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【UFC】近藤朱里がボテーリョにTKO負けで初黒星、メインはフルラウンドの末にウスマンがマイアに判定勝ち=5.19 UFCファイトナイト・チリ勝者コメント

UFCがチリに初上陸した今回、メインイベントではウェルター級ランキング5位につけるデミアン・マイア(ブラジル 25勝8敗)と同7位のカマル・ウスマン(ナイジェリア 11勝1敗)が対戦し、フィニッシュこそならなかったものの、ウスマンがユナニマス判定で白星を手に入れた。

シングルレッグを仕掛けるなど序盤は勢いのあったマイアだが、ウスマンの打撃を食らったダメージが蓄積したのか、中盤から動きが鈍り、引き込みも剥がされ、思うような試合展開に持ち込めずにウスマンにペースを握られてしまった。グラウンドゲームを臨むマイアと打撃戦に持ち込みたいウスマンの攻防は結局、25分を戦っても決着せず、判定3-0でウスマンに軍配が上がっている。

また、日本から地球の裏側にあたるチリに乗り込んだ近藤朱里(6勝0敗)はポリアナ・ボテーリョ(ブラジル 5勝1敗)と拳を合わせたが、開始早々に強烈な左ミドルキックをレバーに食らってしまい、後退したところに右ストレートを浴び、連打を受けてTKO負けを喫した。近藤にとってはプロキャリア初の黒星となった。

近藤は試合後、『Twitter(ツイッター)』にメッセージを投稿し、「ごめんなさい。試合負けてしまいました。また一から頑張ります。応援してくれたみなさん本当にありがとうございました!」とファンに感謝を述べている。

次回、UFCはイギリスへと舞台を移し、日本時間5月27日(日)にUFCファイトナイト・リバプールを開催する。メインイベントはスティーブン・トンプソン対ダレン・ティルのウェルター級マッチが予定されており、同級ランキング1位のトンプソンが敵地にて、同8位につける地元ファイターのティルを迎え撃つ。アーリープレリムは27日(日)22時30分にスタートし、日付変わって28日(月)0時からプレリム、深夜2時にメインカードが始まる予定。

◆UFCファイトナイト・チリ 試合結果および勝者コメント

現地時間2018年5月19日(土)、日本時間20日(日)
モビスター・アリーナ(チリ・サンティアゴ)

【メインイベント】

▼ウェルター級マッチ 5分5ラウンド
×デミアン・マイア vs. カマル・ウスマン○
判定3-0(46-49、46-49、45-50)

※ナイジェリア生まれ米国育ちのオールアメリカンレスラー、カマル・ウスマンがダウン奪い、デミアン・マイアの組みを切り、判定勝ちでUFC8連勝。

勝者カマル・ウスマン「右手も左手も壊れたかと思った。でもチャンピオンはこれをやっているんだ」

「5ラウンドまでいったのはこれが初めてだったし、3ラウンドと違うのは当然だ。3ラウンドならとにかく突っ込んで、ずっとスピード感を出していけるけど、5ラウンドとなると全然感じが違っていた。学習して経験を積んだから次はもっと決められるようにいく。デミアンは予想していたよりもタフで、本当のベテランらしさを示したと思う。ブロックもうまい。とても尊敬している。2ラウンド目に、彼の頭頂部に打ち込んだけど、うまくパンチをブロックされた。右ストレートだったんだけど、右手が壊れたかと思ったよ。とにかく打ち続けて、第3ラウンドには左手もそんな感じになったけど、でもチャンピオンはこれをやっているんだ。戦い抜かないと。これから戻って、マネジャーと話してみる。次にどうするかは彼に決めてもらうつもりだけど、目標は同じ。ウェルター級のタイトルだ」

【メインカード】

▼女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド
×アレクサ・グラッソ vs. タティアナ・スアレス○
1ラウンド(2分44秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
※NVICTAで魅津希を下しているグラッソに一本勝ちしたスアレスはMMA6戦無敗、UFC3連勝。

