生成AIと学ぶPython6: Pythonの型(辞書型)

Pythonの辞書型は、非常によく使います。

今回は、辞書型について説明します。

辞書(Dict)の作成方法

まずは、辞書の作成方法について説明します。
辞書を使う場合には、{}やdictを使います。

1.波括弧({})を使った作成

最も一般的な方法は、波括弧を使ってキーと値のペアを定義します。キーと値はコロン(:)で区切り、各ペアはカンマ(,)で区切ります。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}

2.dict()関数を使った作成

dict()関数を使って、キーと値のペアを引数として渡すことで辞書型を作成できます。

my_dict = dict(key1='value1', key2='value2', key3='value3')

3.キーと値のリストから作成


キーのリストと値のリストを用意し、zip()関数を使ってそれらを組み合わせ、dict()関数に渡して辞書型を作成できます。

keys = ['key1', 'key2', 'key3']
values = ['value1', 'value2', 'value3']
my_dict = dict(zip(keys, values))

辞書の基本的な処理方法

1.辞書型の要素の追加

辞書型に新しい要素を追加するには、新しいキーを指定して値を代入します。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}
my_dict['key3'] = 'value3'

2.辞書型の要素の取得

辞書型から要素を取得するには、キーを指定して値を参照します。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
value1 = my_dict['key1']

上のやり方では存在しないキーを指定した場合、エラーが発生します。get()メソッドを使って、エラーを回避できます。

value = my_dict.get('key1', 'default_value')

もし、指定したキー(上の場合key1)が存在しなかった場合、default_valueが返される。

3.辞書型の要素の更新

辞書型の要素を更新するには、既存のキーを指定します。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
my_dict['key1'] = 'new_value1'

4.辞書型の要素の削除

del文を使って指定したキーの要素を削除します。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
del my_dict['key1']

pop()メソッドを使って、指定したキーの要素を削除し、削除した値を取得できます。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
removed_value = my_dict.pop('key1')

辞書型のメソッド一覧

1.keys

辞書型の全てのキーを取得するメソッドです。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
keys = my_dict.keys()

2.values

辞書型の全ての値を取得するメソッドです。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
values = my_dict.values()

3.items

辞書型の全てのキーと値のペアを取得するメソッドです。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
items = my_dict.items()

4.get

指定したキーの値を取得するメソッドです。キーが存在しない場合、第2引数に指定したデフォルト値を返します。(指定しない場合はNoneが返される)


my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
value = my_dict.get('key4', 'default_value')

5.update

他の辞書型の要素を現在の辞書型に追加・更新するメソッドです。

my_dict1 = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}
my_dict2 = {'key2': 'new_value2', 'key3': 'value3'}
my_dict1.update(my_dict2)


6.pop

指定したキーの要素を削除し、削除した値を返すメソッドです。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
removed_value = my_dict.pop('key1')

7.popitem

辞書型から最後の要素を削除し、削除したキーと値のペアをタプルで返すメソッドです。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
removed_item = my_dict.popitem()

8.clear

辞書型の全ての要素を削除して、空の辞書型にするメソッドです。これを使用すると、辞書内のキーと値のペアがすべて削除されます。

my_dict = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2', 'key3': 'value3'}
my_dict.clear()

辞書型の内包表記

簡潔かつ効率的に辞書型を生成する方法です。辞書型の内包表記では、波括弧({})の中にキーと値のペアを生成する式を記述します。これにより、繰り返しや条件付きの処理を行いながら辞書型を作成できます。

基本的な構文:

{key_expression: value_expression for item in iterable}

リストから辞書型を生成

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squares = {number: number**2 for number in numbers}

条件付き辞書型の生成

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
even_squares = {number: number**2 for number in numbers if number % 2 == 0}

この例では、numbersリストの偶数要素のみをキーとし、その二乗を値とする辞書型を生成しています。

辞書型の重要性

辞書型はPythonプログラミングにおいて非常に重要なデータ構造であり、以下の理由から広く利用されています。

  1. 高速なデータアクセス: 辞書型はキーを使って値に高速にアクセスできるデータ構造です。内部的にハッシュテーブルを使用しており、検索、追加、更新、削除などの操作が平均的にO(1)の時間複雑度で実行できます。

  2. キーと値のペア: 辞書型はキーと値のペアを保持するため、関連するデータを簡単に管理できます。これにより、データベースのような構造を簡単に作成できます。

  3. 柔軟性: 辞書型は異なる型のキーと値を保持できるため、非常に柔軟です。これにより、様々なデータを簡単に扱うことができます。

  4. 順序の保持: Python 3.7以降、辞書型は挿入順序を保持します。これにより、要素を追加した順序で辞書型をイテレートすることができます。

  5. 広範な用途: 辞書型はデータ検索、データのグルーピング、カウント、キャッシュなど、多くの用途で利用できます。これにより、コードの簡潔性と効率性が向上します。

ただし、辞書型はメモリ使用量が比較的高いため、大量のデータを扱う際は注意が必要です。また、キーはハッシュ可能なオブジェクトである必要があります。

以上、今回は辞書型について説明しました。

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