見出し画像

【UFC】ドス・サントスがトゥイバサをKO、ショーグンは逆転勝ち。中村K太郎が勝利「次はアンソニー・マーティンとやりたい」。岡見と廣田は判定負け=12.2 UFCファイトナイト・アデレード

UFC(Ultimate Fighting Championship)は2018年12月2日(日)に豪州・アデレードにあるアデレード・エンターテインメント・センターにて"UFCファイトナイト・アデレード"を開催した。(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC

元ヘビー級チャンピオンにして現在ランキング7位につけるジュニオール・ドス・サントス(ブラジル 19勝5敗)に、無敗のままUFCトップ15入りした地元ファイターのタイ・トゥイバサ(オーストラリア 10勝0敗)が挑んだメインイベントのヘビー級マッチはドス・サントスのTKO勝利で幕を閉じた。

互いに威力ある打撃を持つ2人の試合が動いたのは2ラウンド中盤、トゥイバサが打撃を打ち終えてガードが緩んだところに、ドス・サントスの右が顔面をクリーンヒット。ダウンを奪ったス・サントスがそのままパウンドの嵐を浴びせてレフェリーストップを呼び込み、圧巻のパフォーマンスで勝利を飾った。

また、3人が出場した日本人ファイターの試合結果は、プレリムでサリム・トゥアリ(ポーランド 10勝2敗)と対戦した中村K太郎(33勝8敗2分1ノーコンテスト)が接戦を制してスプリット判定勝ちを収めたが、岡見勇信と廣田瑞人はいずれも判定で敗れている。

アーリープレリム2試合目に日本人ファイターの先陣を切ってオクタゴンに上がった廣田瑞人(19勝9敗2分)は、「打撃にこだわる」姿勢を崩さず、果敢にクリストス・ジアゴス(米国 15勝7敗)に挑んでいくも、再三テイクダウンを許し、フルラウンドの末、ユナニマス判定で黒星を喫し、3連敗となった。

また、プレリムのトリを飾った岡見勇信(34勝12敗)はアレクセイ・クンチェンコ(ロシア 19勝0敗)に初めての土をつけるべく、冷静でスマートな戦い方を披露したものの、ストライカーのクンチェンコの圧力と腰の強さにテイクダウンもままならず、終盤にかけて押し込まれる場面が増えてしまい、引き込む場面もみられ、思っていたようなゲームプランを通せずに判定負けとなった。

メインカードに登場したマーク・ハント(ニュージーランド 13勝13敗1分1ノーコンテスト)は先住民マオリの伝統的な舞である『ハカ』のパフォーマンスで入場し、大観衆が詰めかけた会場を一気に盛り上げたが、サウスポーのジャスティン・ウィリス(アメリカ 6勝1敗)を攻略しきれず、3ラウンドを戦い抜くも3名のジャッジはいずれもウィリスの勝利を指示した。

徹底したアウトボクシングで白星を掴んだウィリスはオクタゴンインタビューをハントに譲り、対戦相手ながらレジェンドファイターであるハントに敬意を表した。

セミメインイベントではマウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル 25勝11敗)がタイソン・ペドロ(オーストラリア 7勝1敗)と対戦し、序盤には強打を食らって足元がふらつく場面があったにもかかわらず、2R以降、強靭なパワーで巻き返して、3RにTKO勝利を挙げている。

次回、UFCはカナダ・トロントを訪れ、日本時間12月9日(日)にスコシアバンク・アリーナで「UFC 231」を開催する。メインイベントに組まれたのはファン待望のフェザー級タイトルマッチ。王者マックス・ホロウェイが挑戦者ブライアン・オルテガを迎えて防衛戦に挑む。また、セミメインイベントでは空位となっている女子フライ級王座をめぐって同級ランキング1位につけるワレンチナ・シェフチェンコと、元女子ストロー級王者にしてランキング1位のヨアンナ・イェンドジェイチェクが拳を合わせることになっており、寒さ厳しいトロントで熱いダブルタイトルマッチが実現する。

また、日本時間正午開始予定のUFC 231メインカードはチュートリアル福田充徳と西山茉希ほか、『UFCってなんだ?』出演者が豪華ゲストを迎えてUFC Japan公式YouTubeチャンネルにて裏実況(ライブ配信)することになっている。

