考になります。
『変化の時代のキャリア自律とリカレント教育』
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/pdf/002_03_00.pdf

5. 未来への期待値を言葉にする

今後、取り組むべきことがクリアになったなら、それを言葉にして、自身に宣言してみましょう。
ドラッカーは著書『プロフェッショナルの条件』のなかで、こう述べています。

「強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書き留めておく。9か月後、一年後に、その期待と実際の結果を照合する。私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている」

もちろん、期待された成果、結果には、将来つながっていないかもしれません。ただ、言葉として懐においておくだけでも、そこからの気付きや自己理解はあるはずです。そういったサイクルを自律的に回していくことが大切です。
半年後、2020年のはじまりを、みなさんはどのように迎えているでしょうか。

今年のお盆が、みなさまのキャリアにとって、良い機会でありますように。夏休みをとりそこねた青山一丁目のオフィスより。

(p.s.以前に書いた下記の記事もタイトルが俗っぽいですが、キャリアの振り返りについて書いた内容なので、ご興味ございましたらご参考までに)


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