勝者タティアナ・スアレス「背中を痛めていた。またトップ10の相手と戦いたい」

「ものすごく必死にトレーニングしてきた。今回の試合は10週間か12週間くらい手前に決まっていたから、かなり長いキャンプができたの。勝ててとにかくうれしい。チームもコーチも私にものすごくたくさんの時間をかけてくれたから。みんなや家族にも誇りに思ってもらいたいし、チームメイトや友達にもそう思ってもらいたい。本当にうれしいわ。キャンプ中、指をケガしてしまって、背中もしばらく痛めていたの。でもそれを乗り切った。トレーニングしないといけなかったし、やるべきこともあったけど、ハードには打ち込んでいけなかった。試合に向けてハードにトレーニングしたいのに、背中が痛くてハードに打てなかったり、背中が痛くてハードにキックしたりできないなんて、最悪だったわ。私にとっては本当にきつかった。タフな対戦相手を想定してトレーニングしてきた。彼女は1敗しかしていなかったし、心も強いから。次の予定は分からない。UFCが望むものを受け入れるわ。できればまたトップ10の相手だといいんだけど。そうすればランキングを駆け上がってタイトルに挑戦できるもの」

▼ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド
×ジャレッド・キャノニア vs. ドミニク・レイエス○
1ラウンド(2分55秒)TKO

※サスポーから左アッパー効かせ、金網に下がったキャノニアに右前蹴り、再び左アッパーでKO。“THE DEVASTATOR”破壊者レイエスは29秒KOのUFCデビューから3連勝でMMA9勝無敗。

**勝者ドミニク・レイエス「UFCで1Rフィニッシュが3回、一番いいシナリオだ」 **

「無敗記録を更新できたなんてすごい。自分の気持ちをちゃんと説明できる言葉はないよ。このために人生をかけてやってきたし、UFCで3連勝、通算では9勝0敗、1ラウンドフィニッシュが3回、ひたすらがんばってきたからね。心から誇りに思うし、名誉だと思っている。プランはいつも、すぐに相手をノックアウトすること。第1ラウンドでできればいいけど、実際にそれができて、何もかもが夢見ていた通りに達成できたし、これまでのハードワークや犠牲にしてきたものすべてが報われる。想像通りにできたし、一番いいシナリオの1ラウンドノックアウトだなんて、夢がかなった気分だ」

**▼バンタム級マッチ 5分3ラウンド
×ディエゴ・リバス vs. グイド・カネッティ○
判定3-0(28-29、28-29、28-29) **

勝者グイド・カネッティのコメントは無し

**▼女子フライ級マッチ 5分3ラウンド
×ヴェロニカ・マセド vs. アンドレア・リー○
判定3-0(27-30、27-30、27-30) **

勝者アンドレア・リー「自分のベストパフォーマンスでも好きなパフォーマンスでもなかったけど、デビューできて嬉しい」

「UFCデビューは信じられない気分だったわ。これがUFCなのね。これまで戦ってきた中で一番大きなステージなのは確かよ。それに、これだけたくさんの人の前で戦ったのも初めて。観客のみんながものすごく興奮していて、歓迎してくれたし、応援もしてくれたから、すごくうれしかった。自分のベストパフォーマンスでも好きなパフォーマンスでもなかったのは間違いないけどね。デビュー戦はもっとエキサイティングな形にしたかったんだけど、自分のデビュー戦がチリで、UFCにとってはチリでのデビューだったから、最高の気分よ。UFCイベントはこれが本当の初体験だったから、今回、デビューできたことをうれしく思っているわ」

**▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
○ビセンテ・ルーケ vs. チャド・ラプリーズ×
1ラウンド(4分16秒)KO **

※大歓声のなか、ルケがラプリーズの左にカウンターの左ショートフックでダウン奪い、インサイドから大きくふりかぶった鉄槌でKO

勝者ビセンテ・ルーケ「チリのエネルギーはマジで違う。1週間の休みを取って、チリの家族に会いに行く」

「チリのエネルギーはマジで違う。ここは父の祖国で、すべてが俺のルーツだから、本当にスペシャルだった。ホームでの試合はちょっと緊張するけどね。ロッカールームで緊張してしまったけど、オクタゴンに向かい始めると全部飛んでいったし、勝つことを考え始めて実現させた。俺的には最高のパフォーマンスではなかったし、もっとうまくやれたと思う。ちょっと出だしが遅くてラウンドの中盤から終盤にかけてようやく目が覚めた感じ。距離を取ってパンチをつなぎ、ノックアウトした。いいパフォーマンスだったとは思うけれど、ベストじゃないのは確かだ。自分にもっと力があるのは分かっている。次のステップはトレーニングに戻ること。1週間の休みを取って、チリの家族に会いに行く。その後はトレーニングに戻って成長を続けるよ」

【プレリム】

**▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
×ザック・カミングス vs. ミシェル・プラゼレス○
判定2-1(29-28、28-29、28-29) **

勝者ミシェル・プラゼレス「次の試合がライト級であることを願っている」

「今日はライト級の時と同じゲームプランでいった。新しい階級にはいくつか調整しないといけないだけだった。相手の方が長身だったし、それだけさ。次の試合はショーを見せるつもりだし、今日よりもっといい試合になるはず。カミングスみたいな相手を待っていたんだ。勝ち続けている相手をね。これまでの試合は連敗中の相手が多かったけど、カミングスは連勝していた。自分が適切なレベルにいるかどうかを見るテストだった。ライト級に戻れるようにしてみる。それが自分の現実だ。しっかり連勝していたし、次の試合がライト級であることを願っている」

**▼フライ級マッチ 5分3ラウンド
×ブランドン・モレノ vs. アレクサンドル・パントージャ○
判定3-0(26-30、26-30、27-29) **

※TUF24準決勝で扇久保博正に敗れているパントージャがブランドン・モレノに勝利し、UFC3勝1敗に。

勝者アレクサンドル・パントージャ「今回は7位とやった。次は絶対にナンバー5だ」

「ブランドン・モレノは心が強い。それは彼にとって最大の武器のひとつだろう。すでに戦ったことがあったから、それは分かっていた。最初の試合中はかなりハードに打ち込んでいったのに彼はあきらめなかった。それに今日もそう。かなり厳しくパンチを当てたのに、心が強くてストップしないし、予想していた通りの試合展開で戦争になった。試合の展開についてはかなり満足しているし、今は楽しんでお祝いして、それからすぐにまた戻ってくる。次はトップ5がいい。前回の試合でトップ10と戦って自分的には勝っていた。俺の勝利じゃないなんてジャッジが何をそう判断したのか分からないし、今回は7位とやった。次は絶対にナンバー5だ。誰が5位か知らないけど、用意してくれれば勝ってみせる」

**▼女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド
○ポリアナ・ボテーリョ vs. 近藤朱里×
1ラウンド(0分33秒)TKO **

【試合詳報】朱里が左ミドルをレバーに効かされ、初黒星

勝者ポリアナ・ボテーリョ「ランカーを用意してくれるのなら誰でもいい。フェリス・ヘリッグ、マッケンジー・ダーンとか」

「UFCではこれでまだ2戦目。試合までこんなにも待たされるなんてがっかりだったけど、その一方でトレーニングに励んだわ。キャット・ジンガノとの試合があったケトレン・ヴィエラとトレーニングしていて、いつも彼女のキャンプを手伝っていたし、ジムのみんなもそう。だから、100%準備はできていたし、この3カ月は今回の試合のこと以外は何も考えてこなかったもの。最高のパフォーマンスを披露する準備はできていた。この後はランキングに入っている人と戦いたい。ランカーを用意してくれるのなら誰でもいい。フェリス・ヘリッグ、マッケンジー・ダーンとか、誰でもいいわよ」

