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【実践】アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』(要約あり)

 
 今回の実施にあたっては出版元の英治出版さまにも、ABD認定ファシリテーターのご縁で大変なご協力を頂きました。大感謝!
 英治出版さんは、「ああ、あの本も!」となるくらい、ビジネス書で多くの有名な本を出版されています。そしてとてもユニークな出版社。

 ・出版にあたっては全員のOKが必要
 ・一度出したら絶版にはしない
 ・全員がプロデューサー
 ・プロデューサーが企画全体をリードするが、専門分野はそれぞれの専門家に相談する

 などのルールがあるらしく、『ティール組織』も出版していますが、まさに自主経営(セルフマネジメント)を地で行っているような組織ですね。

 今回のABDでは、『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』を取り上げました。日本の人事部が主催する「HRアワード」の書籍部門で入賞した書籍です。

 ちなみに最近ABDを終えた後に、FBアンケート取るようにしていまして、本書は83%が購入に至った、または購入意欲があるという結果になりました。とてもよい反応だったのではないかなと思います。
 ※アンケート回収率は75%(8人中6人※私を除く)
 ※アンケートの実施は開催から14日後

アンケート

●設計書

 今回は書籍の難易度、本のボリューム、初めての数名いたり、参加人数から2回にしようと思いました。3時間で対話まではなかなか厳しそうだったので4時間で設定。
 ギャラリーウォークの時間をうまく活用して適宜トイレや休憩をはさんでもらう形です。

インサイト

●事前準備

 第1章のサマリは事前に準備しておきました。
 たいていの本は「はじめに」か「最初の章」で、問題提起と本の道筋が書かれています。こういった章は、やらなくてもいいし、ABDに慣れていない人が多い場合に導入として使ってもいいし、事前にやってきてもいいかなと思います。

●オープニング

 著者紹介や、今回ゲラを提供して頂いた英治出版さんのご紹介をしました。すでに開始前に会話も弾んでいたのでチェックインは割愛しました。

●コサマライズ・リレープレゼン

 コサマライズ&プレゼンは、前半と後半と2回に分けて行いました。
 本の内容をしっかりと読みたい場合、ほとんどの本は前半で基本部分が押さえられるので、そこで区切るのも手です。
 後半は、より深掘りする内容、実践方法、これからどうなる、などといった構成が多いので、対話の問いの対象になることが多いです。

コサマライズ

●ギャラリーウォーク

 今回は、一人一人に思い思い眺めてもらいながら、シールを貼ってもらう形。シールが貼られたところは注目スライドになってしまうので、バイアスでシールが集まりやすい印象はありますが、たくさんシールが貼られるところ、色が分かれるところはもう少し突っ込んでいく箇所の目安になります。
 ※ピンク→わからないところ
 ※緑→納得、共感できるところ

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●ダイアローグ&エンディング

 ダイアローグに入る前に、自己認識の時間を設けました。
 本書の巻末付録に、「インサイトを支える7つの柱」に関する問いがあったので、これを一部抜粋して内的自己認識ツールとして活用しました。

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 問いを用いた自分の時間を作った後は、10分ほど対話の時間を作りました。時間の都合上、チェックアウトはグループでこの時間を通して感じたことなどを話してもらう形にしました。

●リフレクション

 いつも通り参加者に書いていただいたスライドはPDFで共有。
 このABDの開催日から約2週間、私の方で要所やスライドのシールを貼られていたところを読み返し、振り返りメッセージツールで共有。
 今回のリフレクションはやや一方的でかつ、単なるまとめなってしまった気がしていて、参加者が活性化する形で運営できればいいなと思って思案中…。

●ABDサマリ

【第1章】二一世紀のメタスキル
 自己認識(セルフ・アウェアネス)とは、自分自身を明確に理解する力。21世紀に求められている「EQ」「共感力」「影響力」すべて自己認識が基になっている。その対極にあるものが自己欺瞞である。

 自己認識には2種類ある。
 ①内的自己認識
 ②外的自己認識

 自己認識の研究にあたっては、「自然にできている人」ではなく、「昔はできなかったが、今はできている人」=自己認識ユニコーンを対象にした。

 この本は、自分のインサイトを得て、いい人生にしたいと願う人のための本である。

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【第2章】 自己認識の解剖学
 インサイトを支える7つの柱がある。
 ①価値観 ②情熱 ③願望 ④フィット ⑤パターン ⑥リアクション ⑦インパクト の7つである。