◆UFCファイトナイト・アデレード 試合結果&勝者コメント
現地時間および日本時間2018年12月2日(日)
アデレード・エンターテインメント・センター(オーストラリア・アデレード)

【メインイベント】

▼ヘビー級 5分5R
○ジュニオール・ドス・サントス(ブラジル)
[2R 2分30秒 TKO]
×タイ・トゥイバサ(豪州)

1R、ともにオーソ。右ボディストレートはドス・サントス。強引に詰めるトゥイバサを右に回り捌く。右ローはトゥイバサ。ドス・サントスも右ハイを返す。左右で詰めるトゥイバサに左を差して体を入れ替えるドス・サントス。サークリングでトゥイバサをさばき左ジャブ。トゥイバサは左で飛び込むが、そこにカウンターの右フックはドス・サントス! さらに左サイドキックを打ち込む。右のオーバーハンドで飛び込み、それを間一髪かわすドス・サントス。しかし、さらにトゥイバサは右ロー! これにはドス・サントスも身体が泳ぐ。続けてトゥイバサは右ストレートを顎に当ててホーン。

2R、左ジャブをつくドス・サントス。そこに右ロングフックをかぶせるトゥイバサ。しかしドス・サントスも右ストレートをクリーンヒットすると、右のダブル! さらに右から左フックをまともに浴びたトゥイバサがついにダウン! マウントを奪うドス・サントスだが、トゥイバサはマウントを奪われながらも下から打ち返し。しかし、連打を浴び、レフェリーが間に入った。

ドス・サントスはブラゴイ・イワノフ戦に続く2連勝でアリスター・オーフレイムとのリマッチをアピール。地元・豪州のタイ・トゥイバサはUFC3連勝でストップ。「また戻って来る」と挨拶した。

◆勝者ジュニオール・ドス・サントスのコメント

「すごいね、とっても満足だ。わお。彼がタフなのは分かっていたけど、それほどではなかった。今回の勝利を手にできて神に感謝している。これが俺のボクシング。ノックアウトパワーはあるし、誰だろうとノックアウトできる。誰でもいい。アリスター・オーフレイムとのリマッチがいい」

【セミメインイベント】

▼ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド
○マウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル)
[3R 0分45秒 TKO]
×タイソン・ペドロ(豪州)

1R、ともにオーソ。遠間からワンツーで詰めるペドロ。下がるショーグンは右を返すと右で差して押し込み落ち着く。離れるペドロ。ワンツーで飛び込みショーグンの返しはかわす。右前蹴りを下ろしてすぐに右ストレートはペドロ! さらに首相撲から右ヒザ連打! 右アッパーからの連打でショーグンは金網に釘付けとなり、足が泳ぎ腰が落ちるが右で差すショーグン。ペドロはキムラ狙いに押し倒して外すショーグン。

2R、右のオーバーハンドはショーグン。今度は左で差してボディロック。バックをうかがいつつ小手に巻くペドロの脇くぐりバックへ。背後から崩してテイクダウンすると下のペドロはキムラでスイープを狙うがここはショーグンも外してサイドに。右で脇差し左で枕で固め、肩パンチ。ときおり左手を外して細かいパンチを入れる。立つペドロの背後につき続け崩して再び寝かすショーグン。上四方でペドロを腹下に入れてスタミナを削りホーン。1Rのピンチから盛り返す。

3R、右ローを打つペドロ、さらに左ジャブを伸ばすが、その打ち終わりにショーグンは右ストレート! 後方にダウンしたペドロにショーグンが休まずパウンド、ヒジを連打し、レフェリーを呼び込んだ。

ショーグンは3連勝から7月にアンソニー・スミスに敗れたものの、再び白星を掴んだ。

◆勝者ショーグンのコメント

「オーストラリアに戻ってこられて本当にうれしい。私はここが大好きだ。ここで試合をするのもお気に入りになるね。来年、次の試合は地元で戦いたい。タイソン・ペドロのことは知っているし、レッグキックが素晴らしいこともトップファイターであることも分かっている。今回の試合のために必死にトレーニングを積んできた。今日は本当にうれしい。自分の為もそうだが、チームのため、ファンのためにうれしい。今回の試合に向けてチームがしっかりとトレーニングしてくれたんだ」

