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今日のニュースいろいろ

1. 安倍元首相殺害

参院選投票日まであと2日となる今日。このような事があった。「言論を暴力で封じるようなことはあってはならない」と政治家関連各所から。その通りである。あってはならない。

一方で、

彼らは言う。「言論を暴力で封殺する行為は、民主主義に対する挑戦であり」・・・

これは民主主義への挑戦なのだろうか? そうは思わない。彼らはかなり根深いところで勘違いしているのではないだろうか。因果関係がひっくりかえっている。

民主主義は絶対的な善ではない。人権を守り生活を豊かにし国を統治したいと願うなかで、必要悪を内在したギリギリ許容できる苦肉の方策でしかない。大切に守り育てていかなくては、すぐにでも崩れさってしまう繊細なものである。その繊細なバランスは簡単に崩れ、時には今回のような力による言論封殺が必然的に起きる仕組みになっている。今回の事件は"民主主義"が機能不全へ傾いているのを示すシグナルである。

しかし、先のコメントを見るに、彼らからは、「自らは"民主主義"とよばれる"神"の側に無批判で立っていれる」というような、そんな傲慢さが滲み出る。ただ単に選挙で選ばれたことだけで。制度の上で選ばれたというだけのことで。

政治家とはそもそもに民主主義を守り育てることを業として委託された者たちである。しかしながら、彼ら自身が"民主主義"という名前を利用しその後光を搾取乱用して民主主義を疲弊させてきた。その結果、現在の民主主義が脅かされている、というのが本当のところの因果関係であると思う。彼ら自身が民主主義に挑戦し、小さな勝利を重ねながらそれを無意味なものへと作り変えてきたのである。

2. 山口敬之氏の性加害が確定

そして今日、もう一つ大切な、もしかしたら先の記事よりも大切かもしれない報道があった。ここで確認したいのは、民事裁判で司法が性的被害を認める一方で、当時の東京地方検察庁は嫌疑不十分で山口敬之氏を不起訴、その後の検察審査会も不起訴が相当だと議決しているという事実。

この国では性的被害を与えたとしても上手くやれば起訴されない。そういう事なのであろうか。検察に起訴するかしないかの判断を任せているわけだが、検察の判断が正当公正に行われてきたのか強い疑義が生じる。森かけ桜。ずいぶん前から検察の正当性を監視し維持する機能が壊れていたと言わざるをえない。検察もまた民主主義を荒廃させている重要な役者の一人である。

3. 無敵の人

今日のニュースに関するさまざまな社会の問題は、もうすでに十分な指摘がなされてきている。なので、私なんかが、ここで、わざわざ下手な文章を晒すようなものでもない。それでも、どうしても下手でも発信したくなるときがあるのだと思った。

が、しかし、上のリンクの文章を読まれるほうが何倍もためになる。

「・・・そろそろ、蔑ろにされた人々に向き合うべきかと」

よみ人しらず


また、本当に本人の言葉かどうか調べられなかったが、三島由紀夫の言葉(と言われるもの)から

私は民主主義と暗殺はつきもので、共産主義と粛清はつきものだと思っております。共産主義の粛清のほうが数が多いだけ、始末が悪い。たとえば暗殺が全然なかったら、政治家はどんなに不真面目になるか、殺される心配がなかったら、いくらでも嘘がつける。-- 三島由紀夫

よみ人しらず

今、政治家が言うべき言葉は、「今回の事件は、私たちがあずかり育ててきた民主主義の敗北を意味します」である。二日後、そういう事の言える人に私は投票する。


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