【第3章】ブラインドスポット
 インサイトを妨げる障壁が存在する。それは他者の評価よりも自己評価の方が高くなることだ。
 人間には3つの盲点(感情・認識・行動)がある。そのときの感情によって判断や決断をしたり、実際のパフォーマンスを間違って認識したり、同じ行動でも自分と他人の評価は違ったりする。

 盲点を克服するには、
 ①ダブルループ学習をする
 ②学び続ける
 ③フィードバックを求める

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【第4章】自分教という名のカルト
 「自分教」とは、自分が唯一無二で周りよりも優れている、自分の欲求が周りより大切だと思わせてくれるカルトである。

 自分教に抗うためには、自分以外に興味を持つこと。自分自身の客観的事実を理解しその自分を好きになること(自己受容)。

【第5章】「考える」=「知る」ではない
 「内省」は、自分の思考や感情などを検証する力であり、自己認識を生むというのは迷信である。そこから何を学び、どう前進できるかを考えること。

 「なぜ」という質問は、人を追い詰める。「なに」の質問は、可能性に目を向け、よりよい未来を作り出す手助けとなる。「なぜ」ではなく「なに」を問うことで被害者から成長できる。

 「反芻」は繰り返し自分の選択を疑う、悲惨で有害なサイクル。
 反芻に抗うには、考え事から少し距離を置いたり、そもそも考えるのをやめるなどで対応する。

【第6章】本当に活用可能な内的自己認識ツール
 ①マインドフルネス
 現在を知るもの。
 マインドフルネスは内省とは違い、分析はしない。その種類には、瞑想するものと、しないものとがある。
 ②人生の物語(ライフストーリー)
 過去から知るもの。
 過去の総和がいかに自分を形作ってきたかを知るもの。1冊の本のように自分の人生を考える。数万人集めると、たいてい一貫するテーマが見つけられる。
 ③ソリューションマイニング
 将来に向けどう行動するか。
 ありたい姿と今の落差から、どう解決していくかを考える。

 人によって合う合わないがあるため、自分にとってどのツールが一番合っているかを理解する。

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【第7章】めったに耳にしない真実
 自分のことは、他人の方が客観的であるため、私たちには他人のフィードバックが必要である。
 しかし、フィードバックにより自己認識を得るためには障壁が存在する。
 ①マム効果
 気まずい情報は、フィードバックする本人には本音で伝えない。しかし他人同士の会話では共有する。
 ②現実逃避の三本柱
 「フィードバックを求める必要がない」「フィードバックを求めるべきではない」「フィードバックを求めたくない」

 これらを克服するためには
 ①360度評価(匿名で上下関係なく)
 ②適切なフィードバックプロセス(適切な人からもらう)
 ③真実のディナー(食事しながら聞く)
 などの方法がある。

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【第8章】予想外の厳しいフィードバックを受け止め向き合い行動に移す
 フィードバックを受けたら3Rで対処する。
 Receive(受け止め)
 Reflection(向き合い)
 Respond(行動に移す)
 「自分を変える」のではなく「自分から認識を変える」

【第9章】リーダーがチームと組織の自己認識を高める方法
 チームの自己認識を高めるには以下の3つの要素に取り組む。
 ①手本を示す
 ②心理的安全性を確保する
 ③継続的に取り組む

 オーセンティック・リーダーシップを示すリーダーがいる場合、メンバーは正直になる。
 信頼だけでなく、自分の欠点、弱さを見せて「隠さない」ことで周りからの敬意が深まる。
 フィードバックは一度だけの取り組みにせず、文化に組み込む。

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【第10章】思い込みにとらわれた世界で生き抜き成長する
 思い込みに捉われている人間には3つのタイプが存在する。
 ①無駄骨
 ②分かっているが気にしない
 ③誘導可能(ナッジブル)

 「無駄骨」の人は、どう足掻いても自己認識にたどり着かない人。このタイプへの対処法は、自分とは違う旅路にいると考えること。
 「分かっているが気にしない」人は、自分を把握していても、行動を変えない人。このタイプへの対処法は両者が合意できる明確な境界線を引くこと。
 「誘導可能」な人は、よりよい自分を目指しているが、アプローチを知らない人。このタイプへの対処法は、問いかけ対話し、自己認識を促進する。


これを書いたのが12月22日。
年内のABDは主催も参加も、予定はすでに終了。2019年全体での振り返りもしてみたいなと思います。

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オリコングループの(株)oricon ME 顧客満足度調査事業本部長。 アクティブ・ブック・ダイアローグ協会認定ファシリテーター。MBA修士。 ABDの情報はこちらにも掲載→https://abd-life.com/ 読書ブログはこちら→https://sakudoku.com/