【メインカード】

▼ヘビー級 5分3R
×マーク・ハント(ニュージーランド)
[判定3-0(28-29、28-29、28-29)]
○ジャスティン・ウィリス(米国)

入場前にマオリ族のハカで送り出されたハント。ハントはオールブラックスを目指した元ラガーマンでもある。

1R、オーソのハント、サウスポーのウィリス。左ローから入るウィリス。ハントはウィリスの左をダッキングでかわす。右インローはハント。ウィリスの左をスウェイでかわす。右フック、右ロー。さらに右ミドルはハント! 大きな右はウィリスかわし、左の強いロー返す。右にずれて左を狙うウィリス。ハントは遠い半身左構えのウィリスに右ストレートを狙うと、右ミドルを再び当てる。

2R、左足から出血するハント。左足で関節蹴りを狙うウィリス。右に回りながら右前手でけん制する。右でボディストレート狙いはハント。アウトボックスのウィリスにじれてハントが入るとウィリスは左ストレートを打つ。右外側に回り続けるウィリス。さらに右ジャブ。ハントは追い足が鈍る。ホーンに片足をひきづり陣営に戻る。

3R、右ローを当てるハント。ワンツーで詰めるがウィリスは遠い。左ハイを返すウィリス。ローで足を痛めたかハントは追い足が明らかに遅くなる。そこに右ジャブを当てるウィリス。ハントは打ち返しの左フックをかぶせにいくがかわされる。左アッパー、右フックのウィリス。徹底してアウトボックスにハントも追うが大きな左は空振りに。金網に詰められないハント。右に回り続けるウィリスに左ミドルで止めにかかるがハントだがバランスが悪い。ホーンに肩で息をしながらコーナーに戻った。

判定は3-0でアウトボクシングを徹底したウィリスが勝利した。

◆勝者ジャスティン・ウィリスのコメント

「みんな、俺がマークをダウンさせに行こうとしていると思っていただろうけど、俺の戦略は決してそうじゃなかった。作戦は打撃で彼を上回って圧倒すること。マークは間違いなくレジェンドだ。それ以外に言うことはないだろ。次はトップ5の誰かとやりたい」

▼ウェルター級 5分3R
×ジェイク・マシューズ(豪州)
[3R 1分19秒 アナコンダチョーク]
○トニー・マーティン(米国)

◆勝者トニー・マーティン(アンソニー・ロッコ・マーティン)のコメント

「勝つのはいつだって気分がいいし、ジェイクは思っていたよりもかなりタフな人だった。タフなことは分かっていたし、強いだろうとも思っていたけど、自分の方がもっとはっきり、相手に楽に打っていって自分は打たれないと思っていたんだ。向こうが打ってきた時はちょっとすごかったし、あんな風に打ち込んできたら相手に食らわせるのも難しい。何度か強打を浴びてしまったし、自分の波に乗るのに少し時間がかかったけど、レッグキックがダメージを与えていると分かった。向こうはアメリカン・トップ・チームの精鋭だからね。インターバル中に向こうが足をアイシングしているのが分かって、ダメージを与えられていると思ったから、さらに攻めていこうとして、向こうが雑なショットを放ってきたから、こっちはそれを最大に生かした。アナコンダは特異な技のひとつ。決め技ってやつだ。相手がそこに落ちてきた感じで、コーチたちが向こうは影響を受けているぞと叫んでいたから、すぐにサブミッションを仕掛けにいった。彼が落ち着いていたから入っていたのかどうか分からなかったんだ。ほとんどの人はもっともがき始めるから。そうなったら、きっちり決まったなと思う」

▼フェザー級 5分3R
×スーマン・モクタリアン(豪州)
[1R 2分14秒 TKO]
○ソディック・ユサフ(ナイジェリア)

◆勝者ソディック・ユサフのコメント

「今回の試合にはすべてをシャットアウトして全集中をかけてきたから、涙を隠せているのはそれが理由。健全じゃないのは分かっているけどね。ポジティブなメンタルを保ったのは今回の試合がUFCデビュー戦だったから、やるしかなかったんだ。とても大きな価値があることだし、きっとブラザーも全集中を試合にぶつけてもらいたかったはずだから。家に帰ったら、少し一息つく時間もあるだろう。クリーンなノックアウトをイメージしていたけど、レフェリーの制止だから受け入れる。俺の打撃はハードだったし、強烈な打撃を見舞ってやった」

