
【実践】アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(要約あり)
2019年3月にアクティブ・ブック・ダイアローグ®の認定ファシリテーター講座を受け、一応は認定の名のもとに月に2回くらいのペースで開催をしてきました。
2019年の総決算として満を持して、『ティール組織』での実施です。話題性、時流、ボリュームと揃い踏みのラスボスですね…
認定講座の際には、解説を書いている嘉村賢州さんの座学もあり、懇親会では直にいろいろとお話を聞く機会もありました。ただ、私自身がまだこうした組織の可能性について考える意識に至っていなかったので、突っ込んだお話ができず、もったいなかったなと振り返る、そんな機会になりました。
今回もABDを終えた後に、FBアンケートを行っています。本書は83%が購入意欲があるという結果になりました。実施したアンケートの集計は別途公開していきたいなと思っています。
※アンケート回収率は66%(9人中6人から回収※私を除く)
※アンケートの実施は開催から14日後
●設計書
ティール組織はABD界隈では取り上げられる機会が多いので色々と情報を集めたところ、とにかく時間がかかるということだけは分かりました…(^_^;)
過去に私が実施したどのABDよりも分厚く、内容の難易度も若干高め。参加人数が多ければプレゼンが間延びするし、コサマライズとプレゼンを2回転しても今までの3時間ではダイアログを含めるととても収まらないので、今回は5時間で設定。いったん、タイムスケジュールを引きましたが、ワークショップとダイアログの時間に流動性をもたせました。
●事前準備
参加人数は前日に10人に。単純に全ページを人数で割ると平均50ページ近いので、2回にわけ、複数(3箇所)のパートを事前にサマライズ。あまり長いページと時間だと集中力が減るし、なにより制限枚数にまとめるのがつらい&中身が薄くなるので、適量はあるかと思います。
●オープニング
これまでのフィードバックアンケートから、この手の慣れない組織論や理論のABDをするときは、読みやすいように(というかまとめやすいように)事前にある程度のインプットがあると良さそうだと判断しました。ティール組織では、組織の進化の歴史、3つの要素について概要を説明しました。
●コサマライズ・リレープレゼン
コサマライズとプレゼンは、今回も前半(第1部)と後半(第2,3部)と2回に分けて行いました。3回も視野にとは思いましたが、だれる可能性と時間の浪費を考慮しました。
今回、1周目の第1部は2グループに分け、テーブルで紙芝居でプレゼンしてもらいました。分けすぎると中途半端になるのと、少人数のほうが人は集中します。
↓壮観ですね!↓
●ギャラリーウォーク
1周目ではギャラリーウォークはなし。グループでの振り返りを差し込みました。2周目はソロでとギャラリーウォーク。シールを貼ってもらう形。これはABDが終わったあと、みんながどこに注目してたのかわかるので便利。
※ピンク→わからないところ
※青→納得、共感できるところ
●ダイアローグ
ダイアローグというか、もはやワークショップですが…(^_^;) レゴを使いました。ただ、時間が押してしまったのと、レゴにかかる時間配分をかなり見誤ってしまったので随分と中途半端になってしまいました。
「存在目的」「自主経営」「全体性」をブロックで表現し、なぜその形にしたのかなどを語ってもらいました。それを踏まえてグループで1つの作品を作ってもらおうと思ったのですが割愛。
レゴのあとは別途、用意していた「問い」をベースに、対話を進めてもらいました。
という形で、あっという間の5時間でした!さらに!まだ終わりません。
当社オリコンのある六本木には、ティール組織で運営される水餃子屋が存在します。その名も「餃包」。2019年にABDをともにやってきたメンバーで、ここで忘年会を行いました!
●リフレクション
いつものようにスライドはPDFで共有。
このABDの開催日から約2週間、断続的に振り返りと関連ニュースなどを私のほうでアップ。ここのフォローアップはやはり一方的なので、インタラクティブさを加えていきたいですね。
●ABDサマリ
【第2部 第1章】三つの突破口(ブレイクスルー)と比喩(メタファー)
達成型は機械、多元型は家族がメタファ。進化型は進化に向けて知恵を働かせて生態系を維持する「生命体」がメタファ。
過去の組織モデルはパラダイムに基づき進化してきた。進化型では、「自主経営」「全体性」「存在目的」の3つの突破口かある。
【第2部 第2章】自主経営/組織構造
ティール組織では、一人一人に意思決定権がある。権限は委譲するものではなく、一人一人に権利がある。
【第2部 第3章】自主経営/プロセス
意思決定は勝手にするわけではなく、組織のなかの誰かに相談する助言プロセスを経る。また、全ての情報が全員に公開されている。
【第2部 第4章】全体性を取り戻すための努力/一般的な慣行
誰もが自分らしく働ける環境を促される。そのために、人はみんな平等で尊い存在であることなどが当たり前の、安心できる職場が前提となる。
【第2部 第5章】全体性を取り戻すための努力/人事プロセス
採用・研修では、スキルよりも自主経営に向いてることや会社の価値・目的を共有することが重視される。フィードバックは管理職ではなく、一緒に働く仲間によって行われる。
【第2部 第6章】存在目的に耳を傾ける
ティール組織では、達成型のように競争や生き残りへの執着はなく、自社の存在目的のみを追求する。利益は結果としてついてくる。
耳を傾けるために、会議では誰も座らない椅子を用意し、組織が座っていると想像する。
存在目的を明確にしていると、外の世界から会社のドアをノックしてくれら。
【第2部 第7章】共通の文化特性
組織文化は意識したいまま物事が進んでいくあり方。あらゆるものに表れる。ティール組織では、互いが好意的であったり、情報が公開されていたり、存在目的の達成に向けて努力していたり、それがオフィスに表れる。
【第3部 第1章】必要条件
ティール組織では、助言プロセスがあったり、CEOが謙虚であり弱さを見せたり、組織の存在目的な耳を傾けることができること。
【第3部 第2章】進化型組織を立ち上げる&【第3部 第3章】組織を変革する
スキルや実績より、存在目的に共鳴する者をリーダーとする。組織の対立は、今まで見えなかったものを見えるようにすることで乗り越える。1度にティール組織の要素を取り入れようとすると失敗するので、少しずつ取り入れていく。
【第3部 第4章】成果
すでにティール組織によるパフォーマンス向上はいくつも実績がある。上司のためではなく自分の基準で働くと今まで使われなかったエネルギーが解放されるし、意思決定が早いのでタイムリーに対応できる、
【第3部 第5章】進化型組織と進化型社会
「未来について分かっている唯一のこと、それは現在とは違うということ。未来を予測する最善の方法はそれを作ること」
限られた資源のなか、無限の成長はない。それでも心は豊かになる。意識の変化が必要になっている。パラダイムは若い世代にも起きている。
時間配分が想定通りには行かなかった、ワークショップが消化不良といったところは反省点。それでも5時間という長さを感じさせないというお言葉を頂けたりもしたのも嬉しかったです。2020年は、また改善を図っていきたいと思います!
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