見出し画像

【2月の限定コーヒー】顔の見えるコーヒーが世界を救う?

巷で顔の見える野菜を見かける機会は増えてきましたが、「顔の見えるコーヒー」はまだまだ珍しいですよね。

単にコーヒー生産者の顔が店頭に立ち並べばいいというわけではありません。海をわたり遠く離れた場所で生産されるコーヒーのストーリーは、生産者と焙煎士(ロースター)がタッグを組むことで初めて消費者の手に届けることができると思います。

それでは、私たちが定期便でお届けしているコーヒー豆はどんなストーリーを辿ってきているのか?これから毎月ロースターへのインタビューを通してお伝えしていきます。
初回となる2月は、東大阪・新石切にあるPuente Coffeeオーナー・田中清高さんにお話を伺いました。

画像1

田中清高 | Puente Coffee オーナー
システムエンジニア職をやめ、コーヒー業界へ。2年半の修行期間を経て、2013年にPuente Coffeeを開業。生産者との関係性を大切にし、毎年中南米の生産国に訪れるようにしている。東大阪出身。


コーヒー業界に入られたきっかけは?


コーヒーは小学生の頃から好きでしたが、より関心を持つようになったのは、2000年代初頭のこと。スターバックスが大阪に増え始めた時でした。偶然インターン先の企業の近くにあったスターバックスに通い始めたんですが、接客レベルが高くて「サードプレイス」という言葉も頻繁に使われるようになって、コーヒー屋が地域に貢献しているという感覚を今でも覚えています。

インターネット黎明期でIT業界の可能性に惹かれ、システムエンジニアの職についたんですが、その頃にはコーヒーの世界にどっぷりはまっていて。時間をみつけては、コーヒーのセミナーを受けたり、富士珈機さんで焙煎機を触らせてもらったりしてました。わりとややこしい側のコーヒーマニアだったと思います。笑

30歳になる頃にはコーヒーを仕事にすることを考え始めていました。ただ業界を経験せずに始めるのは無謀だと感じ、自家焙煎そして現地への買付を行っているお店を探しました。そして、運良く見習いとして働かさせてもらえる地元のお店が見つかり、2年の修行期間を経て、2013年にPuente Coffeeを開業したんです。

画像2

東大阪・新石切駅から徒歩5分の場所にあるPuente Coffeeでは、常時30種類以上のコーヒー豆が取り揃えられています。



本当の意味でのダイレクトトレードをしたい。


家庭菜園にもハマっていたことがあるのですが、農作物としてのコーヒーに対する思いも強くて、コーヒー生産者に敬意をもっています。現地との繋がりを大切にするため、修行中にブラジルとコロンビアの農園に訪問して以来、コロナ前まで毎年中南米の国々を訪れていました。

ただ、開業当初はお店に体力もなかったので、他のお店とのグループで共同仕入を行うことが多かったんです。現地での買付も商社を挟んでいるし、自分が生産者と直接お金の話をするわけでもないので、本当の意味で「ダイレクト」トレードじゃないよなと感じていました。

そんな中、2020年にめぐり合わせがありました。
2015年に出会って以来スペイン語の勉強も兼ねてよくコンタクトをとっていたコスタリカの生産者の息子が、小規模でコーヒー栽培を始めたと突然連絡してきたんです!サンプルを送ってもらったら普通に美味しい。輸送の相積みをさせてもらえる繋がりもあり、初めて「ダイレクトトレード」を行うことができました。

IMG_0641のコピー


あ、でもカルロス(GOOD COFFEE FARMS代表)の豆を取り扱い始めた方が早いですよ。笑 GOOD COFFEE FARMSさんの産地情報はとても充実していて、これまで私がどのコーヒーの輸入会社にリクエストしても出てこなかった細かなデータが揃っています。ダイレクトトレードならでは、です。

カルロスとの出会いは、2016年でした。当時通っていたスペイン語レッスンの先生を通じてということで、こちらも運命的。当時はGOOD COFFEE FARMSのプロジェクトが始まる前でしたが、4年の年月を経て、カルロスがラス・ブリサス農園のコーヒーを日本に持ってきました。



ラス・ブリサス農園のコーヒー、どんな味なんですか?


爽やかな酸の印象に、余韻の甘味の残り方が特徴的ですよね。自転車で水を使わない脱穀をしているドライ・ウオッシュド製法ならではの味わいだと思います。嫌味なく飲むことができるから、お客さんにも一番人気。

Puente Coffeeでは、全体として酸味を抑えめに甘味を重視した焙煎を意識しています。ラス・ブリサス農園のコーヒーは3つの焙煎度合いで販売していて、今回定期便でお届けするものはお店では一番浅い焙煎。気分転換したい時にちょうどいい1杯なので、電源をオフしてリラックスしたい時にぜひ飲んでほしいです。

IMG_3707 (2)のコピー



今後GOOD COFFEE FARMSに何を期待しますか?


プロジェクト自体をずっと継続してもらうことに意味があると思っています。Puente Coffeeは、イサイアスさん達がつくるラス・ブリサス農園のいちロットを毎年全量買っています。
農作物なので品質が一定というわけにはいきませんが、彼らがつくるコーヒーだから買う、そんな顔の見える関係性を大切にしています。
お互いが死ぬまでこの関係を続けていきたいですね!

毎月限定コーヒー豆が届く定期便の詳細は、以下のリンクから。
生産者から焙煎士へとバトンが繋がり、あなたのお手元に届きます。

▶今月のコーヒー豆◀
農園: ラス・ブリサス農園
オーナー:イサイアス・モラレス
地域:ヌエボオリエンテ地区ハラパ県
標高:1,750m〜1,850m
品種:パチェ100%
精製:ドライウオッシュド
焙煎:中煎り
風味:青りんご、キャラメル


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?