▼ライトヘビー級 5分3R
○ジム・クルート(豪州)
[3R 4分51秒 キムラロック]
×ポール・クレイグ(スコットランド)

◆勝者ジム・クルートのコメント

「試合は思っていたようにいかず、もっと強く打っていくつもりだった。全然ベストなパフォーマンスじゃない。緊張にかなりやられた。バックステージでは問題なかったのに、出ていったら緊張してしまったんだ。次に出ていく時は慣れていると思う。今回はベストなパフォーマンスじゃなかったけど、それでも良いパフォーマンスだったし、何より勝てた。メルボルンのイベントで戦いたい。誰が相手でも構わない」

【プレリム】

▼ウェルター級 5分3R
○アレクセイ・クンチェンコ(ロシア)
[判定3-0(30-26×2,30-27)]
×岡見勇信(日本)

1R、ともにオーソ。軽い右ローから入る岡見。右ストレートでけん制。クンチェンコの右はかわす。右ローはクンチェンコ。シングルレッグから金網まで押し込む岡見だが離れる。左ジャブはクンチェンコ。ブロックする岡見。左にクンチェンコも左を合わせてくる。さらに右に岡見は金網まで下がり回る。左ジャブはクンチェンコ。岡見も右ストレートもクンチェンコかわす。ワンツーで飛び込むクンチェンコをかわす岡見もワンツー。ブロックするクンチェンコに岡見はダブルレッグから右で差して押し込むが左で小手に巻くクンチェンコは左足も当ててテイクダウンを防ぐ。ブレーク。前足に左右ローはクンチェンコ。さらに左ミドルでホーン。細かい打撃はクンチェンコ、テイクダウンアテンプトは岡見のラウンド。

2R、セコンドの安西から「このラウンドは微妙。次をしっかり取りにいきましょう」と送り出された岡見。レベルチェンジからダブルレッグ入る岡見だが切るクンチェンコ。岡見は続けてシングルレッグも頭が下がり、立ち上がる。クンチェンコの右に下がる岡見。さらにワンツーに、岡見も右を返す。右の前蹴りはクンチェンコ。右に合わせて素早いダブルレッグに完璧なタイミングで入るが、圧力をかけていたクンチェンコは差し上げる。

前に出るクンチェンコ。シングルレッグの岡見に鉄槌当てるクンチェンコに岡見は右で差して金網まで押し込むが小手に巻くクンチェンコはボディロックさせない。金網まで下がる岡見はシングレルレッグを切られガードに。その足を蹴るクンチェンコ。立つ岡見。右ヒザを蹴りダブルレッグに入る岡見だが足を飛ばして切るクンチェンコに岡見はヒザを突く。シッティングガードの岡見にブレーク。金網に詰めたクンチェンコの右が胸に当たり岡見はダウン! と同時にホーン。明確にクンチェンコが取ったラウンド。

3R、グローブタッチ。左ハイから入るクンチェンコ。ブロックする岡見。再びクンチェンコの左ハイがかすめる。さらに右を振るが、それを岡見はかいくぐりダブルレッグも差し上げられと右で差して得意の小外がけに! しかしここも倒れないクンチェンコは岡見の頭が下がるとヒジ! 離れ際にもヒジ狙う。テイクダウンが切られ、ガードを取る岡見。つきあわないクンチェンコは右ハイもヒット! 岡見の引き込みに立ってガードの足を蹴るクンチェンコ。岡見はジャブから遠間で再三低めのダブルレッグに入るが切られる。立たされる岡見。左ローから左ハイのコンビネーションで岡見の首すじに当てるクンチェンコ。岡見は組んで右を差すがホーン。

判定は3-0で、プロキャリアで一度も黒星を喫したことのないロシアのアレクセイ・クンチェンコが勝利し、MMA20勝無敗に。鋭い蹴りに強い腰のクンチェンコはUFCでは9月のチアゴ・アウベス戦に続く2勝目をあげた。

◆勝者アレクセイ・クンチェンコのコメント

「勝てて本当にうれしいし、とても良い気分だ・・・。試合中にケガはなかったし、今回の試合に向けての準備でも負傷していない。今日は勝ったけど、本当はフィニッシュしたかった。序盤は打撃を打ち込んでいけたし、フィニッシュしようと狙ったけど、難しかった。次はUFCが俺に戦ってほしいという相手なら誰とでも戦うつもりだ」