**▼フェザー級マッチ 5分3ラウンド
○ガブリエル・ベニテス vs. ウンベルト・バンデナイ×
1ラウンド(0分39秒)KO **

勝者ガブリエル・ベニテス「AKAのチームのおかげ」

「本当にうれしい。これはすべて最高のトレーニングとAKAのチームのおかげ。彼らがいなければこのパフォーマンスはできなかった。本当のドリームチームさ。次のステップは妻をディナーに連れて行くこと。今はそのことを考えている。その後はどんな試合を用意してくれるかだな。必死に取り組んで、次の試合がいつになろうと準備を整えておくつもり。強い相手がくるだろうから、トレーニングをしっかりやらないとね」

【アーリープレリム】

**▼フェザー級マッチ 5分3ラウンド
○エンリケ・バルソラ vs. ブランドン・デイビス×
判定3-0(30-26、30-26、30-27) **

勝者エンリケ・バルソラ「他のどのスポーツよりもMMAがチリとペルーを団結させてくれる」

「かなり落ち着いていけたし、試合を通してサブミッションを狙っていったんだ。ブランドンは背が高くて首も長いから、戦略は基本的に首を取りに行くことだったんだけど、ものすごく粘り強くてフロアの攻防もうまかった。ブランドンは危険なファイターで、打撃も強いし、カウンターを好んでくるから、戦略にこだわっていかないといけなかった。地元で戦っているような気分だったよ。他のどのスポーツよりもMMAがチリとペルーを団結させてくれる。サッカーの試合となれば戦争みたいになってしまうのは誰もが知る通りだけど、MMAの場合はお互いにサポートし合うし、今日は本当にホームみたいで、兄弟たちに囲まれている気分だったよ」

**▼バンタム級マッチ 5分3ラウンド
×エンリー・ブリオネス vs. フランキー・サエンツ○
判定3-0(27-30、27-30、26-30) **

勝者フランキー・サエンツ「フェイントも効いた」

「とにかくUFCにいる最高の人たちと戦い続けたい。できればトップ10か、トップ15の人だといいね。最高のキャンプができたし、ものすごくいいパフォーマンスだったと思っている。エンリー・ブリオネスは戦士だし、かなりタフな試合だった。スタンディングの打ち合いも恐れなかったけど、何度かテイクダウンできたし、フェイントも効いたおかげでゲームプランができた。チリのファンは最高。今週、サンティアゴで戦えたことは最高の経験だった」

**▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
○クラウディオ・プエレス vs.フェリペ・シウバ×
3R 2分23秒 サブミッション(ヒザ十字固め) **

※右ST浴び、左ボディでもダウン奪われるプエレスだが、下から足手繰りヒザ十字。4の字に組み固定し右脇に足首を挟んで極めた。

勝者クラウディオ・プエレス「ありがとう、チリ」

「勝てて本当にうれしい。この試合はかなりややこしかった。負けそうだったけど、"このラウンドは負けても気にしない。最後まで戦う。この試合をフィニッシュしてみせる"と言い続けていた。一度もあきらめなかったし、かなりパンチを浴びてしまったけれど、あとほんの少ししか残っていない中でサブミッションを極められたから、これ以上の満足感はないよ。相手のヒザから音を聞いた時は信じられなかった。今回はものすごく特別で、すべてのチリ人が自分を応援してくれているような気分だったから、本当に感謝している。どこに行っても同じように歓迎されることを願うよ。みんな、今回のショーを楽しんでくれたと思うし、そうできたとも思っている。勝利だったから、みんなでお祝いだ。ありがとう、チリ」

詳細情報はUFCファイトナイト・チリにて。
Photographs by Buda Mendes/Zuffa LLC/Zuffa LLC

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