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10月22日

22日退院の日。
お昼過ぎに夫が迎えに来てくれた。
無性に早く帰りたくて、予定を繰り上げて無理に来てもらった。
まあ、元気になった証拠だなあ、と思う。
何が嫌、ってマットレスが柔らかくて・・・
床ずれ防止のいいマットレスだったらしいのだが・・・・
そして、枕。
蕎麦殻枕なのだ。
なぜ?
なぜ蕎麦殻なの??

最後のお昼ご飯を食べた後、帰る準備をする。
久しぶりにメイクをする。
何だか変な感じだ。
最後の担当の看護師さんと一緒に同室だったUさんも見送りに来てくれた。
「寂しいいわあ」
と言ってくれて私も悲しくなる。
一瞬だけど、こういう縁があって良かったと思う。
私もUさんが元気になって退院する姿が見たかったなあ。
ちょっと泣きそうだったが、
「え!ご主人来てみえるの?見たいわ」
「ナースステーションまでは来てるみたいだから一緒に行こう!」

という事で見送りに来てくれた。
他人の旦那さんって興味あるんだよね。
女性だけかなあ。
そんなわけで何だかんだで笑顔でお別れ。
大部屋での入院生活は同室の人でずいぶん快適さは変わると思う。
私の場合はラッキーだった。
ストレスどころか話し相手がいて、楽しかったし、ついでに帯状疱疹の知識を得るる事もできた。
短い入院前生活だったけど、良い体験ができたと思う。
久しぶりに外へ出る。
空気が美味しかった。


この日はそのまま夫が行きたかった近くのお寺へ参拝に。
病み上がりの私を連れてだ。
せっかくここまで来たのなら、と。
普通の退院コースではないかもしれないが、私も久々に外を歩きたかったので、無理しない程度で楽しんだ。
紅葉にはちょっと早い季節だったが、外の空気は入院前よりも冷たくなっていた。

そういえば、ここまで私は痛みについてはほとんど書いてこなかった。
とここまで書いていて気がついた。
まだ「痛みの記憶」は消えていなかったが、痛みは消えていたのだ。
それよりも頭痛や発熱、耳の不調の方が気になっていた。

この時はとても嬉しかった。
すぐになくなったわけではなかったが、痛みのない世界がずっと続くかもしれない、と明るい未来が見えていた。

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