▼フライ級 5分3R
○ウィルソン・ヘイス(ブラジル)
[判定3-0(30-27、30-27、30-27)]
×ベン・グエン(米国)

※ヘイスはUFC3連敗から脱出の勝利。グエンは2連敗に。

◆勝者ウィルソン・ヘイスのコメント

「自分の方が毎ラウンド上回っていたのは分かっていたし、最後のラウンドは接戦だと思ったけど、すべてのラウンドは俺が取ったと思っていた。前回の試合は自分が勝ったはずだったのに、対戦相手(ジョン・モラガ)に勝ちが与えられたから、今は常に緊張感を持っている。ベンはしっかりと準備していたし、いつも通り、ゲームプランに沿って攻めてきた。次はジョセフ・ベナビデスと戦いたい」

▼ウェルター級 5分3R
○中村K太郎(日本)
[判定2-1(30-27、28-29、29-28)]
×サリム・トゥアリ

1R、左構えの中村とオーソのトゥリア。右ジャブで詰める中村に左回りのトゥリア。中村は左ストレート。かわすトゥリアは右インロー当てる。詰まるトゥリアは3連打振り金網際から出る。かわす中村。トゥリアの大きな右もダッキングし、左ミドル! トゥリアも左ジャブで細かくけん制し、右ボディ! 中村は右にカウンターのニータップでテイクダウン狙いも深追いせず放す。中村の圧力に左回りで外足に回り左フックをひっかけにくるトゥリア。かわす中村。

2R、左の蹴りから入る中村。シングルレッグに行くがトゥリアが切る。ワンツーは中村! トゥリアの右に中村が左! トゥリアが一瞬ヒザをマットに着く。トゥリアの押し込みに中村は四つから離れ際に右ヒジもヒット! 中村の左ローに足が流れるトゥリアは後退。トゥリアの左の返しは見えている中村。ワンツーからのスリーの右を当てる。トゥリアは右ボディストレートを返すと、右から左フックをヒット。さらに下がりながら左ストレートもヒット。中村は圧力かけながら左ハイも遠い。中村は2Rの序盤の攻勢も後半はトゥリアが取り返した。

3R、右ボディストレート狙う中村は左ハイも。トゥリアは右ボディストレート。中村のシングルレッグは後ろを向き足を抜く。中村はバックを取れず。しかし左インロー当てる中村が前へ。回るトゥリアのワンツーに右を狙う中村。今度はレベルチェンジからダブルレッグは中村。差し上げられるが離れ際に中村はヒジを打つ。右ジャブ当てる中村。左フックを合わせに来るトゥリア。中村は再びシングルレッグ。切るトゥリアに常に圧力をかけていく。前に出始めたトゥリアに左ストレート、左ハイで止める中村。さらに右ジャブ! 右の前足で関節蹴りも。組んできたトゥリアにヒザを突きホーン。

判定は2-1(30-27,28-29,29-28)スプリットで圧力かけ続け、テイクダウンも狙った中村K太郎が勝利。2度目のUFC戦績を4勝3敗の勝ち越しとした。

◆勝者・中村K太郎のコメント

「勝利で終われて本当に最高です。ただ、次の試合はフィニッシュしたいですね。次はアンソニー・ロッコ・マーティン(トニー・マーティン)とやりたいです」

▼フライ級 5分3R
×イライアス・ガルシア(米国)
○カイ・カラ・フランス(豪州)
判定3-0(25-30、26-30、25-30)

◆勝者カイ・カラ・フランスのコメント

「言葉がないよ。デビュー戦を思い描いてファイトウイークに臨んで、これ以上はないと思う。少し逆境になっていたのは分かっていたけど、このために12週間もファイトキャンプに取り組んできたし、今回の試合以上に準備した試合はない。声援に圧倒された。地元、ニュージーランドのオークランドからだけじゃなく、オーストリアからも声援があったからね。彼らの存在が本当に大きかったし、彼らは僕らをひとつに見ている。だから、来年のメルボルンのカードにぜひ入りたいと思うよね。ガルシアはタフなヤツだったし、まだプロで7試合しかしていないのに、もう熟練のベテランみたいに見える。ずっとプッシュしてきたし、1週間前のオファーだったのに受けてくれて、自分の試合の実現を助けてくれたから本当に感謝している。対戦相手が変わるとこっちにはプレッシャーがかかるけど、相手が計量に成功してうれしかったし、ショーを見せられてうれしかった。敢闘試合賞(ファイト・オブ・ザ・ナイト)の候補になれるといいな」

