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歴史の継続性にみる日本の真実


8月ジャーナリズムが戦争をもたらす


79年前の8月、原爆が2発投下され第2次世界大戦は終結しました。
8月は毎年、テレビで戦争や原爆をテーマにした終戦特番が組まれます。
戦争の記憶を風化させず反省して、二度と戦争を起こさないようにとの主旨ですが、8月ジャーナリズムに熱心なのは反日左翼系のメディアです。
そこには反戦、反核、反日、反米のイデオロギーが厳然としてあり、国民の国防意識を弱め防衛力を低下させたいという明確な目的があります。
現在の日本が他国に対して戦争を始めることを心配する人は皆無でしょう。
心配なのは戦争を仕掛けられたり、他国間の戦争に巻き込まれる事態です。
戦争にはいくつもの要因がありますが、ロシアのウクライナ侵攻のように、国家間に緊張がある地域でパワーバランスが崩れている時は、いつ戦争が起きてもおかしくありません。
周辺に核保有国が複数存在し、その軍事力が増大している中で、核保有の議論をタブー視したり、国防意識や防衛力を抑えることは戦争を誘発する自殺行為となってしまいます。
この道理を理解できない人は、たぶんケンカをした経験がないのだと思います。

7世紀の白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗を喫した日本は、歴史上初めて外国からの大規模な侵攻の危機に直面しました。
当時世界最大の帝国であった唐の来襲に備える必要が生じたのです。
九州北部から都のある畿内に通じる瀬戸内海沿岸に水城(砦)を築き、全国から防人が動員されました。
幸い唐は内憂と新羅の反抗により、日本に侵攻する余裕はありませんでした。
それから数十年後に太宰府長官・大伴旅人邸で開かれた“梅花の宴”は、唐来襲の危機が去ったことを祝した宴であり、その時詠まれた歌は万葉集に収録されました。
その序文から“令”と“和”の字をいただいたのが、“令和”の年号。
13世紀に総勢20万人、世界史上最大規模の艦隊が来襲した元寇に際しては、7世紀の水城が役立ち、鎌倉武士の活躍はモンゴル軍(兵は高麗軍、南宋軍)の本土上陸を阻み、文永の役(第1次元寇)における半日だけにとどめました。
上陸できず海上に足止めされていた艦隊に台風が直撃し、壊滅、撤退したのです。
16世紀、日本の銀(当時世界の3分の1を産出)を狙い植民地化を企てた太陽の沈まない国・スペインは、戦国時代に世界全体の半数を製造していた鉄砲と戦国侍の威容の前では無力でした。
19世紀の幕末にやってきた欧米列強の前にも45万人の二本差しの侍が立ちはだかります。
西洋諸国は艦砲射撃で都市部に多大な損害を与えることはできても、上陸後に被る莫大な犠牲を考慮し、武力侵攻を諦めざるを得ませんでした。
日本は幾度も、当代の世界最大の侵略勢力による国家存亡の危機を軍事力によってはね返してきました

来年は戦後80年目となり、8月ジャーナリズムは例年以上のヒートアップが予想されますが、それはたいへん危険なことです。
終戦の80年前は幕末の動乱期でした。
日本の周辺が騒がしくなる歴史の繰り返しの時代に、これ以上の不毛なお詫びや反省は危険行為として退け、改めて開国するような未来志向の心構えで臨みたいものです。

今の価値観で過去を検証するなら歴史は消え去る

今から5年前、NYタイムズ社はNYタイムズ・マガジンに『1619プロジェクト』という特集記事を掲載しました。
アメリカの建国は1776年ではなく1619年というメッセージ。
1619年8月、最初のアフリカ人奴隷が北米大陸に連れて来られてから400年後に合わせた2019年8月の特別号で、“アメリカは建国時からの奴隷制度国家”という主張です。
その後高校の歴史授業の副読本としても採用されましたが、奴隷制は過去数千年間存続してきた史実があり、あまりにも歴史を歪曲していると問題になったのです。
それ以前から、建国の父たちの銅像や記念碑が撤去されるという問題が頻発しました。
ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンはじめ奴隷を所有していた12名の歴代大統領、奴隷制存続を主張した南軍のロバート・E・リー将軍(本人は合衆国からの南部州脱退に反対だった)らが標的にされたのです。
南部が舞台で人種差別を肯定しているとされた『風と共に去りぬ』も一時配信が停止されました。
現在の視点で歴史を否定し、歴史上の人物を断罪することは滑稽ですらあります。
タイムマシンで江戸時代に行き、侍を銃刀法違反で捕まえるようなものです。

日本の歴史教育は有史以前から古代、中世、近世、近代、現代と時系列で教えます。
儒教文化圏(中国、朝鮮半島等)では易姓革命思想が歴史観に強く影響し、現在から過去に向かって歴史を遡ります。
現在の政権を正当化する為、過去の歴史を意義づけるのが儒教国における歴史教育です。
日本と中国、韓国の間で歴史観の不一致が生じるのはそのためでしょう。
上記のアメリカの社会現象を支持するBLM(ブラックライブズマター)運動の3人の設立者は自らマルキストであることを公言しています。
『1619プロジェクト』の真の目的は“アメリカ建国の理念”の権威の失墜にあり、伝統的価値観を破壊しアメリカを社会主義化することにあります。
共産主義思想と易姓革命思想に共通する考え方は、真実よりもイデオロギーを優先する歴史観です。
そのために歴史が継続せず、ブツブツ分断されてしまうのです。

日本人が先祖に手を合わせ子孫の繁栄を願うのは、歴史の“継続性”を大切にするからに他なりません。
名古屋城天守閣の復元事業は予定通り進んでいませんが、そもそもこの計画が立案可能なのは、400年前の築城時に竹中工務店創業者の竹中藤兵衛が関わっていて図面が残っているからです。
創業100年以上の老舗企業が日本に3万7千社以上あり、これは世界中の老舗の過半数を占めています。
創業200年以上でも3千社以上で世界の6割近く。
創業1000年以上が9社もあり、最古企業ベスト5は全て日本の企業です。
個人、家族、親族、社会、企業、組織、民族、国家、文明、どのレベルにおいても“継続性”を無視することは本質を見失うことになってしまいます。
明治近代化の過程で帝国主義政策ではなく、平和的政策ができなかったかという意見がありますが、答えはNO!
この国の未来を託された当時の為政者には、そんな呑気な考えを採用する余裕はありませんでした。
象牙の塔にこもって、現在の価値観で過去の歴史を検証するのは愚かなことです。
幕末・開国時、アジアの国々が欧米列強の植民地になっていく中、日本の行く道は植民地になるか、植民地を持つ帝国になるかの二者択一でした。
日本が外国に侵略され、日本人が奴隷にされるかもしれない切迫した事態に直面した維新の元勲たちが帝国としての道を歩む決断をしたことに、私は心から感謝します。
その後の激動する世界情勢の中で日本も植民地を持つことになりますが、それは欧米の植民地政策のようなコロニーではなく、インフラや衛生、教育環境等を整備する社会事業的な統治であり、日本の領土として本土と同じように扱いました。

1945年8月15日を境に、日本は戦前、戦中と戦後のつながりを分断してしまいました。
そのため、昭和以降の日本人は本来の日本人らしさを失ってしまったように感じます。
これからの時代は過去の歴史を修繕し、新たな誇り高い歴史を築いていきたいですね。

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