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仕事なんて嫌いだ

仕事という文字列を見ただけで虫唾が走るくらいに仕事が嫌いだ。
「しごと」という音から、「やらなきゃならないこと」みたいな響きを感じて、偉そうに指図するんじゃねえ!という気持ちになる。

だけど、偉そうに指図されたことに歯向かうための力が僕にはない。
せいぜいが友人に愚痴ったりSNSに吐き出すくらいのものだ。
大多数の人間がそうだろう。

やめたくてもやめられない。
今の仕事をやめて次の仕事をやろうにも、同じようにまた偉そうに指図されるだけであるし、そもそも次の仕事に就けるかなんて誰も分からない。
そんな風に飼いならされて、今の状況にあんまり疑問を感じなくなり、だんだんと死んだように働くようになるんだ。

仕事をしている時間が酷く辛いから、自分の本体の意識を少し遠くに飛ばしておいて、違う人格をインストールする。
その便利な自分に辛い仕事をこなしてもらうのだけれど、自分の本体も眠っているわけではないから、じわじわと負荷がかかってくる。
そうして1日働いて本体の意識を取り戻すと、1日分の疲労やストレスがどっと襲ってくる。

場合によっては死にたいなんて思っちゃったりして、少し泣いちゃったりして。
どんよりと暗い顔を電車の窓に反射させて、またまた死んだようにゆらゆら突っ立っていることしかできなくなる。
あー、なんであんなこと言ったんだろうとか、あの人のあの言葉は嫌みだったんだろうかとか、後ろ向きな思考が頭の中をぶんぶん飛び回ってすごく五月蠅い。

でも、そんな中で働く自分偉い!なんてあほみたいな気持ちにはならない。
ただしんどくて、何故こんなつらいことに人生の大半を費やさないといけないのだろうと、イライラするだけだ。

仕事中はずっと無気力で、仕事のなすがまま、嫌なのに逆らうことなく、感情を殺して淡々と決まったことを繰り返す。
やりたくないのに。酷い目に遭っていると声を上げたいけど、上げられない。
そんなことを言ったら、自分が周りに責められてしまいそうだから。
僕は仕事にレイプされているのだ。
最近はそう思うようになった。


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