【アーリープレリム】

▼ライト級 5分3R
×廣田瑞人(日本)
[判定0-3(27-29、28-29、28-30) ]
○クリストス・ジアゴス

1R、ともにオーソ。低い手の構えの廣田はジアゴスの右をかわし、ジャブで圧力をかけるとジアゴスも連打で押し返し、ローシングルで尻餅をつかせるとダブルレッグに切り替えテイクダウン。オープンガードから廣田の立ちがりを潰し細かいパウンドを放つが、3度目のトライで廣田は金網背に立つ。

右で飛び込む廣田。しかし2度目の前進にジアゴスがカウンターのダブルレッグテイクダウン。廣田はクローズドガードでギロチンチョーク! 頭抜いたジアゴスはインサイドからダブル鉄槌も廣田は草刈りでジアゴスを倒すと一瞬ヒールフックを狙いつつ立つ。

2R、フェイントをかけつつ圧力をかける廣田。左フックから飛び込み詰めるがまたもダブルレッグはジアゴス。背中ついた廣田はクローズドガード。パウンドに足をときエビを打ちつつ立とうとするが、抑え込むジアゴスは左右のパウンド。ガードしかわす廣田は金網まで這い立つが、ジアゴスダブルレッグで廣田を引き抜き再びテイクダウンを奪う。足は越させない廣田だは背中をつく展開に。立ち際をがぶるジアゴスはヒザも。離れる廣田は右ヒザを突き、疲れのみえるジアゴスを左右で詰めるがホーン。

3R、1、2Rを取られている可能性が高い廣田は最終Rに挽回が必要だ。右ボディを当てるが胴に組み付くジアゴスはダブルレッグからハイクラッチのシングルレッグ、さらにダブルレッグに入るがそこで右で差し上げ上を取る廣田! しかしすぐに立つジアゴスは再びダブルレッグテイクダウン! 金網背に立とうとする廣田の両足を引き、今度はシングルレッグも廣田立つと、休まずジアゴスはダブルレッグでアタックする。そこをサイドに回りがぶる廣田は突き放して殴るが、距離詰めるジアゴスは疲労が見えるなかでも組み付き。柔術立ちから立つ廣田を追うが、上を取った廣田が足をこえマウントパンチ! しかし残り10秒でホーン。

判定待ちでTシャツを自分で着ることもできないほど疲労困憊なジアゴスが、最後までレスリングをやり切り、判定3-0勝利。廣田は厳しいUFC3連敗となった。UFCからACB、再びUFCカムバックを果たしたジアゴスは2度目のUFCで初白星。

◆勝者クリストス・ジアゴスのコメント

「家族が試合を見るためにわざわざ来てくれていたからうれしい。序盤に相手にダメージを与えて、そこからフィニッシュしようとエネルギーを使いすぎてしまった。それが体にとっては影響したから、仕事を終わらせるためにレスリングに頼るしかなかったんだ。パフォーマンスに完全には満足できていない。少なくとも自分の実感としては。ただ、仕事は果たせたから、それについては満足している。彼(廣田)は37歳なのに、あんなに忍耐力があるなんてびっくりした。でも、この階級で彼が最もタフな1人だってことは分かっていた。勝利を手に入れられてとにかくうれしい。この後はゆっくりしてオーストラリアを楽しむよ。それからすぐにトレーニングに戻る。まだやらなきゃいけないことがたくさんある」

▼ライト級 5分3R
○アレックス・ジョージース(アシリア)
[判定3-0(30-25、30-26、30-26)]
×ダミル・イスマグロフ(カザフスタン)

◆勝者アレックス・ジョージースのコメント

「UFCで初めてのパフォーマンスにはとても満足している。試合中、一度も危険だと感じなかったから、全体的にも本当にハッピーだ。UFCが用意してくれる相手なら誰とでもやる」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?